第5話
「つきました〜!もうお腹ぺこぺこだ」
「俺もお腹ぺこぺこです」
ダンジョン協会のすぐ近くにあるダンジョン協会と同じようなバカでかいビルが俺たちの目的地、『ダンジョン食堂』にやってきた。
『ダンジョン食堂』とはダンジョン協会が運営してる食堂で、モンスターからドロップするもので作られている。オークの肉といった比較的手に入りやすいものからワイバーンの肉といった高価なものまで取り扱っている。しかも、比較的安く食べられるため、探索者だけでなく、一般の人も入ることが可能な大規模食堂なのだ。俺も何度もお世話になっている。
中に入るとガヤガヤとした喧騒といい匂いがブワっと立ち込めてきた。
「いやあ!これですよこれ、この感じ!八神さん、食券を買いに行きましょう!」
「了解です」
俺たちが入ってきた左側に注文コーナーがあり、画面をタップして注文するシステムだ。電子マネーと現金どちらも対応可能でとても便利。肉、魚をメインとする料理もある他、サラダやうどん、パンといった野菜と穀物もある。しかも全てがダンジョン産で比較的入手しやすく、旨い。しかもかなりの種類があり、一ヶ月に何個か新作が出ている。
さて、今日は何にしようかな……っと。
肉が食べたいな、なら、
この「オーク肉のカツカレー」を頼もうかな?
ご飯の量は大盛りで値段は1100円。ダンジョン産のものが入ってこの値段なのでかなりお得だ。
呼び出し番号が書かれた紙が出てきた、え〜っと、2354番か。
注文が完了したら上にある大型のテレビに自分の番号が載るまで待つ。載ったら料理を受け取りに行くシステムだ。
「お、八神さんは…オーク肉のカツカレーですか!いいですねぇ。僕はハーブ鳥の唐揚げ定食を頼みました」
「か、唐揚げですか?………後で食べ比べしませんか?嫌だったらいいですけど…」
「いいですね!食べ比べしましょう!」
よし。唐揚げも食べたい気分だったんだ。鈴木さんには感謝だ。あとは待つだけ。と言ってもすぐにできるだろう。
「待ってる間席を探しましょうか」
「そうしましょう」
「ご飯を摂る場所は全部埋まっちゃってますね、遠いですけど端の方にしましょう」
「人も少ないですし、それがいいですね」
そうして、俺たちは席を確保することができた。ここならゆっくり食べることができるから良かったな。
そろそろ番号が出ているかな?まだか。でも後ちょっとだ。まだかな……2343番、2344番……まだかな。…………出た!
「鈴木さんいってきます」
「ん?あーもう出てたのか!いってらっしゃい。そろそろ僕も出てくるはずなんだが……」
俺は料理を受け取りにいく。
「2345番のお客様ですか?お待たせしました。オーク肉のカツカレーで…」
「…?どうかしましたか?」
「い、いえ何でもありません、で、では〜」
あーこれは俺が『修羅』って気づいたか。何も隠してないからな。そりゃ気づくか。でも大声を上げなかったのはさすがダンジョン食堂の人間といったところか。
席に戻ると、鈴木さんはいなかった。ちょうど入れ違いになっていたようだ。
さて、じゃあ鈴木さんと食べるとするか。
◯
「お待たせしました〜!いやあ、人が多くて遠回りしてきました。さ!食べましょう!」
「はい、では」
「「いただきます」」
さて、食べるか。
改めて見ると本当にうまそうだ。
大盛りのほかほかご飯に野菜や肉がごろっと入ったスパイシーなルー。極めつけにはその上にのっている分厚くそしてサクサクとなりそうな巨大なトンカツがのっている。これは絶対うまい。
ではカレーから
ハム、むぐ⁉︎う、うまい!スパイシーなルーとほかほかのご飯が程よくマッチしている。そしてルーの具材である肉と野菜も噛めば噛むほど甘味と旨味が出てくる。これだけでも最高だ。
気がつくと手が止まらなくなっていた。
………………………ッハ!いけない。トンカツもあるんだった。というかこれがメインだ。で、では
ザクぅ!サクサク………。
これはうまい…。そのまま食べても衣がサクサクを超えてザクザクと食べ応えがありほんのりと小麦の味がする、そしてオークの肉の甘味と肉本来の旨さがガツン!とくる。
次はゴロッっと具材が入ったルーにつけ、ちょっと具も乗せて
ザク!!
ふむ、カツとルーが恐ろしいほどマッチする。オークの肉の甘味とルーのスパイシーさがこれまた合う。
「クゥ〜うまそうですねそれ!ちょっと食べ比べしましょう!」
「そういえば僕からいったんでしたね。僕も唐揚げを食べてみたかったので」
じゃあ名残惜しいがすぐに帰ってくるから大丈夫。
ハーブド鳥の唐揚げもうまそうだ。ごろっと大きい唐揚げがまだ10個以上入っている。
しかもさっき値段を聞いたが、これで500円らしい。ハーブ鳥は養殖に成功しているから安いがそれでも安すぎると思うし利益どうなっているのか気になるが、ワンコインで食べられるのもダンジョン食堂が人気のうちの一つなのだろうか
では
さクゥ!!
こ!これも中々美味い。唐揚げのこのサクサク感も美味いがハーブ鳥の名前に相応しく、ほんのりハーブの匂いがする。それでも気にならなく、普通の鶏肉より全然美味い。
「オークのトンカツ美味いですね!ルーと組み合わせると最強です」
「ハーブ鳥の唐揚げもかなり美味いです。というかコスパがかなりいいです」
「でしょう?たまたまあったんですけど注文して大正解でした!」
「俺もお金がなくなったらこれを食べようかな」
「いやそんなことはないと思うんですが」
いやまぁ流石に無くならないか。
「では返します〜。次はそれを頼みます!」
「美味いですよ〜。「オーク肉のカツカレー」
さあ、残りを食べるか。
◇◆◇◆◇◆
「いやあうまかった」
「改めて鈴木さん奢ってもらいありがとうございました」
「いやあ、別に高級料理でもなかったので痛くはないですよ。それにこの地位まで上がったのは八神さんのおかげですしね」
そう、鈴木さんがあのカウンターにいたのは俺がら推薦したからだ。Sランクから、自分で職員を推薦することができ、お互いに見知った関係の方がトラブルも少ないからだという。でもいない場合もあるので大体は鈴木さんってことだ。
「ではまた明日会いましょう」
「ええ!八神さんまた明日会いましょう」
さて、鈴木さんとご飯食べたしあとは家に帰ってグータラするだけだ。
家に帰って動画でも見るか〜
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