第4話 ないすばでぃ
☆来栖七(くるすなな)サイド☆
私は子供っぽいって言われる。
そんなつもりは無い。
私はお兄ちゃんを一途に思っている女の子だ。
だからそんな事を言われると悲しくなる。
まあでもこういうのが子供っぽいのかもしれない。
「お兄ちゃん。膝枕ありがとう」
「ああ。満足したか」
「そうだねぇ。じゃあ次はお兄ちゃんの番」
「...それはどういう意味だ?」
「お兄ちゃんを膝枕したげる」
「馬鹿かお前は。俺の頭は重いぞ」
そんな事を言うお兄ちゃん。
私はムッとしながらお兄ちゃんの肩を掴む。
それからお兄ちゃんを押し倒そうとする。
だが上手くいかない。
力の差がある。
「おいおい」
「良いから!膝枕するの!」
「分かったから引っ張るな!?」
私はようやっとお兄ちゃんを膝枕した。
お兄ちゃんの顔が目の前にある。
私はお兄ちゃんの頭を撫でる。
可愛いなぁと思いながら。
「...やっぱり年頃の男女がこれはマズいぞ」
「私は気にしない」
「俺が気になるっての」
「えへぇ。じゃあお兄ちゃんは私を女の子として見ているって事だね?」
「それはそうだろ。中学生だろ」
えへぇ。
それはそれで嬉しい。
思いながら私はにへらとする。
それからお兄ちゃんの額に手を添えて髪の毛を弄る。
格好良いな。お兄ちゃんは。
「...お兄ちゃん」
「...何だ」
「...彼女とか居たの?」
「...いきなりどうした」
「いや。聞いてみたくなっただけ」
「...振られたよ。彼女にはな」
そう言いながらお兄ちゃんは苦笑する。
私は驚きながらお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんは肩をすくめた。
「何で振られたか分からないけどな」と言いながら。
私はホッとする。
「でも逆に振られなかったら私と付き合えない」
「そうだが...」
「私はお兄ちゃんが振られて良かった。その分、甘えさせたげる」
「いやいやお前な」
「お兄ちゃんは子供って言うけど私は子供じゃないもん」
「でもまだ14歳だしな」と言うお兄ちゃん。
私は「だから?私、色々と大きくなったよ?」と言う。
そして赤面した。
恥ずかしい。
「何でお前自分で言っておいて赤面しているんだ」
「ち、違いますー!赤面している訳じゃ無いですー!!!!!」
「絶対に嘘だな。...無理するなって」
「もー。お兄ちゃんのアホ」
「...でも大きくなったよなお前」
そしてお兄ちゃんは私の頭に触れてくる。
私はその暖かい手にモジモジしながら赤面する。
それから「ふぇへ」と言いながらされるがままになる。
お兄ちゃんは「で。お前の部屋って何処になるんだ?」と聞いてくる。
「あ。隣の空き室だよ」
「もう色々と置いたのか?」
「そんな暇は無かったね。...おきっぱな状態だね」
「え?じゃあ手伝おうか?」
「そ...それは嫌」
「何故だ」
「お兄ちゃん。デリカシーが無い」
「何故!?」と絶句するお兄ちゃん。
何故ならあの中にはマル秘のアルバムがある。
お兄ちゃんと私の大切なアルバムが、だ。
だから見られる訳にはいかない。
思いながら私は口をへの字にする。
「お兄ちゃん。女の子の品物を簡単に片づけたら駄目。女の子は繊細」
「...そ、そうか。すまない。俺は1人っ子だから」
「私だって1人っ子。まあお兄ちゃんはど、ど...」
「...は?」
「ど、どうてい、だからねっ」
「...お前な!?」
私は言い放ちながらお兄ちゃんを見据える。
参ったかお兄ちゃん。
そう思いながら。
するとお兄ちゃんは「お前は...。女子がそんな事を言ったら駄目だぞ」とジト目になって私を見てくる。
「全く」
「...だ、だって本当の事だよね?」
「確かに童貞だけどね!」
「...ふ。あはは」
「何がおかしい」
「いや。お兄ちゃん必死だから」
事実のようだ。
私は何だか嬉しくなった。
何故なら私も淑...淑女?だから。
と、当然え、えっちな事をしてない、から。
「無理するなよ?」
「む、無理じゃないもん。わた、私はえっちな事に興味津々」
「ナイナイ。お前だから」
「む!失礼だね!」
まあでもえ、えっちな事は苦手です。
思いながら私は赤面しながら「ああもう」と言って立ち上がる。
それから「お兄ちゃんを必ず見返すから」と胸を張る。
するとお兄ちゃんは「そうか」と苦笑する。
今日から勝負。
「お兄ちゃんを必ずあっと言わせる女の子になる」
「...そうか。期待しているぞ。ナイスバディになれよ」
「えっち。すけべ」
「へ!?」
お兄ちゃんは( ゚Д゚)となる。
いきなり何を言っている。
セクハラだ。
思いながらも私は嬉しい気持ちなる。
将来を見据えれた。
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