第37話 家族
セナとニーナ。黒と白。
二人が一緒にいるのを見ると、世界のすべてのものが対比しながらもお互いを求め、一つになろうとしているかの様だ。
まるで、ずっと一緒に過ごしてきたかのように、お互いを理解し合っているかのよう…。双子を言うの不思議なものだ、きっと母親のお腹の中で同じ細胞を共有し、分け合っていたのだろう。産まれてすぐに引き離されようが、その絆は永遠なのか。
この二人の父である、国王アルフォンドは仲良く歩いてくる二人を見ながら、自分の過ちを悔いていた。
妻、ミレーヌの墓前にこの二人を連れて来る日が来ようとは…。
「見てくれ、ミレーヌ。私たちの
…君は私を許してくれるのだろか?…」
綺麗に整えられた墓前に膝をつき、彼女が好きだった花をたむける。
国王の目はそこにはもういない愛する者を見つめている
セナがニーナの手を取り墓前に連れて行く、ニーナの手は震えて、目からは涙が溢れ出しそうだ。
「母上、私の片割れ、カレデニーナですよ…。」
「…お母さま…カレデニーナです…。私…やっと…ここに…。」
初めて、母と言う言葉を声に出す…。胸が痛い。
アルフォンドはただの父として二人を抱き寄せる、家族がようやく一つになったのだ。しかし、この幸せがいつまで続くのだろうか?
国王としての決断と父のしての決断…。過ちを繰り返す訳にはいかない。
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