第13話人の形をした悪魔 モンスターダービー⑤

「へっ!?うそだろ、こいつ…

いつの間に後ろに!」

「はははっ!笑える!やっぱ人間って面白いw」


精霊アラは先程まで天空を舞う悪魔、堕天のように見えたが、その姿は一瞬にして普通の人間へと化し、俺たちの目の前に現れた


「これが精霊アラ???変身するなんて聞いてねえぞ!!」

「ふふふw」


容姿は普通の人間、しかし笑った時の顔はやはり悪魔、堕天!!

「バリアゴールズッッッ!!!」

「グラニーゾ!」

「雹魔法、でも、こっちは

バリア魔法っ!!!」


「うっはっwふうううっ!」

「はあっ!?ただのパンチでバリアが強制解除されたッ!?」

「ゴミども、しねえええええええああああ!!!!!ウィーチャートルネードッッッ!!」

「やべえ!

死ぬって!

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅっ!助けてよサンダーランド、ニュートン!」


「はあ、所詮この程度…さっきの言葉は前言撤回させてもらう。やっぱり人間はつまらない。大雷グラウト。」


雷攻撃、グラウトは精霊アラだけが放てる魔法だと言われおり、未だかつてこの魔法を使用したプレイヤーは居ない。だがしかし、こんなにすごい魔法…いや、どんなに凄い魔法だろうとここはゲームの世界。耐える方法はいくらである。そして、この時サンダーランドとその仲間はその方法の1つを所持していた




「………これ、光ってる?あ!ボイスダミッスだ、ボイスダミッスが俺たちをワープさせてくれたんだ!」


サンダーランドたちはボイスダミッスを所持していた。このボイスダミッスの効果は味方がピンチの時に通知をしてくれること、そして任意で仲間の位置にすぐワープできること。さらに、ボイスダミッスが壊れた時、その周辺にいたオーガニゼーションの仲間が強制的に近くにワープされるというものだった。


「そうか!それだ!なんとか生き残ったぞ!」

「ああ!!」


「渾身の一撃を運良く逃れることができてよかったな。まあ、一度逃れただけではなんの意味もなさないのはお前らの脳で考えてもわかるであろう?」

「なんかこいつ、キャラ変わってね?」


「キャノン、デビ…」

「くるっ!!避けるぞ!」

「トニー、ニュートン、待って!」

「エン」

「レーファンからSOSだ!」

「うっ!!!あっ!」


「いってえ。相変わらず威力バグってんだろ…。」

ピーッ。ピーッ。

「トニー、ニュートン、赤く光ってんだ!俺のボイスダミッスが…」


ポキ、ドンっ!

「いったああ!枝に引っかかってたのか俺…。つうか、ここどこだよ?おいおいまさか俺だけ遠くに飛ばされたやつ?みんなバリア間に合ったっていうのかよ。まあいいか、」

「て!早く助けに行かねえと!レーファンがやべえ!」




「はあ…!はあ。まだ俺はやれる…強風で飛ばされようと、洞窟に水が来ようと!俺は生きる、戦う。」

「おとなしく死になよ。そっちの方が楽だと思うんだけどなぁ。それとも何?何か死にたくない理由でもある?まさか無いよね!」

「ある。」

「まじかよ!なんのためだよ!」

「当たり前だろ、仲間のためだ…」

「ああ無理無理wそういう少年漫画みたいな展開やめてよ。この世界は強いものが勝ち、弱いものから堕ちていくようになってんだよ。そういうやつほど悪事に手を染めて、堕天あくまみたいな存在になるのさ」

「それはお前だろ。大丈夫か?今すげえブーメラン飛んでるぜ?」

「俺は正義だ!ローカルを殺してこのゲームを、この新たな世界をより良いものにしようとしているこの俺こそがむしろ真の正義そのものだろうが!この俺は悪じゃない。」

「なら俺に情報をよこせ、正義ならそれができるはずだ。」


「つくづく…。腹の立つ野郎だ!!死ねッッッ!ウィンエナディング!」

「あっ、」


「ははははっっ!!!当ててやったぞ!当ててやった!お前は猛毒に苦しみながら死ぬんだよ!ゲームオーバーだッッッ!!」

「あっ、があああああっ、痛え。お前…その魔法、禁止魔法、猛毒魔法のウィンエナディング…。」


このゲーム世界がローカルのハッキングによって現実世界とほとんど繋がってしまった時、すなわち死がこの世界に実装された時にいくつかの禁止魔法が作られた。その禁止魔法の一つが今、レーファンの膝に撃たれた。その名もウィンエナディング、猛毒魔法である。これを撃たれたプレイヤーは5分以内に猛毒が全身に行き渡り死亡する。


「……ああ、痛え。なんだこれっ…風穴が空いたみたいな。意味わかんねえ!」

「お前はもう間も無く死ぬ!ざまあみやがれ!」

「へへっ、俺もただじゃ死にたくねえよ。」


ピーッ!ピーッ!


「お前、なんだそれは?」

「俺の仲間は強えぞ?」


ピーッ。ピーッ。


「SOS。。頼む、来てくれ。みんな、作戦失敗だ…」

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