第21話 モザイク世界でサバイバル

「あれ? みんなにモザイクがかかってきてるよおみぃ」


「えっ!? 確かにかかってきているな!? みんな、大丈夫か!?」


「いまのところ、異常はないわよめっきゅ」


「我輩もでげすぜ」


 みんな影響はないようだ。


「これはなんなんだろうな?」


「訳が分からないねもん」


「まあ、とりあえず、食料を探しましょうよめっきゅ」


「そうだな」



 緑色のモザイクの場所にやって来た。


「このあたりには、短い植物のようなものが生えているみたいだな」


「そのようねめっきゅ」


「これは食べられるのおみぃ?」


「ゆでれば、食べられるものもあるみたいだな」


「私は、ここの土から栄養を摂取できるようですよきゅひゃ」


「ここは前にいたところと、似たような環境の場所みたいでげすね」


「そうだな。モザイク以外は同じなのかもしれないな」


 そういえば、普通に呼吸もできているしな。


「でも、ここは暖かいですよきゅひゃ」


「季節は違うみたいだな」


「そのようねめっきゅ」



「あとは水ですねきゅひゃ」


「野菜以外のものも食べたいぞ」


「同じ環境なら、川があるんじゃないでげすか? 上空から探してみようでげすぜ」


「そうだな」


 ウィンドウさだに乗って、上昇した。



 上空からあたりを見回してみた。


 近くにモザイクのかかった山のようなものや、森のようなもの、草原のようなものが見える。


「あそこに、それっぽいものがあるよもん」


「ああ、確かにあるな」


「モザイクでちょっと分かりづらいでげすがね」


「よし、あそこに行ってみよう!」



 モザイクのかかった川にやって来た。


「では、飲めるか調べてみよう」


「はい、そうしましょうきゅひゃ」


 川の水に、食べられるか調べる魔法を使用した。


「汚れを落とす魔法を使用すれば飲める気がする」


「私も同じですきゅひゃ」


「これで水の問題は解決だねおみぃ」


「そうだな」



「この川、魚がいそうだよな」


「そうでげすね。それに、海にもいそうだったでげすぜ」


「何か捕まえる道具があればなぁ」


「そうでげすね。竿でもあればでげすね」


「それなら、わなを作る魔法で作れば良いじゃないのめっきゅ?」


「えっ? それで作れるのか?」


「竿も罠みたいなものだし、作れると思うわよめっきゅ」


「まあ、確かに罠と言えば罠だな」


「アニキ、やってみようでげすぜ」


「ああ、そうだな」



「材料は何がいるんでげすかね?」


「木があれば良いんじゃないか?」


「探してみるでげすぜ」


「私も手伝いますよきゅひゃ」



 それなりに太くて長い木の枝と思われるモザイクを六本拾った。


わなを作る魔法は、宝箱を作る魔法と同じ要領で良いんだっけ?」


「そうよめっきゅ」


「では、作ってみるか」


 竿をイメージして、罠を作る魔法を使用してみた。



 モザイクの竿が六本完成した。


「本当にできたな」


「便利な魔法でげすぜ」


「そうでしょうめっきゅっ!! 私の魔法は役に立つのよめっきゅっ!!」


「ああ、そうだな」



「あとは、餌を用意しないとな」


「餌もん? 何を使うのもん?」


「土の中に何かいないかな?」


「探してみましょうめっきゅ」



「細長いのがいたよおみぃ」


「私も見つけましたよきゅひゃ」


 モザイクのかかったミミズみたいなヤツだな。


「よし、そいつを餌にしよう」


「分かったよおみぃ」


 ミミズのようなものを木の針に付けた。



 川に仕掛けを投げ入れた。


「あとは待つだけだな」


「これで釣れるのかなもん?」


「どうでしょうねめっきゅ」



「おっ、これは引いてる!?」


 俺は糸を引き上げてみた。


 すると、糸の先端にモザイクのかかった魚のようなものがいた。


 大きさは全長三〇センチくらいだ。


「アニキ、お見事でげすぜ!」


「それ、食べられるのめっきゅ」


「調べてみるか」


 魔法を使用した。


「汚れを落とす魔法を使用すれば食べられるみたいだな」


「これで食料問題も解決だねおみぃ」


「ああ、これでひと安心だな」



「ん? 安心したら、腹が減ってきたな」


「それ、食べてみたらめっきゅ?」


「そうだな」



 モザイクのかかった魚のようなものを焼いてみた。


 焼き魚みたいな匂いがするぞ。


 匂いだけなら、とても美味しそうだ。


 見た目はイマイチだけど。



「焼けたかな?」


 念のために、もう一回食べられるか調べる魔法を使っておくか。


 ふむ、問題なく食べられるようだな。


「それじゃあ、いただきます」


 モザイクのかかった魚のようなものの真ん中あたりを食べてみた。


「どうでげすか、アニキ?」


「うん、魚みたいな味と食感だな。なかなか美味しい」


「それは良かったわねめっきゅ」


「塩が欲しいところだな」


「今度、海で作ったらおみぃ?」


「そうだな」



 完食した。


 ごちそうさまでした。


「アニキ、これからどうするでげすか?」


「そうだなぁ…… まだ詰まりは解消されてないようだな」


「そのようですねきゅひゃ」


「相変わらず、間抜けすぎる姿でげすぜ」


「まったくねめっきゅ」


「では、どうするかな? 寝床を探しながら、適当に周囲を見て回ろうか?」


「うん、それで良いんじゃないおみぃ」


「ええ、そうねめっきゅ」


「それじゃあ、出発しようか」


「了解でげすぜ」


 ウィンドウ貞に乗って、飛び立った。

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