第4話 奴隷と認めた

「立ってこいよグズが!」

「…っ」

「リスタ様!」

なんでこうなった。俺の目の前には強いオーラを纏った天使がいた。

「くっそがぁぁぁぁぁ!!」

「ははっ!なんだ立てるじゃあねぇか!!」

ニアと買い物をして帰る最中、急に天使に殴られた。

「くそっ!くそっ!!」

「…あは」

何度も殴ってはいるが、ダメージが入ってる様子がない、電気?オーラ?よく分からないが、何かピリピリしたものに攻撃を防がれている。

「なんだそれ。電気?」

「おっ…よく分かったな。俺の能力は電気でな、体に付着する静電気を上手く操れば、お前の手を麻痺できる。実際には、お前の攻撃は俺に当たってない」

確かに殴ってはいるが、攻撃しているという感じはしなかった。それが異変か。

「自己紹介してなかったな。俺は、ビル・エル。クジラ様の奴隷さ」

「俺は、リスタ・タキ。王です。奴隷ってそれ自分から言うことか?」

「事実は変わらねぇからな。目的はお前じゃなくそこの人間の女だけどな。殺せってさ」

「…っ」

ニアが怖がっている。奴隷の天使は多いが、ここまで堂々と言うやつは珍しい。

「Burst!天聖の雷弾」

するとビルの手から雷で集められた玉が、スーパーボールの様に跳ねながら向かってきた。

「なんだ…こいつ」

玉が指に当たる。その瞬間激痛が走り、手の感覚が無くなった。

「がっ…!んだこれ」

「安心しろ。1時間もすりゃ治るさ。その間に女は殺すがな」

「はっ…手が使えなくなっただけで余裕かよ」

「あ?」

「Burst!天聖の竜脚!!」

両脚に力が溜まる。タップを繰り返し、更に力を溜める。

「あ?何だ?」

「おらぁっ!!」

「がっっ……」

俺の脚が、ビルの顔を抉る。そのまま蹴り飛ばす。

「……強いなお前」

「…お前もな」

「だが悪いな。今回はその女を捕まえることが目的だ」

「何…?」

「雷弾…×100!!」

ビルがそう言うと手から大量の雷弾が出る。抑える暇がなく、体全体が麻痺する。

「ぐっ…ビル!」

「悪いな…さぁ奴隷さんこちらへ…?あ?」

ニアの方を見るとニアの両手が槍と縦になる。

「気づきませんでしたか。私も能力を持ってるんですよ」

「しまっ…」

「時間くらいなら稼げます!Burst!悪魔の聖する槍!!」

「がっ…!」

ニアが槍をぶつけると、疲労していたビルは、すぐに吹っ飛んだ。

「リスタ様!行きましょう!」

「あ…あぁ」

強いなこいつ。なんであの時、追ってた奴を倒せなかったんだ。ニアが俺を担ぎ、逃げる。力を使っている時は、筋力も上がるらしい。

「おい!!」

ビルが呼ぶ。

「何だ!」

「ハルマ・タキを知ってるか!」

「!?」

「リスタ様行きますよ」

「あっ…待てニア」

ニアが俺を担いで走り出し、ビルが遠さがる、壁を背に倒れるビルは、怪しく笑っていた。

「リスタ・タキ…ね」

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Under・King ベニテングダケ @oojamiuo

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