第31話 地底湖畔の決斗★
ドンンッ!!!!!!!
頭の上で激震が走った!
天井が崩れ、バラバラと落ちてくる大小の破砕片から、ポトルさんが魔法の障壁を出現させてあたしたちを守る!
「な、なに!? 地震!?」
「そんな……この振動は……」
エバが立ち上がり、狼狽の表情で見上げる!
この
「なんなの、エバ!?」
「この振動は “
「え!?」
「ですが有り得ないのです! この迷宮であの呪文を扱えるのは、ここにいるポトルさんだけなのですから!」
そ、それじゃいったい誰が唱えたっていうのよ!?
“
「――おい、見ろ! タマと照男じゃ! あいつら生きとった!」
その時、取り出したスマホを覗き込んだ今川伍吉さんが叫んだ。
「ほんとじゃ! まったくしぶとい爺と婆じゃ!」
隣りに座っていた金田
「えっ!?」
あたしも慌てて自分のスマホを出して、Dチューブのアイコンをタップする。
それまでブラックアウトしていた配信が再開されていて、コメント欄が書き込みで埋め尽くされていた。
読み上げ機能をオフにしてたから、今まで気づかなかった!
「なにがあったの!?」
あたしはスマホに向かって叫んだ!
《ケイコ姐さん! やっと気づいた!》
《レ・ミリアとタスクが生きてた!》
《爺さんと婆さんを担いで逃走中!》
《なんか赤い服を着たヤバい連中が追いかけっこしてる!》
「――赤い服を着たヤバい連中!?」
「“
「“
「“
「助けにはいけないんですか!?」
「あの人たちは、わたしたちのために危険な目に遭ってるんです!」
岡さん夫妻が悲痛な声を上げた。
「あたしはともかく、タカ派の
「脱出する術はあります。“
「レ・ミリアとタスクがそれに気づくかどうか――向こうの読み上げ機能は!?」
《駄目! オフになってる!》
《探索中はオフにするのが定石だから……》
《爺ちゃん、スマホ見ろ!》
《
「ポトルさん、いったい何者なのです!? 今回のこの事件の裏にいる存在は!? あなた以外にも迷宮の理に介入している者がいるはずです! 強大な何者かが!」
ポトルさんは、エバにその名を告げた。
エバの表情が驚きに染まる。
そして次の瞬間、
◆◇◆
「――いえ、その覚悟をするのはあなたです」
絶望を斬り裂く、希望の声。
輝く粒子が形作るは、純白の僧衣に身を包んだ迷宮の申し子。
豊かな髪と同じ黒い瞳に決戦への意思を固めた、女神の化身。
「さあ、最後の戦いの幕を上げましょう」
茫漠たる迷宮湖の
https://kakuyomu.jp/users/Deetwo/news/16818093076903438003
「エバさんっ!」「エバっ!」
“現れおったか、
「戯れにもほどがあります。ここはあなたの
“病んだ “
や、病んだ “真龍” ?
な、なにを言ってるんだ?
“ふっ、この
「――だから、“
ハッと、レ・ミリアが声を漏らした。
“然り。愚かなおまえたちが食い散らし、食い荒らしたことで、この世界の“真龍” はアカシニアに比べて弱りきり、瀕死の状態よ!”
嘲笑する “
増えすぎた人口……際限のない環境破壊……病み衰えた宇宙船地球号。
言葉では知り意味も理解しているつもりだったけど、実感はまるでなかった世界の危機。
でもまさかそれが、こんな形で目の前に現れるなんて。
僕たちが地球に対して重ねてきた罪が、魔界の底からこの “大悪魔” を呼び寄せてしまったのだ。
「――なればこそ、わたしたちの手であなたを駆逐しなければなりません! それが母なる地球へのせめてもの贖罪です!」
“やってみるがよい、ニルダニスの愛娘よ! この “
エバさんが
“消し炭にしてくれるわ!”
そして唱えられる、最大最強の攻撃呪文!
「マズい!」
詠唱や祈祷に時間が掛かり、それが
だから
だがこの “冥王” は、 +2相当の強化がなされた魔剣を粉々に砕くほどの、強力な障壁で身を護っている!
「エバさん!」「エバ!」
僕とレ・ミリアから同時に悲鳴が上がる!
“冥府に連れて帰ろうぞ、エバ・ライスライト! ―― “
打つ手がないまま “冥王” が最後の韻を踏み、印を結ぶ!
……ことはなかった。
「え……?」
不発……?
エバさんが……封じたの?
対消滅の天文学的なエネルギーは解放されず、僕たちの存在はあるままだった。
“
“冥王” の端正な容貌が、憤怒に歪む!
「ポ、ポトル……? 上代エルフって」
「わたしのお
呆然と呟いたレ・ミリアに、エバさんがニコリと微笑んだ。
“虫けら風情が、小賢しい! だが霊体の身で “禁呪” を使えば、もはやこの
“冥王” が一振りすると、右手の先から燃え盛る炎の鞭が現れた!
“呪文を封じた程度で、この “冥王” の力を減じたとは思わぬことだ”
「
“ならば見事すくってみるがよい!”
炎の鞭が真っ赤な蛇のようにエバさんに伸びる!
「
“
炎の鞭と聖なる壁がぶつかり合い、猛烈な火花を散らす!
“口ほどにもない。その程度の障壁で我が
“冥王” が余裕の表情で
「今です」
「たりっ、はーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!」
攻撃のために障壁を解いた “冥王” のくび筋に、“
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エバさんが大活躍する本編はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16816410413873474742
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第一回の配信はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817139558675399757
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第二回の配信はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817330665829292579
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実はエバさん、リアルでダンジョン配信をしてるんです!
エバさんの生の声を聞いてみよう!
https://www.youtube.com/watch?v=k3lqu11-r5U&list=PLLeb4pSfGM47QCStZp5KocWQbnbE8b9Jj
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