第3話 わけもなく巨漢の国にいるのでしょうか

ジャンは自宅への帰り道を忘れてしまった。

異世界に来てしまった事は理解した。

現実がアニメ化するのはよくある事。

ほんとうに?

「現実を受け入れて」とか、「あるべき所がある所」ともいうし。

深呼吸をしながら、視線を下から上へ、右から左へうつしてみる。

家らしき建物、街中を歩く人、お店らしき建物の入り口のサイズが約3倍違うわ。


アニメならば、こんな時は魔法が使えるんだけど。


ジャンは下を向く、今朝着替えた、綿生地の青いワンピースと薄いレモン色のスポーツソックス。水色のランニングシューズ。ポケットにはマスクとハンカチ。


いつものアイホンが無い。

アイホンよ、いでよ!と念じても無い。


今まで色々なアニメを見てきたけど、

こんなになんの捻りも山場もない転生はなかったわ。


この作品を書いているのは、かわいい子であるジャンに旅をさせたいママだった。

ママはジャンのためを思って、よくある異世界転生!!にしたかったらしい。

親の気持ちは察するべきだ。


いや、もう少し考えよう。

つい最近まで自由に外出出来なかった世界。


だから、自由に羽ばたいて!てママが思いついたのが、巨漢ばかりの異世界。


色々な制限解除してきたわね。

となると、周りの人たちも、いろんな所に移動始めたのかしら?

どんな意図であれ私はここで順応した方が良さそうね。


巨漢たちは、特に凶暴でもないし。

サイズが3倍〜5倍ということ以外に、大きな違いはなさそう。


さて、巨漢ばかりの世界に転生した人は他にいるのかしら?

ジャンはとりあえず街を観察してみることにしました。

好奇心の赴くままにウロウロすることにしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る