第13話 運命の出会い
「あの……
「
「はい、そうですが」
「確かに名前は
会ったばかりの人物だというのに、どうして自分の名前を知っているのだろう。こう感じた
「知ってるも何も、ずっと一緒に旅をしてきた間柄ではありませんか」
「旅? 僕と君が?」
女性は、こちらの事情をよく知っている風な口ぶり。しかしながら、
「はい。記憶を無くしていた私に、手を差し伸べてくれたのが
「ぼっ、僕がですか?」
「ええ、そうですよ。それにしても、いつから僕なんて言うようになったのですか? 以前は私と仰っていましたが……」
「そっ、そんな事、どうだっていいでしょ。僕は、君が何者なのか聞いてるの!」
「私の名前は、
《生体認証完了。個体名:リン・クロバ、個体名:アイ・シロツメ。登録者二名、情報の照合を完了いたしました》
突如として機械から発せられた音声、まるで二人を紹介しているかのように聞こえてくる。この予期せぬ出来事に、
「クロバ……リン? シロツメ リンではなくてですか?」
「そう、僕の名前は
納得がいかない様子の
「そんなはずはありません。その顔、その声……溢れ出る懐かしい気の流れは、
「はぁ? 足が短いのは元々なの! 初対面なのに失礼だよね。とにかく、僕は君のことなんて知らないし、会ったこともないからね」
「しかし、この気の感じは、凛さまそのもの」
「だからね、知らないって言ってるでしょ!」
それどころか、彼女は一歩ずつ近づきながら話を続けた…………。
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