第29話 対逆ハーレムエンド攻略方法
「私だって星姫2は散々やって、魔女の館が出るタイミングは把握しているわ。
これはそれを指し示す手助けをする魔道具よ。あなたを助けてくれるわ。
魔女の館は、月曜日、雨、午前中、広場、などの組み合わせで、出てくる場所と、魔女の欲しいアイテムが決まるわ。
この魔道具でその条件を選択すれば、魔女の居場所を特定して、魔女が欲しがるアイテムを教えてくれるわ。
好感度を上げる相手というのは、自分でなくとも構わない。ライバルに対する攻略対象者の好感度を上げる事も出来るの。ルイ・ランベール侯爵令息ルートがまさにそれよ。
まずルイ・ランベール侯爵令息の婚約者に対しての、ルイ・ランベール侯爵令息の好感度が70%を超えさせる必要があるわ。
その時に、マクシム・ミュレール王弟殿下の、ヒロインに対する好感度が70%をこえると、ルイ・ランベール侯爵令息が、マクシムルートの邪魔をしようと登場してくるの。
最初は完全に敵としてね。そこからルイ・ランベール侯爵令息の好感度を上げていくことで、アドリアンルートが登場するのよ。
もちろん下げさせることも出来るから、アドリアンからあなたへの好感度を、ハーネット令嬢が下げることも可能だわ。
魔女の気に入らない贈り物をして、アドリアンからあなたへの好感度を、上げてくださいとお願いをするだけ。
あなたがそれを利用してしまえばいい。
ライバルであるハーネット令嬢の好感度をあなたが代わりに引き上げるのよ。
……辛いでしょうけどね。」
「ハーネット令嬢への好感度を、引き下げるのでは駄目なのでしょうか?」
「無理ね。そこにはヒロイン補正というものがあるから。」
「ヒロイン補正?」
また聞き慣れない言葉が出てきたわ。
王妃さまの言葉を咀嚼しつつたずねる。
「1回に下がる数値よりも、上がる数値のほうが高いのよ。ヒロインだから。あなたがどれだけ下げても、そのぶんハーネット令嬢が上げてくるだけ。無駄な作業だわ。」
「上げるしかないってことですね……。
でも、ハーネット令嬢も、それを把握しているんですよね?だったら先に行かれてしまうこともあるんじゃ……。」
「そこはハーネット令嬢がアドリアンルートを目指していることから、自然に邪魔が入るから、だいじょうぶだと思うわ。」
「邪魔?」
「今のハーネット令嬢にとっては、ね。
アドリアンルートのハッピーエンドには、全員の好感度が70%以上必要なの。
逆ハーレムエンドだからね。
だけど好感度が70%を超えると、占いの館のある場所にいると、必ず攻略対象者が現れて、占いの館にたどり着く前に、ヒロインと会話を始めようとするのよ。
そこで目の前に現れた攻略対象者の好感度を上げてしまうと、他の人とのハッピーエンドになってしまうこともあるし、そこで好感度が下がっても、アドリアンルートのハッピーエンドにはたどりつけない。
慎重に会話内容を選ぶ必要があるわ。
ハーネット令嬢がいかに会話内容を記憶していたとしても、ゲームの画面と違って、攻略対象者たちの会話は早送り出来ないし、スキップ機能なんて当然ない。
彼女は既にマクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を上げ過ぎるというミスをした。
だからすべてを完璧に記憶しているわけではないと思うの。
離婚前にマクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を上げすぎると、バッドエンドになるというのは、あなたも夢で見たのよね?」
「はい。」
「だからハーネット令嬢は、マクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を少しでも下げたい筈よ。最近避けているそうだから、90%ごえは間違いないでしょうね。
告白されない為に、必死に逃げ回っているのよ。誰か1人から告白されてしまうと、他の攻略対象者へのルートが閉ざされてしまうもの。プロポーズまでキープが鉄則なのよ。
その攻略対象者のルートを選ぶのなら、告白後からプロポーズまで、甘いエピソードが続くから、むしろ目指すべきだけど。
特にまだ離婚していない、マクシム・ミュレール王弟殿下からの告白なんて、リアルで考えてもバッドエンドもいいところだわ。
だけど1度90%を超えた好感度は、下がる際にペナルティが発生するの。
自身のステータスが下がるという、ね。
ただ下がるだけでなく、大きく下がるわ。
取り戻すのに何度も魔女の館に通うことになるわ。だから極端に下げることも難しい。
逆ハーレムエンドを目指すにも、魔女ルートに進むためにもね。
マクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を80%くらいまで下げる、自身のステータスを取り戻す、アドリアンの好感度を上げる。
この3つを同時にこなすことになるから、かなり時間がかかる筈よ。特にステータスを取り戻すのに時間が必要ね。
だから攻略対象者たちに出会ったら、ゆっくりと時間を使って会話をするでしょうね。
自身の目指す数値になるように。
そこがあなたのチャンスよ。」
「わかりました。それと同時に王妃さまにやっていただきたいことがあるのてすが……。
お願い出来ますでしょうか?」
「何かしら?」
「魔女の好む贈り物の中で、手に入りにくいものはありますか?」
それを聞くと王妃さまがニコリと笑った。
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