第46話 あいつの妹
けっきょく、
寮にいる卓球部や美術部の子たちは、その子たちだけで集まっていたらしい。勉強に集中するためにここに住んでいる子たちは
掃部千枝美は、前に樹理に締め出されて泣いた子だけど、いまは樹理とも普通に話す。
生活態度のいいかげんさからは想像もできないくらいに成績もいい。明るい、いい子だと思う。
だから気の置けないパーティーではあったのだけれど。
でも、ついに、愛にチョコレートは手渡せなかった。
その袋を横目で見て、樹理はカーテンを開け、窓の外を見る。
「あいつの、妹か……」
合格発表は、たしか今日だったかな。
妹。
その愛の妹というのが来れば、また何か変わるのかも知れない。
樹理は、一階の自分の部屋から顔を出して、今日は青く晴れている冬の空を見上げた。
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