第22話 廃墟探索

「ん? なんかこう、圧迫感がするような気がする……」


「ヴェーケスードもなのめっきゅ? 実は私もなのよめっきゅ」


「我輩もでげすぜ」

「私もですきゅひゃ」


 みんなするようだ。


「なんなんだ、これは?」


「もしかして、このモザイクのせいなのもん? これって体に悪いのかなもん?」


「あり得るねおみぃ。早く帰った方が良いんじゃないのおみぃ?」


「そう言われても、まだ詰まっているからなぁ」


「他の帰る方法を探した方が良いかもしれないでげすぜ」


「そうですねきゅひゃ」


「最悪、あの詰まっているヤツを倒すしかないわねめっきゅ」


「周囲にいる鳥みたいなのに襲われないかなもん?」


「襲ってきそうな気がするよおみぃ」


「まあ、そいつは最終手段だな」


「そうでげすね。いまは周囲を探索するでげすぜ」


「そうねめっきゅ」



「地上に何かありますよきゅひゃ」


「あれは…… 廃墟かなおみぃ?」


「モザイクで分かりにくいでげすが、そんな感じでげすね」


「うーん……」


「どうしたんでげすか、アニキ?」


「なぜか分からないが、あそこに行った方が良い気がするぞ」


「そういう勘は当たる可能性があるでげすぜ。行ってみようでげすぜ」


「そうだな。向かってくれ」


「了解でげすぜ」



 地上に下りた。


 周囲には、ガレキの山と思われるものや、崩れかけの建物と思われるものがある。


「やっぱりここは廃墟みたいだねおみぃ」


「そうだねもん」


「アニキ、これからどうするんでげすか?」


「うーむ、あっちに何かある気がする。行ってみよう」


「分かりましたきゅひゃ」



「目的地は、ここな気がする」


「ここなのもん? ほとんど崩れた建物があるだけだよもん?」


「うん、やはりここな気がする」


「何かあるかもしれないでげすぜ。探してみようでげすぜ」


「分かったわめっきゅ」



「みんな、ここに下り階段があるよおみぃ」


「えっ? ああ、本当だ」


「でも、中には入れなさそうだねもん」


「そうでげすね」


 階段の上には、大量のガレキがある。


「ここに入らなきゃダメなのめっきゅ?」


「ああ、目的地は、この下のような気がする」


「仕方ありません、これを撤去しましょうかきゅひゃ」


「そうだな」



 みんなでガレキを撤去した。


「ふう、なんとか終わったな」


「疲れたよぉおみぃ……」


「そうだねもん……」


「ちょっと休憩にしよう」


「そうねめっきゅ」



「アニキ、周囲の鳥みたいなのが、詰まっているヤツに体当たりしているでげすぜ」


「本当だ。あれは押し出そうとしているのかな?」


「そうなんじゃないのめっきゅ」



「あれ? 鳥みたいなのが、次々と落下して行くよもん」


「どうしたんでしょうかねきゅひゃ?」


 まさかあのドラゴンみたいなのが、臭い屁をこいたのだろうか?


 まあ、そんなのどうでもいいか。



「そろそろ行こうか?」


「そうでげすね」


 階段を下りてみた。



「中は真っ暗だな」


「何も見えないねもん」


「これは明かりがいるわねめっきゅ」


「木を探して、松明たいまつを作るか」


「そうでげすね」



 いったん戻って、松明を作った。


 そして、再び階段を下りた。



 部屋の真ん中に台座みたいなものがあった。


「上に、何か置いてあるよもん」


 あれは金庫か?


「あそこに何か入っている気がするよおみぃ」


「開けてみようか」



 金庫のようなものを開けてみた。


 中には、ラベルの貼られていない栄養ドリンクのビンのようなものが一本入っていた。


 ん?

 どうやら中に液体が入っているようだな。


「これだけしか入っていないようだねもん」


「他の場所にも何もないようだよおみぃ」


「アニキは、これを手に入れに来たんでげすか?」


「うーん、なんかそんな気がするな」


「なら、戻りましょうめっきゅ」


「そうだねもん。崩れたら困るからねもん」


「そうだな」



 地上に戻った。


「それをどうするのめっきゅ?」


「なぜか飲まなければいけない気がする」


「そんなもの飲んで、大丈夫なのおみぃ?」


「分からない」


「とりあえず、食べられるか調べる魔法を使ってみなさいよめっきゅ」


「そうだな」


 魔法を使ってみた。


「飲めそうな気がする。よし、飲んでみるか!!」


 俺はビンの中の液体を飲んだ。


 栄養ドリンクみたいな味だな。



 ビンの中身を飲み干した。


「アニキ、大丈夫でげすか?」


「ああ、問題な…… うっ!?」


「どうしたでげすか!?」


「か、体が……」


「体がどうしたのめっきゅ!?」


「体が熱い! 全身に力がみなぎってくるようだ!!」


「あれはパワーアップする薬だったのもん!?」


「そのようだな!」



 ん?

 なんか息子さんだけが異様に熱くなってきたぞ!?


 これはなんだ!?


 うわっ!?

 突然、息子さんが金色に光り出したぞ!?


 これはどういうことなんだ!?


「アニキが光っているでげすぜ!?」


「いったいなんなのめっきゅ!?」


「まったく分からん!? なんだこれは!?」


「まぶしいですきゅひゃ!?」



 光が収まった。


「あれはいったいなんだったのおみぃ?」


「分からない」


 あれ?

 なんか体がおかしいぞ?


「みんな、あそこを見てもん!」


 モーンスが穴を掘る魔法の腕で、上空を指差した。


 えっ!?

 なんだあれは!?

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