第3話


~八神side~



「ふん!!!」

まずは手始めに挨拶がてらの振り下ろしを


ドオオオオオオオオオン!

一気に砂埃が舞い上がった。



だが、


——感触がないな。ということは………



「「「「「グルルあああああ!!」」」」」


すでに回り込まれてるってことだ。


まあ心配はない。



飛びかかってきたやつを前蹴りで吹っ飛ばし吹っ飛ばされたブラックウルフを見て他の奴らが硬直した瞬間を

「ッフン!!」

大太刀で横に一閃。

ズバババア!!

これで後は蹴り飛ばした個体。 

 

 

まだダメージが残っているのか動きが鈍くなっている。チャンス!そのまま振り上げる。

ズバ!


「グ、グルウ」


うっし、ドロップ品は……っと、



『鑑定』



『ブラックウルフの魔石』

ブラックウルフを討伐するとドロップする。通常の魔石より色が深く、大きい。



『ブラックナイフ』

ブラックウルフを討伐すると一定確率で手に入るナイフ。ナイフには『攻撃力増加』の魔法がかかっている。

んーしょぼいなぁ。

だけど魔石一つで10万はくだらないからありがたくいただいていこう。



さて、進んでいくか




◇◆◇




———ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



次の相手はミスリルゴーレムか。

こいつはあまり好きではない。何故なら、



「ゴゴゴ」



土魔法を使ってくるからだ。




土といっても柔らかい土ではなく、鉄を貫くレベルの硬さの土の槍を何十本も飛ばしてくるから捌くのにめんどうなんだ。仕方がない。



「っっふうううううう!!」



全身の筋肉をちょっとだけフル活用して捌き切る!!



「ッフン!!!」



ざざざざざざん!!



あら不思議、何十本も飛んできた土の槍があっという間に小さい石ころぐらいの大きさになった。


まあその気になれば砂利ぐらいの大きさにもできるけど。


次の攻撃がくる。



「ゴゴゴゴ!!」



シンプルに殴ってくる。



しかし侮ってはならない。



ミスリルでできたその体は並の防具じゃあ一撃で破壊される。普通の探索者なら避けて攻撃するが俺は、


「ふん!」



があああああああああああん!!



真正面から殴り合いたい。



ちなみに大太刀は背中に戻している。一見この行動はイカれていると思われるだろう。



だがどこが弱点なのかが分かればあとは解体するのと変わらないのだ。



大体の生物の弱点は目、心臓、金的、鳩尾、そして、関節。関節さえ壊せば一気に楽になる。が今回はそれをしない。



自分の拳がどこまで鍛えてあるかの確認だ。 



「っっっし!!」

「ゴゴゴゴ⁉︎」



ふん。強度はこちらの方が上だったようだな。


そしてそのまま三日月蹴りで人間でいうレバーの位置を粉々にする。



「ゴォォ………」



そしてそのまま一瞬で懐に入りアッパー。

ドゴオ!!



「ゴ、ゴ、ゴオオオオオオ…………」



ふう、


ちなみにゴーレムを破壊する手段は二つある。


一つは心臓部分にあるコアを破壊すること。



これが最もポピュラーで安全な倒し方だ。



そしてもう一つは、頭の部分を粉々に砕くこと。



これは普通やらない。



そもそもゴーレム相手に関節攻撃を仕掛けること自体がバカなのだ。(まぁ俺はやったけど)



そして、ゴーレムの頭は心臓の部分と比べてかなり硬い。



現に俺の拳は頭は粉々にしたがまだ拳がジンジンするのだ。



一様これでも低層と中層のボスはワンパンかツーパンぐらいで倒せるのだから、これでどれくらい硬いかがわかっただろう。 




さて、ドロップ品はっと



『鑑定』



『ミスリルゴーレムの魔石』

ミスリルゴーレムを討伐するとドロップする。魔石がミスリル色である。



『ミスリル』

ダンジョンで取れる鉱石の一つ。魔力伝導率が高いため、杖の素材や研究材料として高値で取引される。



ミスリルが出てくるのはそこそこ当たりだったな。正直今日はこれだけで撤収したいところなんだが一回ボスに挑んでみるか?

………………挑んでみるかあ。




◇◆◇




しばらく歩くと馬鹿でかく立派な扉があった。 ボス部屋の入り口である。



この50階層のボスは知らない。


なにしろボスが変わるのだ。



前はアンデットの王だったが今回はどうだろうか。何が来ようが叩き切るが。



馬鹿でかい扉を開けるとゴゴゴゴゴ……という音が鳴りゆっくり開いた。



「………………………なるほどなるほど。

どうやら今日はついてないらしいな。」



俺の遥か前方にいたのは、



「ぐるるるるるるるああああああ!!!!」



全長10メートルはあるレッドドラゴンだった。



10メートルならばまだ若い竜ということか。よかった。これで成龍だったらすごい顔をしていたに違いない。



そろそろ真面目にやんなきゃ大怪我するかもしれないからな。鈴木さんに怒られたくない。大太刀をグッと握り直す。




「グルルアア!!」

ボアアアアアアアアアアアアア!!



レッドドラゴンは火魔法『ヘルフレイム』を放ってきた。



当然避ける、が避けた瞬間に当たってないとわかったのか首を避けた方向に撃ってきた。



これもジャンプして上体を逸らして避ける。



今日も体は絶好調だ。



さて、そろそろ倒しにいくか。



体の筋肉をパンプアップしてさらにそこに魔力を全身に巡らせる。 



『身体強化』



このスキルは基本的に誰でも覚えることができるが修練次第で化ける強いスキルだ。


俺はこの『身体強化』に何度も助けられた。


「さあ、いくぞ!」


一気にレッドドラゴンの近くまで接近して、足を斬る!

ザンン!!


「グルル⁉︎」


まさか斬られるとは思わなかったんだろうな。このまま……⁈


チ…!火魔法で壁を作りやがった。


「グルルルルルル」


奴は勝ったとでも思っているんだろうな。 



『ヘルフレイム』を避ける奴がこの壁を突破できるはずがないと。


だがお前は一つ勘違いしている。



『ヘルフレイム』を避けたのは、筋肉をパンプアップしていなく、『身体強化』を使っていなかったからだ。



パンプアップしている状態で『身体強化』を使っていたら、

 


「ッラアアア!!!」

ザン!!!!!!!


レッドドラゴンごと真っ二つにできる。


「グアアああああ?」




フィニッシュだ。若き竜よ



—————————


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