第27話お父さん

ドン!


「うっ、、」


「痛いだろう?さっさと諦めろ!」


「嫌、、だ!」


ジュッ


「手がジワジワと焼かれていく感覚はいかほどのものかな?」


「いっ…!」


「ははははっ!!」


ガアアアアアアアアアアッ


「うっ、!」


「死ねえ!銃撃!」


ドンッ


「当たると……やべえよなぁ、!」


「終わりだよ、お前は」


「こんなんで…死んでたまるか!」


ドンドンドンッ


「地獄へ行け…火龍ッッ!」


ドカアアアアアアアン


火の龍が龍雄を襲った。龍が潰れて大きな炎となる。


「……ん?」


大きな炎と化したはずの龍がまた顕現し、その龍が剣に宿った。


ッッッ……


「な、、どうなって、、?」


「草薙剣に負けはない。例えそれがどんな巨大な敵だったとしても、龍だったとしても…」

「全て、この剣によって封じられる。」


「火龍ッ…!」


ブン


「は!?なんで、なんで!どうしてだ」


「僕の仲間を………僕の仲間を!!お前は簡単に傷つけた。」


「ひっ!」


「この国に住む人も、何人殺した?父さんを殺して、顔を踏んで…それでもお前はまた人を傷つけるのか…!」

「そんなお前に、この国の王冠がつけられるわけないだろ!!!!」


「っは…!」


「僕は、この国の皇帝だ。後に伝説となる、龍だ。」

「そして…お前を殺すのは、数々の伝説を残した草薙剣だ。」


「や、、、!」


「またの名を…」


    天叢雲ッッッッッッ!!!


「はあ…やっと、、終わった。」


「そうだ、みんなの体治さないと」


「龍雄!」


「あ、2人、!よかった無事だったんだね。」


「ああ。……龍雄、勝ったんだな!」


「勝ったのはいいけど、この3人はどうやって助ける?」


「あ、そうだ!この国の魔法があった。」


「この国?」


「この国特有の治癒魔法…」

天満月あまみつつき


「…ん、、」


「すっげえ…傷が治っていく!」


「不思議ね…あんなに勉強したのに、私こんな魔法聞いたことない」


「この国特有の魔法は多いんです。これもその一つで、かなりマニアックな技です。」


ズサッ


「龍雄、、杖が!」


「この技を使うと、杖が使えなくなってしまう…だから、滅多に使ってはいけない。」


「いいのかよ…?もう魔法使えないってことだぞ!」


「新しい杖をいつか買いに行くよ。まあもう2度とゲーム世界に来る必要がないよう願うけど。」


「…!痛くない、、体が痛くない!」


「みんな龍雄に感謝するんだよー。龍雄が助けてくれたんだからな!」


「なんでお前が偉そうなんだよ…」


 ◆

カラッカラッ


「あったよ龍雄…!」


「王冠?」


「うん、だってほら!新しい国王でしょ?」


カラッカラッ


「お父さん、この本読み聞かせてよ!興味あるんだ!」


「これ、歴史の本だぞー?難しい上に退屈だよ。それでもいいの?」


「いい!これがいいの!」


「わかったわかった。」


カラッカラッ


「お父さん、この人が被ってるこれってなに?」


「王冠かな?」


「おう、かん?」


「ああ、かっこいいんだぞー?王の象徴だ!」



「それをつけたら、王様になれる?」


「そうだよ!」


「お父さんみたいな王様に王冠をつけたらなれる?」


「なれるさ!」


カラッカラッ


「サンダーランド…みんな、ありがとう。でも、その王冠はいらないよ。」


「え!?なんで?」


「僕の王冠はいつだってこの…父さんが作ってくれた王冠なんだ。」


「はははっwそっか!そうだよなぁ。これから頑張れよ、龍雄!」


「うん。みんなも気をつけて!」


「んじゃ、いくぞ!」


「ワープっ!」


ビュンッ


「頑張れよ、か。」


「父さんのような優しく勇敢な王様になれるよう、頑張れよ!龍雄!」



「父さん、僕、頑張るね。」

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