第3話 私以外を見たらいや
☆市原祐大(いちはらゆうだい)サイド☆
俺は正直言ってしまえば。
七の事はどうしても妹としか見れない。
なので本音を言ってしまうと恋愛対象に入って無い。
だからこそ困っている。
だけど流石の俺も年頃の男だ。
どんな事でも女子から迫られたら流石にドキッとする。
「...」
そう思いながら家事を任せてから二階に上がり。
漫画の棚を睨む。
ふむ。えっちな漫画は移したので...大丈夫と思うが。
そして特別なタペストリーとかアニメグッズ。
それは避難させた。
女子が見たらなんて思うか。
「...さて。そうなると...漫画でも読むか」
思いながら俺は漫画を取り出す。
ラブコメ。
まあ現実で言うならこんな事は有り得ないラブコメ。
例えば社会人とJKのラブコメ。
ありえない。
「まあそうは言っているけど...」
そんな事を呟きながら俺は窓から外を見る。
するとドアがノックされた。
俺はビックリしながらちょっとエッチなラブコメを隠しながら「はい」と言う。
そうしていると「お兄ちゃん。お兄ちゃんの部屋に入っても良い?」と七が言ってくる。
俺は「お、おう」と言いながら周りを見渡して不審な物が無いかチェックした。
それから招き入れる。
「ありがと。...うん。お兄ちゃんの香りがする」
「俺の香りなんか嗅いでもしゃーない」
「...そんな事ないよ。だって好きな人の香りだしね」
「いやいや」
そんな事を言いながらくんくんと匂いを嗅ぐ七を見る。
そしてベッドとか本棚を見る。
それから「へー」と言った。
何がへーなのか。
「男の子の部屋って荒れているってよく聞くけどそんな事無いね」
「...そ、そうだな」
「もしかして私の為に片した?」
「...そ、そうだな...そうか?いや違う」
「うーん。お兄ちゃんの素顔が見たいからそんな事しなくても良いんだけど」
「いや。ほら。年頃の男の部屋だからな」
「それってエッチな物があるって事?」
直過ぎる。
俺は汗をかきながら「そんな物は無いぞ」と言う。
するとジト目になって「ふーーーーーん...」と言った七。
それから「じゃあ床下見てみて良い?」と言ってくる。
それは止めたまへ。
「えっちなものないんだよね?じゃあ見ても良いよね?」
「...止めてクレメンス。駄目」
「...そっか。じゃあ止める。お兄ちゃんが嫌がるから。でもこれからえっちなものは禁止だよ。だっ...て」
「だって何だ」
「わ、私がいる。...から」
「お前アホか?女子中学生にそんなわいせつしたら捕まるぞ」
「失礼だね。私14歳だけど」と言う女子中学生(妹)。
俺は「それはガキンチョだ」とコメントする。
それから見ていると悲しげな眼をした。
予想外の眼である。
え?あ!?
「...お兄ちゃんは私が好きじゃないの?」
「...え。い、いや。好きだけど」
「じゃあ私以外に向いちゃいや」
「...い、いや。それは...」
「私以外の女の子に向いちゃいやだ」
「...」
頬を膨らませて赤くなって怒って涙目になる七。
女子中学生そのもの。
子供だった。
思いながら俺は盛大に溜息を吐いた。
それから七の額をデコピンする。
「泣くなよ。分かった。俺は今日からお前一途になる」
「え。それって本当に?約束だよ?破ったら激おこ」
「...そうだな。うん。お前以外は見ない様にするよ」
「...あはは。でもそれは無理だと思う。漫画とかアニメならいーよ」
「...そうか」
そして七はニコッとする。
それから本棚を見た。
「お兄ちゃんの部屋って本がいっぱいだね」と言ってきた。
俺は「だな」と返事をする。
すると「あ。BL〇ACHだ」と言う。
「...死神の話だっけ?」
「そうだな。面白いぞ。最後はどうか分からないが俺は好きだ」
「そかそか。じゃあ貸して」
「良いよ。貸してやる」
「それからお兄ちゃんの膝も貸して」
「...はぁ?」
ベッドに移動してからベッドに座る七。
それから手を広げる。
俺は「?」を浮かべていると「頭に膝枕して」と七は言う。
「は!!!!?」と俺は赤面して絶句する。
「ほら早く。私、家事をして疲れちゃったの」
「...しかし...」
「漫画を読む間だけ!お願いっ」
うーぬやはり最後の部分は子供だな。
思いながら俺は盛大に溜息をして膝枕をした。
「普通逆じゃないの?」と問うと七は「良いの。私は恋人だから」と返事をした。
いやいや。あのな。
その中で。
やれやれと思いながら俺は膝枕をした。
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