第18話バトルロイヤル

「聞こえてるか、スキャロップス!」


「おお聞こえるとも。2人は今どこ?」


「城の周辺の町!トニーは?」

「庭園?噴水が目の前にあった!」


「おっけー、じゃあこれでお互いどこにいるかはわかったね。地図もあるからそれを見たほうがいいよ。」


「了解。」


「んじゃあ、頼んだよ。」


ブチッ。


にしても、まったく俺は何してんだかw入ってきたばっかりの団員にバトルロイヤルに参加してもらうなんて…。こんなん団員に友達がいねえのを晒してるようなもんだな。


パシャパシャ


…!誰か来る!


バトルロイヤル、ルールは簡単。事前に作ったチームで協力して生き延びること!でもめんどくさいのは仲間と違う場所にワープさせられて合流をしなければならないこと、そして、地面に倒れればその時点で脱落!


「まず1人はっけーん!片付けてやるよっ!デトナディア《連続爆発》ッ!」


バシャアアアアアアッ!


「うわっ、やべえな、おいおい誰だよお前!」


「スキャロップスくん。まずは僕が相手だよ、」


「スキップジャック…か!」


「まあ、軽く落としてあげるよ。」


「舐めんなよっ、キャノンデビエンド《強風》!」


「あれ、いない?」


「スラフストラフ《打撃強化》」


ガアアアアンッ


「…あっ!やべ、もろに!」


「覚悟しろよ、もう1発!」


「モビメン《瞬間移動》…!」

「はあ…はあ、なんとか距離を、」


「稼げてねえよ!」


「はっ!?バリアゴールズッ、」


ギギギ…


「はあ、なんだよこれ!バリアすら割れそうじゃねえかよ!逃げるしかねえ、レンドラピオ!」


ジャジャッパッ


「はあ…はあ…危ねえ、早々に脱落するところだった。」


「スキャロップスくん。君とは魔法段が違いすぎるんだよ。」


「魔法段なんか関係ない!勝ちたいって思いが強いほうが勝つ世界だろうが!」


「根性論?ここはゲームの世界だよ?」


「ちがあう!感情論だよ!」


「どうでもいいけど、そろそろ本気で行くよ。」


まだ本気じゃなかったのかよ…


「ふうっ!ファイアーイフリート!」


スキル発動

「使うしかねえな、もったいねえけど。」


ボルト人間


ビリビリーッ!!!


「ここは水路、わかるよなぁ!」


「炎が消えた!?あああっ…!電気!?」


「俺のスキルは電気人間!ここは水路、感電して終わりだ。」


ビリビリ…バリ


水路の電気がチカチカと点滅している。俺のスキルは周囲にある電気をも吸い込み相手にぶつける。そのため、まだ点滅段階で収まっただけいいほうだろう。


まあ、まだまだスキルは終わらないけど。


スキップジャック脱落


「さてと…庭園だったかな確か。ここから近い、まずはトニーの援護!」


ピー


「…!地図からトニーが消えた…。やられたのか…?とにかく、急げ!」


電気状態の今なら移動はめちゃくちゃ早い!


水路の水を掻き、あっというまに草原へ。生えている草や木が燃えようが、ただ真っ直ぐに進む。


ビリビリビリビリ


「ついたっ…」

「トニー!」


トニーは庭園の、薔薇の花の中で静かに倒れていた。


トニーレイジークルー脱落


「まだ倒れたばっかりだな。脱落が今行われたってことは!」


「新しい団員を誘うとは、スキャロップス。」


「なんとなくそんな気してたぜ…!ブロード・ビーク!」


「まさかもうスキルを使ってしまったのかな?」


「ああ、有効活用させていただいたよ!おかげでここまで電光石火のごとくこれたんだからな。」


「それならよかった。じゃないとおかしいもんなぁスキップジャックが倒されてるのは。」


「倒したよ。俺がな!」


「ちょっとスキル強いからって、油断しすぎなんだよお前は。」


キリッ!


「なん!だ?」

「弓矢かよ、このよりによって見渡しの悪い花の中で!」


まあ大丈夫、俺にはスキルがある!


「余裕そうな表情をしているが、さっきの雑談でスキル効果時間は終わったようだぞ?」


「え?」


「あばよ、サル!高速弓矢パラインバグ!」


落雷か、雨か、嵐か、空から無数の矢が俺に向かって降りかかった。


「あーあ、これじゃあただの漁夫の利だなぁ。」


ズサッ


スキャロップス脱落

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