第12話チート能力 モンスターダービー④

「いいぞ?いつでも来なさい?wもうゲームは始まってるよ?」

(しくったな…。こいつやっぱちょっと強そうだ。………勢いでサンダーランドを庇うために飛び出してしまった…)


トニーは仲間のために勢いで飛び出して勢いで魔法を出したが、その決死の魔法が当たらなかったために内心すごく焦っている。この焦りによって出てくる汗を気取られぬようにトニーは無駄に話を振った。


「お前確か、キャスパーってとこのアーティ•チョークだな。」

「ああそうさ?それがどうした?w気のせいか?俺にはお前が内心すごく焦っているのを気付かれないように時間稼ぎをしているようにしか思えんのだが」

「ははっ、やっべっ………」

「モビメンッッッ!打撃強化《スラフストラフ》!!」


チョークはモビメンを利用し、トニーとの距離を大幅に縮め、スラフストラフによる打撃強化によって強化された打撃が飛んだ。


「ぐっうう!あああっ!離れろっ!!あああああああっッッッ!!」

「へっ!きたきたっ!もっとあせろ!!」


ドンッッッダッ!!!!!!


「ははwやっぱりバカだ!!!スキル発動、コントラドラゴンッッ!!」


ガンッッッッ!


「……嘘だろ?鉄??なんだこれ。」

「ああ、ごめんな。少しやりすぎたわ。」


─スキル発動─

人格操作ラインフォースド


「俺のスキル…それは入れ替わり。」

「入れ替わり…!?そんなスキル聞いたことが…」

「……お前何者だ??」

「入れ替わりとは言ったが人格操作。つまり、ただのモノマネにしかすぎない。しかもこのスキルが発動する条件は運、ただ一つ。

ま、本人には記憶がないがな。」

「じゃあお前は今…誰のモノマネをしてるんだ…!!?」

「シルクスクリーン。スキル発動!」

「シルク…スクリーン…!?スキルッ!?!!」



使用可能全魔法能力強化


「おっりゃあああああああああ、あばよ!ファイアーイフリートッッッ!!!!!」

「ああああああああっっっっ!あああああっ」


ズサッッッ


「灰…いや、それどころじゃねえか。」


トニーが放ったファイアーイフリートによって周辺の木は全てが燃え尽くした。



「うん…ん、あれ!?またか…スキル発動しちゃったんだ。まあ助かったからいいか…」


トニーには、この時、戦いの記憶が全て削除された。削除される区間はトニーの視界にスキル発動という文字が出てからそのスキル発動期間が終わるまでである。

彼には戦っている記憶はないが、このスキルのことをゲーム開始時点で理解はしていた。だが、彼自身にこのスキルはコントロールが出来ないため、他のプレイヤーにはこの存在を隠してプレイしている。

そう、彼は子供のふりをした最強。化け物であり、チート能力の使用者である。

これにニュートンなどの周辺のプレイヤーはまったく気付いていない─────


「……トニー、生きてるか…俺、気絶してたわ。もう動けそうだ」


「わかった。それじゃあもう一回がんばるか…相手は精霊アラだ。ニュートンがずっと耐えてくれているはず…」


「え、ていうかお前あいつ倒したんだな、普通にスルーしてたわ。」


「いや、まぐれだ、不意打ちで勝っただけだ!ほら、早くいくぞ!」


「ああ、いこう!」


「ニュートン!大丈夫か!!!!」

「うわっ!お前らやっと来てくれたか。妨害か?」

「うん、結構強かったよ。

まあでも、多分こいつよりかは強くない。」


「いや!絶対だ!」

「くるぞ!構えろ!耐えるんだ!!!」


「キャノンデビエンド!」

「ぐぅうううっ!!そんなん反則だろが!!やっべえ!岩にあたるっ!」


ドンドンドンッ!


「なんだよこの威力…、てか、岩に当たった?林は?木は!?」

「全部消えてるぅーーー。こりゃおかしいなニュートン…」

「みんな!もう一回くるよ!」



「………あれ?何も来ない?何か…変だぞ?」


「まさか、私がこの姿に変身しワープしたことにすら気付かないとは…いい加減気付けよ。………有象無象。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る