1.3 リバについて
リバ、という現象がある。腐女子には耳慣れた用語であるが、今一度定義を明らかにしたい。リバとは、「本来Sの性質を持つものが、Mとしての役割を強いられた際に、Mの役割を受け入れず、Sの側に回ろうとすること」。このようにリバを定義したい。なお、リバとはリバースの略である。単純に訳すと、逆転。MがSへと変貌するから、(役割、性質の)リバース、なのである。
(本来Sの)Mが、現行のSに反逆してSの性質を発揮する、若しくはSの行動を取る。それがリバースである。その発動条件は定かでないが、Mでいることの精神性に起因すると思われる。
Mは支配される側で、被虐されることを意味する。被虐とは、攻撃され続けることを意味する。人は被虐されると、ストレスがたまる。つまり、自尊心が削れていくのである。被虐に耐性のある者、また、自尊心の著しく低下した者は、被虐にある程度耐えられる。しかし、耐性なき者や自尊心の毀損していない者は、反抗したくなる、攻撃され続けることにNoを唱えたくなる。つまり、Mの立場を強いられて、被虐され続けて、その屈従に精神的に耐えられなくなった者が、暴発して自らがSに成り代わろうとする、というのが、リバの原動力ではないかと推察される。
(本来Sの)Mがリバを仕掛けると、何が起きるか。
闘争である。どちらがSで、どちらがMなのかを決する戦いが行われる。
そして、勝者がSとして相手を支配・屈従させ、敗者はMとして相手に支配・屈従される立場となる。この関係性は固定化され、二度目のリバまではずっとSとMの関係は入れ替わらず続く。
つまり、新しい秩序を作ろうとする動きが、リバなのである。それは支配と被支配の関係を逆転しようと企図された、「革命」なのである。なので、分かりやすく言うと、支配されていた民が、自らを支配していた王族などに反旗を翻すのも、リバの表れなのである。革命はSM理論で解釈すると、リバとなるのだ。
まとめると。
リバとは、「本来Sの性質を持つものが、Mとしての役割を強いられた際に、Mの役割を受け入れず、Sの側に回ろうとすること」である。分かりやすく言うと、革命が一例である。
なお、ただSがMを攻めているのと、MがSを攻めている(リバ)であるのと、どう違うのか、表面上分からないのではないか、という疑義がある。それに対しては、Mの立場に立っている者の、それまでの関係を参照して欲しい。今までMの立場の者が、Sを攻めていた場合は、それはリバである。ずっとMの立場だった者が攻め続けられているならば、それは単なるSによるMへの支配である。
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