第4話

 そこは、村長の会議室。

 少し、豪華に見えるよう、壁には絵が描かれているが、貧乏感は拭えない。

 努力の後は見えるが、結果はついてこなかったようだ。


 柱のまるたが剥き出しで、少々隙間風が入る。残念な家だった。


「只今より、町内会議を始める。」


 格式ばったその声で、会議が始まった。

 

 談笑するような、雰囲気はなく会議は緊張状態だった。


「つい、先程キョンシーが町内に確認された。時刻は、朝五時ごろ。散歩中の町民による通報だ。」



 キョンシーにおける例外。

 遺体の運搬を目的として開発された、遺体を利用して動かす、「キョンシー化」という技術。この技術自体は、遺体を操ることができる降霊術のようなものだ。


 もし、それで戦いを起こしたら。

 そんな、悪夢は実際に起こってしまった。



「これより厳戒態勢に入る。各自、準備開始!」


 その一言で、村は変わった。柵に囲われ、兵士が見回り、ただ一人も許さないような状態になった。

 全ては、キョンシーにならないために。


 出稼ぎ先で亡くなった人を運ぶための技術は、今や人を傷つける。

 世の中は、こうも非常なのだろうか。



 キョンシー豆知識 No.3


 キョンシーには、


 乾燥した死体  コンシー

 動いている死体  キョンシー

 術師によって操られている死体  カンシー

 

 という階級が存在する。

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