第25話 白と赤

 ニーナが落ち着いてから何があったかを聞きたいヘイヴンだが、ニーナは中々落ち着かない。しょうがないので、バラ園に連れて行くことにした。


「ヘイヴン!凄い!!」


バラ園の中を子供のように走り回っている。やれやれ…。


「見て! ヘイヴンの色!!」


 ヘイヴンのはそのバラを摘み取り丁寧にニーナの髪に差す。白い髪に赤いバラ。こんなにも美しいものなのか…、ニーナは頬をほんのり赤くしてフフっと笑う。


「…ここで…なにがあったんだ?」


「分からないの…男の人が…、あの人は?…金色に輝く瞳の…。」

「…そうか…、いずれ紹介するよ。」


 ヘイヴンはそれ以上何も聞けないし、聞きたくなかった。

彼に興味を持って欲しくなかった、ニーナが誰かと見つめ合うのを想像するだけで怒りの様なものが込み上げてくる。

とにかく、アイツにも話を聞かなければならばいと思い、会う約束をすべく手紙をだす。ニーナにはまだ会わせたくない、まずは報告だけ先にすることにした。



 数日後、当初の予定の回復魔法士の報告の件、ということで城へ行くことにした。

朝、正装をしているヘイヴンを見てニーナは目をパチパチさせている。


「…ヘイヴン…眩しい…!」

「…眩しいって…、それにしても、この色はなんだ?」

「…うふふ…、ヘイヴン色!!

…ヘイヴン…、顔が赤くなっているわ!なに⁈どうなってるの?」


「…聞くな…。」


 ニーナは初めて見る現象に興味津々だ、しかしヘイヴンには答えられない。

しかも、ニーナの今日の髪の色は赤色だ。色が分かるようになってから髪の色を自分の魔法で変えられるようになり、毎日コロコロと色を変えている。

どの色も彼女には似合うが自分の瞳と同じ色にするなど…。ヘイヴンはますます顔が赤くなるのを感じた。

 

 襟を正し、気持ちを切り替えて家を出る。


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