第2話:妻公認って?、妻よ本当にいいんですか?

「ダメだ!!このままだと爆発しそうだ、もしかしたら浮気するかも」


って、意を決して宣言した言葉は、妻のサチには通用しなかった。

ただ彼女の機嫌をそこねただけだった。


ガックシ肩を落としていたら、それから三日目、夫婦の営みについて

妻から話があると・・・。


もしかしたら、思い直してエッチさせてくれるのか?

何を言われるのかとドキドキしていたところ・・・


「私、がんばってみようと思ったんだけど、やっぱりダメ、無理もうエッチは

できないしそう言う気持ちにもならない・・・」


「でも、あなたの気持ちも痛いほど分かるから、そこでね、ほんとに不本意

なんだけど、ひとつ提案・・・」

「俊ちゃんさえよかったら風俗にでも行ってスッキリして来てくれてもいい

かもって・・・」

「ほんとに不本意なの・・・だから百歩譲って風俗なら許そうかと思って・・・」

「このままでは、俊ちゃんが可哀想だし・・・」


なんと、つい最近までラブラブしてたのに再度のレス発言。

しかも風俗ならおっけ〜ですと・・・。


「ただし風俗は、目をつぶるけど一般女性に手を出すのはやめてね 」

「浮気や不倫はダメだからね 」

「私にも妻としてのプライドがあるし、なにより世間的にも困るから」


「風俗って・・・」

「風俗だってお金バカにならなないよ・・・そんなに小遣いもらってないし」


「頻度の問題だよ・・・そんなに頻繁に行かれても困るよ」

「月一程度なら、お金はなんとかできるでしょ」

「それでも不満?」


「一ヶ月に一回だって?・・・そんなのないのと同じじゃん」


「でも、もし一般の女性をお相手にしたってお金がかかると思うけど・・・」

「俊ちゃんに、そんな甲斐性ある?」


「あるよ・・・僕のこと見くびってるだろ・・・」

「これでも今だって充分モテるんだからな・・・金うんぬんじゃなくてさ」


「見栄貼って・・・おじさんを相手にしてくれる女性なんかどこにいの?」


「もし、そんな人がいたら、ここに 連れて来なさいよ」

「私の眼の前に連れて来ることがきたら、私公認でお付き合いさせてあげるわ、

もしそんな物好きな人がいたらだけどね」


「そうか、もしそう言う物好きがいたら、連れて来ていいんだな」

「いざとなって認めません・・・なんて言うなよ」


「ただし・・・条件つけるから・・・」


「条件?・・・ってなに?」


「え〜とね・・・そうね、まず家族持ちはダメでしょ、それに私と同じ

くらい年齢の女性もダメ、あと、うちの家庭にはぜったい持ち込まないこと、

あとは妊娠させないこと、これだけのことを全部理解してくださる方」


「そういう方がもしいたらおっけ〜してもいいわ・・・」


「そんなこと言っていいのか?」


「いいの・・・条件に当てはまるような人なんかいないと思うから言ってるの」


妻はハナっから、いないって思って言ってるんだから公認って言うより非公認って

気がするけど・・・。


「それで、俊ちゃんの欲求も満足させることができるんじゃないの」

「そんな物好きがいたらだけど・・・」

「ここまで譲歩してるんだから感謝してちょうだいね」


「分かった、じゃ〜離婚してくれ」

「そしたら、そんなまどろっこしいことしなくて済むだろ?」


「なに言ってるの・・・離婚なんてバカじゃないの?」

「何十年も連れそって来て、今更?」

「憎たらしくなった訳でもないのに分かれることなんてできません」


結局、売り言葉に買い言葉が、そんなことになってしまった。


完全に妻は僕をコケにしている。

女など、できないとタカをくくってるんだ。

それに条件のハードルもめちゃ高すぎ・・・条件満たす女性なんかいないに

等しいよ、ったく。


妻は賢い女なのか寛容な女なのかは分からないがもし僕のセフレになってくれる

人がいたとして、結果自分公認のセフレならトラブルにはならないと思ったのかも

しれない。


妻が認めたんだから不倫でもなければ浮気でもないって理屈は通らないのか?

いやいや、やっぱりこれは不倫であり浮気には違いないだろ。

妻が認めても世間は認めないだろうからね。


まあ、考えてみたら完全に妻のほうが正解かもしれない。

まじで僕のセフレになんかなってやろうって言う物好きな女性なんて現れる

わけがなかったんだ。


でも、それでも素人の僕が手探り状態の中、僕のセフレちゃんになって

くれる人を探すことになった。

諦めきれなかったからね。

最初は出会い系とかマッチングアプリなんかに頼ろうかとに思ったんだけど

ネットはなんとなく怖い気がしたのでやめた。


こういうのは知り合いの人にお願いするわけにもいかないし、どうしたもんかと

悩む日が続いていくわけで、希望の人にめぐり合うのは奇跡のようなものだった。


ただ、この先の出来事を思うと妻の読みは甘かったんだ。


日本の人口のうち、女性が64,815,079人・・・その中に独身女性がどのくらい

いるのかは分からないけど、きっとモノ好きな女性が一人くらいいたりする

もんだ。


つづく。


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