第8話 ダンジョンが造れない!?

「うう…… 何度やっても白くなって襲ってくるようになるわめっきゅ…… これではダンジョンが造れないわめっきゅ……」


「守護者なしのダンジョンにすれば良いんじゃないでげすか?」


「そんなのダンジョンじゃないわよめっきゅ! 迷路があって、守護者がいて、宝があって、わながあるからダンジョンなのよめっきゅ!!」


「はぁ、そうなんでげすか」


 こだわるなぁ。


「こうなったら、原因を調査するしかないわめっきゅ!!」


「アニキ、あの魔法が正常に使えれば、戦力が大幅にアップするでげすぜ。我輩たちも手伝った方が良いでげすぜ」


「そうだな! 俺たちも手伝うぞ!」


「えっ、良いのめっきゅ?」


「ああ、良いぞ!」


「ありがとうめっきゅ!」



「とは言ったものの、これからどうするでげすか?」


「現状一番怪しいのは、ミステリアスホワイトライト教よねめっきゅ?」


「ああ、そうだな」


「なら、連中のアジトに乗り込みましょうめっきゅ!」


「それは無謀でげすぜ! あそこは信者がたくさんいる大きな組織なんでげすぜ!!」


「ならば、強くなるしかないな!!」


「そうねめっきゅ! 特訓しましょうめっきゅ!!」


「よし、やろう!!」


 穴を掘る魔法の特訓をした。



 次の日。


「おはよう、みんな」


「おはようでげすぜ」


「おはようめっきゅ」


「あ~、腹が減ってきたな」


「なら、食べ物を探しに行くでげすぜ」


「そうだな。行こうか」


 ウィンドウさだに乗った。



「また昨日のキノコや木の実があったところに行くでげすか?」


「同じものばかり食べたくないな。今日は違うものを探しに行こう」


「了解でげすぜ」



「あそこに小屋があるわよめっきゅ」


「本当だ」


 かなり年季の入った木造の小屋だな。


「どうするでげすか、アニキ?」


「ちょっと調べてみようか」


「了解でげすぜ」



 入口の前にやって来た。


「すみません。どなたかいらっしゃいますか?」


 扉をノックしてみた。


「……返事がないわねめっきゅ」


「鍵はかかっていないようだな。中を見てみようか」


「そうでげすね」



 戸を少し開けて、中をのぞいてみた。


「かなりボロボロでげすね」


「そうだな。ここは誰も使ってないのかな?」


「そうなんじゃないのめっきゅ? 目ぼしいものもなさそうだし、もう行きましょうかめっきゅ?」


「そうだな」


「むっ、あれはなんでげすかね?」


「何かあったのめっきゅ?」


「あそこに何かが浮いているでげすぜ」


 ウィンドウ貞が穴を掘る魔法で指差した。


 そこには黒い円柱型の何かが浮いていた。


 黒いトイレットペーパーのように見える。


「あれはなんなのだろうか?」


「訳が分からないものねめっきゅ」


 メイキュが、それを言うのか?


「何よめっきゅ? 何か言いたいことがあるのめっきゅ?」


「いいや、なんでもないぞ」


「アニキ、どうするでげすか?」


「とりあえず、調べてみるか」


「分かったでげすぜ」



 黒いトイレットペーパーのようなものに近付き、指で突いてみた。


 硬めのトイレットペーパーみたいな感触だな。


 これはいったいなんなのだろうか?


「ん? 誰か来たのおみぃ?」


 黒いトイレットペーパーのようなものから、女性のような高い声が聞こえてきた。


「えっ!? こいつもしゃべれるのか!?」


「驚いたでげすぜ!」

「まったくねめっきゅ!」


 ツッコんだ方が良いのだろうか?


 まあ、いいか。



「ふむ、なるほど、そういうことなんだねおみぃ」


「えっ? 何がだ?」


「どうやら君たちはお店を経営してみたいようだねおみぃ」


「いや、そんなことはないぞ」

「我輩もでげすぜ」

「私もよめっきゅ」


「隠す必要はないよおみぃ。そんな君たちに最高の特殊能力を授けようおみぃ」


「えっ?」


 特殊能力!?


「さあ、いくよおみぃ! うおおおおおおおっ、くらいやがれおみぃっ!!!!!」


「痛っ!?」


 黒いトイレットペーパーのようなものが、尻に体当たりをしてきた。


「痛いでげすぜ!?」

「きゃっ!? 何すんのよめっきゅ!?」


 ウィンドウ貞とメイキュも体当たりをくらった。



「これで特殊能力を使えるようになったはずだよおみぃ」


「特殊能力って、なんだよ!?」


「不思議なことを起こせるものだよおみぃ」


「なんであなたに体当たりされると、そんなものが使えるようになるのよめっきゅ!?」


 それをお前が言うなっての!?


「なぜか使えるようになるんだよおみぃ。理由は分からないよおみぃ」


「はぁ、そうなんでげすか」


 さすがはバカエロゲーの世界、訳が分からんな。



「ところで、君は何者なんだ?」


「私おみぃ? そういえば、名乗ってなかったねおみぃ。私は『魔導トイレットペーパー』の『ケーエ・イイッチョー』だよおみぃ。ケーエと呼んで良いよおみぃ。よろしくねおみぃ」


「魔導トイレットペーパーって、なんだよ!?」


「魔法が書かれたトイレットペーパーだよおみぃ」


「なんだそれは!?」


「なんでそこに書くんでげすか!?」


「そこは書いた人に聞いてよおみぃ」


「それもそうだな」



「魔法が書かれているのに、なんで特殊能力が身に付くのよめっきゅ?」


「そこもよく分からないから、書いた人に聞いてみてねおみぃ」


「そうなのか」


 訳が分からんなぁ。


 まあ、いいか。

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