第7話
太陽の元。明るいベンチに腰掛けて、彼女たちは話し込んでいた。
「おい! 何してる⁉︎」
遠くから、声が聞こえてきた。
「あ、お兄ちゃん。」
「あの人が、そのお兄ちゃん?」
彼女たちのもとに兄がやってきた。
「お前、何やってんだ。」
「お話ししてた!」
「はぁ……」
呆れ返るような兄。
「あ、別に攻撃とかは……」
「大丈夫だ。その心配はしてない。」
兄は、慣れているのか荒っぽくも対応した。
「あぁ、それと、ありがとうございます。妹の相手をしてもらって。」
「いえ、大丈夫です。楽しかったですし。」
「なら、よかったです。」
兄は、急ぎながら礼を言った。
そして、早口で、低く、言った。
「すぐにあそこの木陰に入れ。」
「? なんで?」
「いいから早く入れ!」
怒鳴られて、やっとのことで妹は、動き出した。
「伝え忘れていたんだがな。キョンシーは日光が苦手なんだ。」
「え! そうなの?」
「あぁ。だから、日の当たるところではあまり動かないんだ。」
「先ほど、ガンガン火にあたってましたけど…」
「だから、急いだんだ。これからは気をつけろよ。」
「わかったよ……お兄ちゃん。」
カラカラ……
干からびた、音がした。
「ねぇ……お兄ちゃん。」
小さく、問いかける。彼女は、浮かべられない涙をぬぐって呟く。
「死んじゃうの・・・?」
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