第13話





「ふう、助かったよ田中、過去問くれたおかげでなんとか解けた」


「おう、この前のダンジョンの礼だ」


ダンジョンから帰ってきた時に田中に連絡したお陰で無事過去問をもらうことができた。

しかもそこまで難しくなかったのでとりあえず乗り越えることができたと言えるだろう。




「そういえば最近ダンジョンに行ってるのか?」


「おう!一応まだ『ホーンラビット』と『スライム』を倒し続けてるぜ。けど昨日油断してホーンラビットの突進。喰らっちまったんだ。一応掠っただけなんだがズボンがそこだけ引き裂かれて使えなくなっちまったぜ」



「『ホーンラビット』はモンスターの中で10番目ぐらいに人を殺しているモンスターだからな?逆に足でよかったな。心臓だったら2回くらったらお陀仏だった」


「げ?!まじか。ちょっと次から油断しないようにするわ」


「ああ。ダンジョンで死ぬ人間が多い理由の一つが『油断』だからな」



「そっか…次からはなるべく油断しないようにするぜ」


「ああ、一応性能はあまりないがポーションを渡す。これで切り傷ぐらいは治せるからな。頑張れよ」


「ああ!頑張るぜ!」



先行投資と思えば痛くないな。むしろ田中が強くなっていくところを見るとなんというか弟子を見ている気分になる。弟子はいないが….



「じゃあなー!俺は今日ダンジョン行ってくるわ」


「ああ〜。俺は家でゆっくりするわ」




◇◆◇◆◇◆





ここは、日本とは全く別の場所。いや、そもそも場所に一体の化け物がいた。



「……………ああ、文身体がやられたかあ。僕の文身体を倒すレベルの奴がまだあの場所にいたとはねぇ。でもスキルをコピーすることはできたか。悪くないスキルだ」



そう、そのモンスターはつい最近文身体にも関わらず八神を手こずらせた『Arrogance』であった。文身体を倒されたのにも関わらず変わらないその態度は自身の表れだろう。

確も


「いや、そういえばNo.2とはいえ僕も戦うのがめんどくさい『Greed』を退けた奴がいたな。名前は……『西園寺金時』か。ふうん」


『Arrogance』は自身の記憶を辿り、『Greed』と話したときの事を思い出した。



「まあ、はっきり言って厄介なのは僕の文身体が戦った人間だけだな。…ああいうイレギュラーはなるべく早く消さないと今度は僕らが消されるかもしれないからねえ」



『Arrogance』はで長い年月を生きる羽目になったが今まで戦ってきた人間の中で最も異質だったのが八神だった。



(この世界であれレベルの奴が出てくるのはわからなくもない。だが、まだダンジョンが完全に馴染んでいない状態であの強さはおかしい。この世界出身と言われても納得してしまう)



(そして、一番の懸念はあいつはリミッターが外せるということか。今さっき文身体の、記憶を一通り見たがリミッターを外してから外す前とは比べ物にならないほどの速さになった。しかも、おそらくあれが本気ではないだろう。しかしあの剣技、何処かで見覚えがある気が……)

『Arrogance』は記憶を辿るが、過去の記憶が

段々と薄くなっていくのを感じた。


(ふん。僕も歳をとったな。まぁいずれわかるだろう。次は本体、この体で来てやる)



「僕が直々に殺してやるよ。八神」





◇◆◇◆◇◆





「お、思ったよりあったな」


大学が終わり、暇ができた俺はたまたま特売になっていた鶏肉を買いに行った。ダンジョン産ではなく普通の鶏肉だ。


鶏肉を一キロで800円の鶏もも肉を5パック買ってそのほかにもカレールーを買って八百屋さんにも寄って行った。


「へいらっしゃい!今日はジャガイモが安いですよ!」


「じゃあジャガイモとにんじんと玉ねぎください」


「毎度あり!」



ふう、ここは結構田舎だから都会の野菜よりも安くて美味いんだよな。不揃いなものもあるけど全然気にならない。



「500ちょうどです!ありがとうございましたー!!」





早速家に帰って調理をしよう。って言ってもお湯にカレールをぶち込んで具材を放り込むだけなんだけどね。明日の分も一気に作るか。


ジャガイモの芽をとり皮を剥いでカットしていく。


…スコココココココココ


そして、人参も適当にゴロっとするように切っていく。


スコココココココココ



最後に玉ねぎを切っていく。


スコココココココココ



「ぐ、目が見えない」


涙が出てきた。てで目を拭いたが余計あっかしてしまった。



10分後




「ふう……。死ぬかと思った。失明しかけた」


先にご飯を炊いておく。


次にカレールーの準備だ。

お湯を沸かして少ししたらジャガイモ玉ねぎにんじんを入れる。野菜は炒めない。めんどくさいから。

煮立ったらカレールーを入れて混ぜて放置。出来上がりだ。



早速食べてみよう。皿にご飯をたくさん盛り付けて、鍋からスパイス香るいい匂いが漂ってるカレールーを具をたくさん皿に乗せる。



「いただきます」


ご飯とカレールーを食べる。

うん、うん!美味い。実家の味というかすごく安心する味だ。安心と信頼の味だな。

今度は具をたくさん乗せて食べてみる。


ハム、モグモグ。うん。もうちょっと鶏肉入れればよかったかもしれない。でもかなり美味い。野菜は炒めてないが全然美味しい。

ジャガイモがカレーの辛さを中和してくれている。


カレーを食べる手が止まらなくなり気づいたら炊飯器で炊いていたご飯がなくなっていた。



「ふう、満足満足!ご馳走様でした」


残ったカレールーをタッパーの中に入れる。明日の朝にパンと一緒に食べるつもりだ。あとめんどくさくなったら最悪明日の夜ご飯もカレーでいいしな。



にしても、ポーションを使ったからかわからないが昨日寝たはずなのにものすごく疲れたな。


明日はダンジョン協会でスキルを強化する鍛錬だな。




——————————————


お待たせしました。色々とトラブルがあって遅れてしまいました!待たせてしまい申し訳ございません!

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また、星が来たら次話投稿します。

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