あとがき



「復讐」の犯人、これが本作の問いです。復讐には、必ず犯人がいる。

 では、その犯人が復讐として襲ったとします。すると、その犯人には犯人がいることになります。さらに、その犯人には犯人がいるかもしれないのです。結局のところ、復讐は連鎖して、続いているのです。

 大昔に食糧不足で村の争いが起きました。ここから、だんだんと大きくなり戦争が起こり、クニができます。この時、一番最初に襲った村が最初の犯人でしょうか?その村には、どうしようのない理由があるのかもしれません。その村には、復讐したい相手がいるかもしれません。この時、最初の犯人は危機的状況を作り出した人物かもしれませんし、襲わずとも、復讐の標的となる行為を行った人が最初の犯人かもしれません。

 もし、最初に争う仕組みを作ったものが最初の犯人と仮定するなら、最初の犯人は神様でしょうか?

 このように考えると、犯人なんて分からなくて、いいのかもしれません。一人が背負わず、みんなで分かち合い、かつ、中立の立場で居続ける。そんな世界がいいのかもしれません。

 結局のところ、私は皆さんにこの小説をとうして人間の醜さを知ってもらいたいと思っています。人間は、単純で明快なものを好みます。なのに、道徳という矛盾の塊を教えます。表面を見繕う人間って醜いんだ。それを知ってください。そして、生きてください。あなたには、せめて、正しく生きてほしい。

 人間は、間違いです。罪です。だから、否定しないでください。否定すると、表を返せば正しいを作ることになります。日本語は、否定しない言語です。だからこそ、こうするとダメではなく、こうしたほうがいいかもしれない。そんな一つの意見として生きてください。

 長くなってしまいましたが最後に一言。



「ありがとうございました。」


 これだけは、人間のもつ絶対の肯定文です。

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復讐 灯火(とうか)@チーム海さん @UMIsandayo

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