第9話 あるいたずらっ子の話
「極大エネルギー波動」に対して各国の政府要因および魔導学者、魔法使いの間の意見がまちまちだった。首脳部だけではなかった。 各国の民間人まで足りない知識と聞き取った話、そして無限の想像力で勝手に話を作り出して騒ぎ立てた。
火山龍王が新しく覚醒したことから始まり、あらゆるうわごとが回って人々を混乱させた。
そのエネルギーの根源がドラゴンズネストであることが明らかになると、龍族ないしは龍仁の間にある種のことがあったと推測し、ある魔道学者があまりにも古くて柔らかになった龍仁の古文書を分析した結果、「龍族皇帝」という個体の存在を確認し、このエネルギー波動の主人公がそれであるようだという話を伝えた。
政府要人と魔導学者との会議で「龍族皇帝説」を様々な情況から照らし暫定的に認めた。
混乱は…実はなかった。
果てを知らないほど巨大な巨人、渓谷に頭が刺さってしまった怨魂、天空島を投げる橋の怪物など、この世界にはあらゆる不思議で不思議な生物に対する話が散在している。龍が特別で強い生命体であることは事実だが、そのような変な奴らに比べれば、すでに火山龍王のような龍王もいて、そしてその血を受け継いだ子孫である竜人たちが各国で乱暴を働く中で、竜族皇帝ぐらいはあっても別に変なことはなかった。
各種のうわさでさえ「危機」や「危険」よりは「面白さ」や「ゴシップネタ」を中心に出回った。
むしろ人性が破綻しても力さえ強ければ崇め、見る者が出てくるこの世界特有の雰囲気により、自分たちが「龍神教」に加入するとして設置する者が出てきたために他の方向に社会混乱が発生した。
たった一つの国。 「カルテン」王国を除けば。
ユーシリア帝国の東北側で、帝国および野生地帯と境界を成すいくつかの「取るに足らない小国」の一つだった。
海岸に面したカルテン王国は、取るに足らない小国の中では最も強いと見られる国で、数世紀前から始まった南大陸植民地の開拓に拍車をかけていた。
それだけに各種国外輸出および植民地貿易が発達し商業に注力した国家で、竜人商団の横暴に最も直接的な被害を受けている国だった。
そのため、彼らに対する恨みも独歩的な所であり、大多数の国民と政府要人たちは彼らの後ろ盾である火山龍王を捕まえて四肢を裂いたがった。
おそらく「ドラゾンズネストが嫌いな国ランキング」を選べば断然1位を占めるような国だった。
そんな彼らが数年という時間をかけて準備していた超大型プロジェクト、「火山龍王討伐作戦」があった。
彼らの特技である非公艦隊と海兵隊の力を借りて竜人を皆殺し、火山竜王まで殺し、その死体を自分たちの国務会議所の屋上に飾るという野心に満ちた計画だった。1年、2年さえあれば、この超大型プロジェクトが完成し、これまで横暴を働いていた龍仁を殴り殺して、その貪欲に目がくらんだトカゲも殺すことができた。 少なくとも彼らの考えでは。
ところで「龍族皇帝」とは、その地に火山龍王よりも強い竜が住んでいるとは?
慌てた政府官僚たちは悔しさを和らげ、討伐計画を短くは数年単位、長くは数十年単位まで延長せざるを得なかった。
その龍がどれほど強いかは分からないが、大体火山竜王の10倍だとして、再び計画を立て始めた。
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新しい感覚。 これは世界で最も完璧な支配の感覚。
これは君主が臣下を支配するほどではなかった。 脳が手足を支配するようなものだった。
龍族皇帝のアウグストゥスは、もともと龍仁または龍族の感覚を共有することができた。
意識をして龍馬力を吹き込むと、彼が見るすべてのものを、彼が聞くすべてのものをそのまま感じることができた。
でも今、目が覚めたアウグストゥスは······そのような過程がなくても、すべての龍族のすべての感覚を感じ、感覚および運動器官が彼の脳から直接連結され、命令を下すことができるようになった。
言わば「精神支配」が常時発動されたのと同じだったが···
突然、すべての龍族と龍仁の考えと感覚が感じられ、一度も経験したことのない種類の疲労が押し寄せるほどだった。
疲れを感じず、眠らない肉体を持っていたが、精神的な疲れに勝つことはできなかった。
しかし、疲れたからといって休める皇帝ではなかった。
彼が醜態を演ずる間、悪魔の侵攻があったという。
臣民に最も必要な瞬間に不在した皇帝の罪悪感が大きかったが、謝罪を聞いた臣民たちはむしろ皆、付服して侵攻を許容した自身の罪を罰してほしいと叫んだ。
そして······
「この者達は誰だ?」
「陛下、レウグートと呼ばれる私たちの子孫であり、今回の戦闘では物足りないが奮戦した子供です。」
赤い龍、タリキロンが腹ばいになって言った。 白いシャツにジャボ(Jabot)を結び、赤い布で体を取り囲む優雅で筋肉美あふれる男性の姿に変わった。
「……そうです……、陛…下」
自身が初めて余を称した時のようにぎこちない彼の姿に同質感が感じられ、ただ親しみを感じた。
「そしてベルゼブブがこの世に出てくるのを防いだ者、シフルが来ます。 最も強い敵を防ぎましたので、事実上1等功臣といえます。」
手足を差し出して戦ってきた龍と竜人を差し置いて、甚だしくは子孫まで差し置いて人間などが一等功臣という言葉に竜人が不快に思うかもしれないが、
皇帝の前でそんなことを言う者はいなかった。 そして、それ以上に······アウグストゥスの儀式が彼らの儀式の下で席を取り始めた。
アウグストゥスはこの功臣たちに何かを与えたかった。
アウグストゥスは自分にできることを悟った。
レウグートとシフルに龍魔力を注入すると、自分がそうだったように苦しみ始めた。
しかし、これは彼らを苦しめるものではない。 「ドラゴンナイト(Dragon Knight)」を作るのだ。
必滅の心臓に乗って生まれた英雄は、無限の力と寿命、そして龍族皇帝の力を借りて生まれ変わるだろう。
赤ちゃんが生まれてから手足の動き方を知るようになるように、目が覚めたアウグストゥスは自然にこれを知るようになった。
誰にでもなれるわけではない。 まずアウグストゥスの目に入らなければならず、また強力な精神力と力を持った者だけがこの栄光を享受することができた。
「タリキロン。」
「はい、陛下。」
「君はこれからも子孫を乗やしなさい。 龍に乗る戦士、ドラゴンライダー(Dragon Rider)を育成してみよう。」
「はいっ!陛下!」
皇帝の命に逆らうはずもなく、タリキロンは優秀で不遜な子孫と共に戦うことが嫌いではなかった。
おそらく、その戦いで子孫が自分に乗って操縦してくれなかったら、凄惨に死んでパリの時の食事になる最後を迎えただろうという気さえした彼だった。
長い歳月を特別な強者がいない山脈で、自分の力の根源である火山竜王のエネルギーを全く受けられずに起居したために戦闘に慣れていなかった。
もちろん龍であるため、基本的に人間の立場では「怪物が出没する山脈」で「餌が豊富で良いだけで、敵はない」生活を送ったが、その無頼輩たちにはかなわなかっただろう。
短い時間苦しんでいたレウグートとシフルに龍の力が無事に宿り、龍族皇帝との感覚がつながった。
「ドラゴンナイトをもう少し増やせないか…」と、ある遊牧民の部族を思い出す彼だった。
お金が必要だった。
武器開発と同時に、国土の再建費用が必要だった。
竜人は治療が必要ないと思って医療分野を奨励しないことを後悔し、医療大臣にすべての竜人負傷者を治療するよう命じた。
彼は皇帝の命を喜んで受け、昼夜を問わず努力したため、ほとんどの生存者を回復させることができた。
しかし、建物はみんなめちゃくちゃになった。
虫たちがどたばたしたせいで、建てていた建物が雑巾になったのはもちろん、アウグストゥスの覚醒過程でヘパイストゥスルームの半分が飛んでいった。
あまりに贅沢だと言ってバナンをしたが、そのような美しい建物を実際に自分の手で壊してみると、部下だがアマテリンヌに面目がなかった。
しかし、アマテリー皆戦闘に疲れていたが、治療を受ける人材を除く皆が喜んで再建を助けた。
ヌは人材を集めて玉座の部屋から再建した。
治療を受ける者でさえ仕事をしようとするので、勅令で禁止しなければならないほどだった。
これまで彼女をただ貪欲に満ちた龍だと思っていたのが申し訳なかったが、表現できなかった。
とにかく、お金が必要だった。
地図を見ながら周辺国を見ていた。
「カルテン王国…」
「はい、北西大陸と南部大陸にそれぞれその領土を持つ商業大国です。」
エイヘリアが言った。
特に、北西大陸の本国と南部大陸の植民地を結ぶ「カルテンルート」がドラゴンズネストから少し離れたところにあります
「羨ましいね···ほしいな…」
兵器開発に拍車をかけなければならない。
多少自分が生意気だったことに気づいたアウグストゥスだった。
人間に竜人と龍族がそうであるように、自分にも「強くならなければ生存しにくい」ことがあったのだ。
その上、莫大な力の波動を制御できず各国でも自分の存在に気づいたと思うと、これから疲れることがたくさん起きそうな気がした。
ドラゴンズネストは島だ。
至るために海を通らなければならないことが明確であるため、ドラゴンズネストは前世の米国のように強い海軍を中心に兵力を構成する必要がある。
中でも男のロマンである戦艦。 強力な艦砲をたくさん武装した鉄の塊の怪物。
空母のことを考えたりもしたが、非空船のある世界で飛行機が有効かと思った。
研究室の片隅に並んでいたプラモデルの数ほど本物の戦艦が欲しかった
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一方、「龍の子孫」ボルト族のテント。
他の人は知らなくても彼らは知っている。
前日起きたその凶暴な魔力の波動を誰が作り出したのか。
きっと突然現れたあの少年、ちびっ子だろう。
時間的に完璧に的中した。
「…私たちどうしよう?」
ネアが尋ねた。
「何が?」
「龍族皇帝陛下と一番先に会ったのが私たちじゃない…」
「そうだね。だから調査団にも会ったし。」
自分たちのもてなしが彼に満足したのか、不遜な面はなかったのか、何度も繰り返す彼ら。
「いくらなんでもそれほどの大物だったとは思わなかったよ…」
どんな形であれ、あるいはそれに関わることに巻き込まれることが明らかな今、ボルト族はこれからの未来を心配し続けているだけなのに···
その時。
「族長、龍が飛んできました!」
もしかしたら、龍族皇帝が直接来たのかと思って胸がドキッとしたが、飛んできているのは赤い龍だった。
あれが龍族皇帝かと思ったが、違うようだった。 彼の龍の姿を一度も見たことがないが、間違いなく本物なら一目で分かるほど特別だろう。
その通り、龍族皇帝ではなかった。 誰かが乗っていた。
赤黒の髪の毛に初めて見る赤い金属と剣、そして黒い金属の縁に赤い胴体を持った弓を持った戦士だった。
「こんにちは、『ボルト族』の皆さん! 私も『龍の子孫』でした!」
レウグートが言った。
入ってこいと言ったことはないが、堂々と入ってきて笑って挨拶する青年。
戦闘態勢に入ったボルト族が無駄骨を折ったように、全く戦意を見せなかった。
「こちらの皇帝陛下が皆さんをご招待したいそうです!」
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一方、天上と地獄は共に共通の一つの疑問を解決できずにいた。
一度も外れたことのない天上の聖書と地獄の予言。
彼を皆突き破って,リヴァイアサンはあまりにも早く目覚めてしまった。
まるで彼らがそれぞれ神様のように連れてきたのが巨大なほら吹きになった気分だった。
それも人間の魂を抱いて生まれてしまい、神聖力も地獄力も通らない無敵の存在となったまま生まれた。
天使たちがリヴァイアサンの肉体にかけておいた封印も壊れてしまった。
愚かなハエがつっかかったせいで、リヴァイアサンは覚醒し、外部の存在を認識して備え始めた。
いろいろと状況がよくない中で···
どんな大天使も地獄の君主も···
答えを出せずにいるのだ。
世の中で最も神聖な者たちと最も醜悪な者たちが解けなかった数学公式。
その公式を勝手にひねった者がいた。
世の中には、宇宙には、「天空樹」には······善と悪、光と闇、天上と地獄だけが存在するのではなかった。
破られた予言。 逸れてしまった聖書。
それは...ある混沌として愉快な···「宇宙的いたずらっ子」によって起こった問題だった。
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ある空間。
地獄より深い闇と黒に染まったここに、ただ巨大な玉座一つだけが置かれている。
惑星、いや恒星ほどの大きさのこの巨大な物をよく見ると、その玉座の足から何か多く生まれて消滅し、互いを食べ合いながら成長して再び消滅することを繰り返し、まるで玉座周辺に泡が形成されたようだった。
そして、そんな不快な領域の中で······ 玉座の肘掛けに「何か」があった。
「生命体」いや、「ある存在」 いや、「ある種の何か」··· どんな修飾語でも説明できないくらっとして美しくて嫌悪感がありながらも神聖な何かがまっすぐに立っていた。
それはすぐに···女性の姿で、自分が直接連れてきた「彼」が一番好きそうな理想的な形に変わって···こうささやくのだ。
「もうすぐ、会えますよ。ご。主。人。様。」
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