僕と君の一晩

「こいつと買い物に行ってくる。」

俺は親に言った。

「いってらっしゃい。勝太、夏希ちゃん。」

「自転車に乗っていくぞ。」

俺は自転車にまたがった。

「え?でもどうやって乗るん?」

「俺の腹辺りを手で覆い囲むように後ろに乗れ。」

夏希はドキッとしたのか顔を真っ赤にして俺が言ったとおりにした。

「スーパーまでかっ飛ばすぞ~!」

夏希は何も言わない。完全に照れてる。でもそんなところを含めてこいつは愛おしい。



「スーパーについたぞ!!!!」

「いぇーい!」

夏希は完全に復活してた。

夏希と一緒に会話をずっとしながら買い物をした。

〈回想〉

「これ買った方がいいんじゃない?」

「大きい大根!」

「これ安いよ!」

「アイス買って~!」

〈回想終り〉


買い物は終わった。帰ろうとしていた。

「よし夏希。帰ろう。」

「う...うん...」

何かを隠しているような言い方だった。



家に着く。自転車を止めて夏希と俺は自転車から降りて鍵を閉めた。

門限を過ぎていた。なので案の定。

お母さんにこっぴどく叱られた。

...俺だけ。

お母さんはご飯にカレーを作ってくれた。

「うわぁ~おいしそう!」

夏希は目を輝かせている。

俺も

「うまそうだな。」

と笑顔で返した。二人同時に食べた。だが、夏希の食べる速さが尋常じゃない。

すぐ「おかわり!」って言う。

意外と食欲旺盛なんだな...

でもなんでこのスタイルを保ってられるのかが気になった。


風呂前の話。

「じゃ俺風呂入ってくる。」

「分かった。」

夏希は答えた。俺はシャワーを浴びて、湯船につかっているとき

「やっほ~♪」

タオルを巻いた夏希が風呂に入ってきた。

「お前...ちょっと...おい...!」

俺は必死に顔を隠した。

「何照れてんの~」

彼女は俺の手を無理矢理外そうとした。

手を外した時彼女は言葉を失った。

「...!勝太!あなた眼鏡をはずすとイケメンだわ!」

「え?そう?」

俺はほんとに自覚がなかった。

「勝太...私のタイプだわ...」

「てか早くシャワー浴びろよ」

「...わかったわ。その代わり向こう向くか目閉じてて。」

彼女は珍しく言葉の一つ一つにとげを感じた。



風呂上がり。

俺は量が多い夏希の髪をドライヤーで乾かしてあげた。

「ありがとう。」

「とりあえず私の毎日の日課をやるから勝太の部屋借りるね。」

(????????)

そしたら俺の部屋でバックを取り出した。

「筋トレセット...」

俺は夕食の時の疑問がすべて晴れた。

(そういうことか...!)

まぁいいや。俺は携帯をいじっていた。そしたら夏希は

「眠い...」

と可愛らしい声を上げた。

「じゃあ歯磨きするか...」

俺ら二人は洗面台の前に行った。

最初は二つ「ゴシゴシ」となっていたがしばらくたつと一つしか言わないようになっていた。

夏希を見てみたら、歯ブラシを咥えながら寝息を立てて寝ていた。

(可愛すぎだろぉぉぉぉ!)

内心めちゃくちゃそう思っていた。

「おい!夏希?起きろ~!」

「んぁ...?ああ!」

気づいていなかったようだ。




寝る直前の会話の話。

「布団は別々な。」

夏希はなにか言いたそうにしていたが俺は電気を消そうとした。

その時

「暗いところ...怖い...」

とぴくぴくして俺の隣に来て寝た。



ー翌朝ー

「ん...」

目の前には夏希がいた。だがしかしまだ寝ている。

寝息を立てながら寝ている

「すやぁ...すやぁ...」

(寝息含め可愛すぎだろぉぉぉぉ!!!)

ついに寝言も言い出した。

「...しょうたぁ...すきぃ...」

今まで向こうが顔を真っ赤にしてたのに今度は俺が顔を真っ赤にしてしまった。

まだ寝言は続いている。

「しょうた...つきあって...」

(!?)




つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る