第18話 宝箱の家?

 さて、メイキュたちのところに帰るとするか。


 いや、その前に、少しこの町を見て回ろうかな?


 そうしようか。



 どこも白い建物と白い人だらけだなぁ。


 ん?

 宮殿みたいなデカくて白い建物があるぞ。


 ここは誰が住んでいるのだろう?


 王族貴族?

 それとも社長か?


 そういえば、この世界には、王族とか貴族とかはいるのだろうか?


「アニキ、そこはミステリアスホワイトライト教のアジトでげすぜ」


 ええっ!?

 こんなゴージャスな建物が、あいつらの!?


 な、なんてうらやましいっ!!


 そして、腹立たしいっ!!


 必ずぶっ潰さなくてはっ!!


「アニキ、早く行こうでげすぜ」


 そうだな。



「ただいま」

「ただいまでげすぜ」


「おかえりめっきゅ」


「問題なかったようだな」


「はい、何も起きませんでしたよきゅひゃ」


「ケンゼンジュウも来なかったしねもん」


「ピイィィィイィィィイイィィィィイィィィィィッ!!!!!」


「ちょうどよく来たねおみぃ」


「なんでこんなタイミングで来るかな?」


「やはり人間を狙っているのかしらねめっきゅ?」


「そうなのかもしれないな」


「皆さん、早く倒してしまいましょうきゅひゃ」


「そうだな」


 白いイノシシのようなケンゼンジュウを倒した。


 不石を手に入れた。



「お金は手に入ったのおみぃ?」


「ああ、問題なく手に入ったよ。使い切ったけどな」


「なら、お金を大量に稼いで、お店を開かないとねおみぃ!」


「その前に冬支度だろ!」


「冬支度とは、何をするのですかきゅひゃ?」


「まずは家だな」


「あの町で貸し家を探すでげすか?」


「それは大丈夫なのだろうか? あそこには教団のアジトがあるからなぁ」


「なら、町に住むのは危険かもしれないわねめっきゅ」


「そうですねきゅひゃ」


「なら、また洞窟を探すでげすか?」


「そんなに都合良くあるのかな?」


「ないなら掘ってみるめっきゅ?」


「冬までに間に合うのだろうか?」


「じゃあ、どこかに家を建てるのもん?」


「家を建てる技術なんてないぞ」


「宝箱を作る魔法があるじゃないめっきゅ」


「ええっ!? 家サイズの宝箱を造れと言うのか!?」


「その通りよめっきゅ」



「アニキ、どうするでげすか?」


「宝箱ハウスが一番良いかな? みんなはどう思う?」


「我輩もそれで良いと思うでげすぜ」


「私もよめっきゅ」


 みんな、それで良いそうだ。



「なら、宝箱ハウスで決定だな」


「何をすれば良いのですかきゅひゃ?」


「まずはどこに建てるか決めないとな」


「そうだねおみぃ。立地条件は超重要だよねおみぃ」


「どんなところに建てるのですかきゅひゃ?」


「教団の連中に見つからないところだな」


「じゃあ、我輩が探して来るでげすぜ」


「ああ、頼むよ」


 ウィンドウさだが飛んで行った。



「その間、私たちはどうするのめっきゅ?」


「また水と食料を探すか」


「そうねめっきゅ」


「ピイイィィィイィィィィィイイィィィイィィィッ!!!!!」


「その前に、あれを倒さないといけないみたいだねもん」


「やれやれ」


 白いオオカミのようなケンゼンジュウを倒した。


 不石を手に入れた。




「アニキ、ただいまでげすぜ!」


「おかえり、ウィンドウ貞。お疲れさん」


「良い場所はあったのおみぃ?」


「あったでげすぜ! さっそく行こうでげすぜ!!」


「ああ、そうだな」


「それじゃあ、荷物を積みましょうめっきゅ」


 ウィンドウ貞に荷物を載せ、飛び立った。



 森の中に下り立った。


「ここでげすぜ」


「なんでここを選んだのめっきゅ?」


「町からも、街道からも、かなり離れているからでげすぜ」


「それなら、人は来なさそうだねおみぃ」


「ああ、ここなら安全そうだな」


「ピイイイィィィイィィィイイィィィイイィィィッ!!!!!」


「ケンゼンジュウは来るみたいだけどねもん」


「ああ、やれやれ……」


「倒してしまいましょうきゅひゃ」


「そうねめっきゅ」


 白いカタツムリのようなケンゼンジュウを倒した。


 不石を手に入れた。



「それじゃあ、造るか」


「材料は何がいるんでげすか?」


「木と土があれば、どうにかなるんじゃないのめっきゅ?」


「じゃあ、木を切るか」


 穴を掘る魔法で、周囲にある木を切った。



「このくらいあれば足りるかな?」


「十分じゃないのめっきゅ」


「じゃあ、今度は宝箱を作る魔法を使うか」


 家のような宝箱をイメージしながら、宝箱を作る魔法を使用した。


「ん? 何も起きないぞ」


「いいえ、起こっているわよめっきゅ」


「えっ? 何が起こったんだ?」


「ここを見てめっきゅ。木の皮が少しむけているわよめっきゅ」


「あっ、本当だ。これってもしかして、造るのに、ものすごく時間がかかるのか?」


「ええ、大きなものを造るには、それなりの時間が必要よめっきゅ」


「そうなのか」


「面倒でげすね」


「魔法なんだから、一瞬でできて欲しいよな」


「世の中、そんなに甘くはないわよめっきゅ!」


「はいはい、分かったよ」



「私も手伝うよもん」


「私もお手伝いしますきゅひゃ」


「この魔法って、複数人でひとつのものを造れるのか?」


「作りたいもののイメージが同じならできるわよめっきゅ」


「そうなんだ。じゃあ、まずは完成図を描くか」



 二か月後。


「なんとかできたな!」


「ええ、立派な宝箱ねめっきゅ!」


 どう見ても、煙突のある土壁の平屋にしか見えない宝箱だけどな!


「ん? 空から何か降ってきましたよきゅひゃ」


「これは雪か」


「家造りが間に合って良かったでげすね」


「まったくだな」


「さあ、入ろうよおみぃ」


「そうだな」

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