黄色の公衆電話

その後。

通話料も値上げされて。


10円だと。

一分も通話できなくなりました。


まして。

地方の実家にかける時は。


10円玉を何十枚も。

電話機の上に置いたものです。


それが。

ある時。


100円玉で通話できるようになったのです。


但し。

お釣りは出ないので。


100円を入れたら。

目一杯、話しました。(笑)


多分。

親達も子供の声が長くきけて。


嬉しかったのかもしれません。


松山千春さんの曲で。

「ふるさと」という唄があります。


都会に出た主人公が。

疲れ切った気持ちで故郷の親に電話するのです。


慣れない喫茶店に入って。

粘ることも出来ずに。


コーヒーをお代わりし続けて。

いたたまれなくなって。


電話をかけたのです。


そうです。

黄色い公衆電話は。


故郷への想いを。

伝える電話だったと。


僕は。

今でも思います。


何故なら。

僕も。


そう。

だったからです。

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