2章新たな皇帝編
第16話巨大組織、アストラルアルカディア
「ニュートン。あなたは1プレイヤーとしてはやってはいけないことをやったのです」
俺たちは気付くと、誰もいないだだっ広い教会へと来ていた。横並びの椅子に俺とトニーが座って、太陽で照らされて輝くステンドグラスの前に正座をして座っているニュートンがいる。
「レーファンは、シルクスクリーンにウィンエナディングを撃たれて死んだんだよ!なんでわかんない!」
「シルクスクリーンの姿はないのだから、今説明されてもこちらとしてはなんとも言えません」
「っ……!」
この教会に入ってから喉が重くて声が出せない。なにか魔法をかけられているのだろうか?これではまるで生人を見る死者のようだ。それとも俺たちは本当に死んだのか?奈落に落とされたのか?
「それでは、ニュートン。あなたを本部へ連行します。これは強制です。」
「本部!?まさかあの牢獄へ?そんなの冗談じゃない!ふざけるなよ。」
ニュートンが声を荒げた瞬間、ニュートンの体は宙に浮き、ニュートンは抵抗すら出来ないままに連れていかれる。俺たちは必死に声を出そうとするが、喉はまったく動く気がしない。それどころか、体すらももう動かなかった。
「っっ!!」
「後ろの2人、あなたたちには新たな組織へと入ってもらいます、もうユナイテッドはお終いです。」
ビュンッ!
「いってて…、」
「あ!声出る!」
「いやでもサンダーランド、ここどこだよ。」
「多分教会の外だ。」
教会の外なのは確かだが、モンスターダービーが開催されたあの場所とはどれくらい離れた場所なのかわからない。
「レーファンの死体…、回収してねえのに。許せねえ。」
「サンダーランド、今は落ち着こう。とにかくもうあの会場には戻れない、危なすぎる。」
「うん。確かに、今戻ればまたあいつに遭遇するかも」
「ニュートンは、本部に連れてかれた。多分、牢獄に入れられる」
「もう、出れないのか?」
「ああ、脱獄は絶望的だ。牢獄ではワープが使用できない。」
「さて。君たち、ワープしますよ。」
「うわあっ!」
今度は案内人のバッチ?なんなんだよ。
いきなり目の前に来たその案内人は今までの案内人とは違い、男とは思えないほどに細く痩せていた。そのこけた顔に髪で影ができ、とても不気味だ。
「ユナイテッドは解散をし、新たなオーガニゼーションへ入ってもらうことになった。巨大組織、アストラルアルカディアだ。」
「アストラルアルカディア、あの安全と言われたオーガニゼーションか。」
アストラルアルカディアって組織募集所でおすすめされたよな。シルクスクリーンの入ってるトリックスターに並ぶオーガニゼーション。
「アストラルアルカディアには大きな拠点があり、そこには多くの団員がいます。あなたたちがニュートンのように犯罪を犯さないように安全なオーガニゼーションへと送るのです。」
「…ニュートンは!!」
「行きなさい。ワープ」
「うわっ!」
いつものワープじゃねえ!竜巻の中にいるように、飛ばされるっ!
「トニー!掴まれ!」
「げええええ、無理だってこれえええ!俺無理!高所恐怖症!」
俺もその言葉でやっと気付いたが、これはワープなんかではない本当に落ちている!
「おいおい!やべえなこれ!!死ぬって!つーかこれ下に建物ある?でっか!」
俺たちの下には木?石?煉瓦?何かの素材で統一された建物があった。
「つーかあれ街だろもはや!でかすぎる!」
宮殿のようなものもあれば、城もある。まさに絶景!俺が監禁されていた場所ももしかしたらこんなに綺麗だったのかもしれない。なんてことを考えている暇はない!あともうちょっとで地面に!
「トニー、掴まれ!よしっ、きた!」
「え!は?どうすんだよっ!」
「待ってろ!多分杖が勝手にどうにかしてくれる!
「ええっ!?」
「危ないぞ、
ブゥン
「うわっなんだこれ、浮いた!すげえ!」
「久しぶりの新団員だな!みんな、歓迎するぞ!」
トニーと俺がゆっくりと地面につくと数えきれない人数の団員らしきプレイヤー達が俺たちを囲んだ
「せーの!」
「ようこそ!アストラルアルカディアへ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます