やっぱり遠隔なのか?

 今日も今日とて俺は仕事をしている。昨日はクソ遠隔少女戦記のせいで7万負けたので、イライラしているが、仕事にあたるのは良くないので至って普通に仕事をしていた。閉店の30分前腕時計をチラチラ見ながら時間が経つのを待っていたら、昨日YOUエリートビジネスマン桂で5000枚以上出していたあの女性が再び来た。これからは遠隔クソアマと呼ぶことにしよう。


 遠隔クソアマは俺を見つけるとニヤニヤした顔で財布をバシバシと叩きながら近づいてきた。


 「自慢するだけでしたらおかえりください。」


 腹が立っていた俺は追い返すような冷たい声で遠隔クソアマに向かって言葉を吐いた。


 遠隔クソアマはアワアワしながら、スマートフォンで大きい犬の形をしたクッションの写真を見せた。


 「こちらでしたらあちらににございます。」


この遠隔クソアマ、生活上必要ないものまで買いやがる。ほんまに腹が立つ。ちくしょう。俺は心の中で悪態をつきながら大きな犬の形をしたクッションの方へ案内をした。


 女性はお目当てのクッションを見つけるとムフフと笑いながらクッションをかかげた。こんな見るからな爆勝ちしているやつの顔を見ると腹が立つのでおれはそそくさとその場を立ち去った。


 15分後・・・


 女性は大きな犬のぬいぐるみを抱えながらふたたび俺の所へと来た。そしてポケットからストレスを軽減するとパックに書かれているチョコレート菓子を取り出し申し訳なさそうな顔で。俺の方に突き出した。どうやら敵意はないらしい。


 「いや、気持ちはありがたいんだけど、仕事中だから別の時に渡してくれ。あと、爆勝ちしても収束するからあんまり調子に乗らない方がいいぞ。」


 女性はニヤニヤしながらチョコレート菓子を俺のポケットに無理矢理入れた後に俺の肩をバシバシ叩いて出て行った。なんなんだあの女は。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 仕事を終えた俺は車に乗り、今日も今日とてダシマッセ倶楽部に向かった。流石に今日は勝つだろう。当たり前。


 ダシマッセ倶楽部には、当然と言うように遠隔クソアマが少女戦記の台に座っていた。まだスタート後15Gなところを見るとおそらく始めたばかりなのだろう。


 俺は昨日遠隔クソアマが爆だししていたYOUエリートビジネスマン桂の台に座った。遠隔クソアマは俺の方を見るとグッと親指を立てた。


 「今日は俺が爆だししてやるから見とけ。」


 遠隔クソアマはムリムリというふうにニヤニヤしながら手を振り俺を挑発した。ほんまに腹が立つ。俺はそんな彼女を軽く無視し、自身の台に1万円札を入れた。


数10分後


 ノーン!!!!


 ブイッバトル!!!!


 ムキムキの男性が情けない声を出して吹っ飛ばされる音と、少女が銃を使い凄まじい効果音を出しながら次々とおっさんを倒していく音が同時に聞こえていた。


 やっぱ遠隔かよ。遠隔クソアマは、俺の台に手を伸ばし、吹っ飛ばされて泣き崩れているビジネスマンを慰めるようにポンポンと台を軽く叩いた。


 「なんでお前だけ出て俺が出ないの?」


 遠隔クソアマはドヤ顔で腕を捲り力瘤を作る仕草をし、ポンポンとそれを叩いた。引きが弱いって言いたいのか、本当に腹が立つ。


 「まじでお前に目にものを見せてやるから待っとけ。」


 遠隔クソアマは俺の肩をポンポン叩いて自身のラッシュに戻った。


 その後何度か当てることができたが、ショボ連が続き、出玉が消滅し、普通に2万負けた俺を横目に遠隔クソアマは2800枚もの出玉を獲得し、ホクホクとした表情で呼び出しボタンを押し、店員を呼んだ。やはりカチモリしているため店員も重そうである。


 係数が終わった遠隔クソアマは、またもや特殊景品を大量に持ち、ニヤニヤしながら俺の肩を叩いた。


 「まじでそろそろタコ負けしてくれ。ほんまに腹が立つから。」


 遠隔クソアマはとても沈んだ表情の俺を見て、煽りすぎたのかと心配した様子でアワアワしていた。そして、中景品を一枚俺の方に差し出した。めっちゃ動揺してるやん。

 

 「哀れんでるかどうか知らないが、絶対出玉でお前に勝ってやるからこんなものいらねえよ。」


 俺は中景品を突き返し彼女に向かって指を刺し宣戦布告した。遠隔クソアマはフンと言った顔で俺にジャガーリコをくれた。


 「これはもらっておく。今度は絶対勝つからな。」


遠隔クソアマはコクリと頷き俺に手を振り帰って行った。あのクソアマに勝つにはなんの機種を打つのかを考えながら俺は帰路につくことにした。


 



 


 


 


 




 

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