〜第1章〜 第6話 貯金生活
「な、なるほど…。了解です!わざわざありがとうございます!クエストを受けるにはクエストボードを見ればいいんですか?」
「そうです!受注可能なクエストがあればボードの用紙をこちらへ持ってきてくれれば承認します!」
「わかりました!」
すぐクエストボードへ向かった。100,000ダルか。とにかく、色んなクエストを見てみよう。
「ほう…No.1278ランクC、スティーラードラゴンの討伐。『ドンガン火山に最近住み着いたスティーラードラゴンを討伐せよ!』1体12,000ダル。もはや匹じゃなく体か…このクエストは1人じゃ難しいなぁ…」
「ランクD、No.521ウォットの討伐。『迷惑なウォットの甲羅は装備品の材料にピッタリだし、血液は傷口回復薬を作るのに欠かせない!』1匹2,500ダル。これも守備力がバカだから時間がかかりそうだなぁ…」
「ランクE、No.82サティアローズの収穫。『サティアローズの花蜜は経口回復薬に必要!』1本5ダル。50,000本取らないと意味がないか…」
「ランクD、No.3441ペアルーの討伐。『ペアルーの肉、美味いんだぞ!ぜひ狩ってくれ!』1匹500ダル。ん?これなら地道に稼げるんじゃないか?」
これにしよう。これなら1人でも稼げる。
惹かれるように用紙をもって受付へ持って行った。
「クレナさ〜ん!ペアルーの討伐、受けたいんですけど!」
「ハルト様!かしこまりました!ではクエストNo.3441、ペアルーの討伐ですね!承認致しましたのでお気をつけて!それと初回出発の方にプレゼントしている『マジックバッグ』を差し上げます!このがま口を開くと大きさ関係なく、大小の色々なモノを保管可能なんです!討伐した魔物もスッポリ!便利品なので是非活用してくださいね!」
マジックバッグ。これはありがたい。色々詰め込めれるのか。荷物が減って助かる。
「ありがとうございます!地道に討伐します!」
そうクレナさんに伝えて一旦ギルドを後にした。市場に出向き、一応討伐に向けて準備をしなくては。
「経口回復薬…80ダルか。2本買っておこう」
残金50ダル、ギリギリだなぁ。そう思いつつ今晩の宿代を稼がないとまた野宿になってしまう。最低でも2匹は討伐したいところだ。
一旦ミネルヴァ帝国を出て七街道へ戻る。ペアルーは臆病で襲ってもこない。初心者には打って付けの仕事だ。
ミネルヴァ帝国からあまり離れないように近くを散策する。
「居た…」
今日初の魔物、いや獲物だ。ペアルーが3匹居る。
「ピギーッ!」
鳴き声を出しながらペアルー達は四方八方散り散りに逃げ惑う。
私はこのロイスの剣を振りかざしたまま1匹に的を絞って追いかけた。
「待って!ちょっと!」
的を絞った1匹のペアルーが、岩と岩の窪みに追いやられて震えている。
「ごめん…!っしょと!」
私は剣で背面を斬り、ペアルーが血を流して倒れた。カバルーほど大変ではなかったが、少し心が痛かった。倒れたペアルーの両耳を持ってマジックバッグへ入れる。
「まずは1匹…まだまだだなぁ…」
そうもしない内に数匹がこっちへ向かってくる。仲間を斬られたことでペアルー側は私のことを敵と認識したのかもしれない。
「よし、仕留めるか…」
剣術の学がない私にとって行き当たりばったりだけど、やってみないことには先に進めない。カバルーを倒したことがあるくらいだから。ペアルーぐらいは大丈夫だろう。
「ふぅ…。」
6匹狩った。初日で1人にしては良い数ではないか?早速ギルドへ向かおう。
「クレナさ〜ん!戻りました!」
こちらに気付き笑顔で手を振ってくれた。
「ハルト様!お疲れ様でした!初クエストいかがでした??」
「はい!ペアルー6匹討伐しました!」
そう言いながらマジックバッグを差し出した。
「確認させていただきます!マジックバッグの中を見させて下さいね!」
クレナさんが慣れた手つきでバッグの中を漁る。ペアルーの亡骸が後ろのカウンターに並べられる。
「…全部で6匹ですね!3,000ダルの報酬となります!」
売れた。とりあえず売れた。今晩は野宿を免れそうだ。
「…確かに3,000ダル、受け取りました。そういえばここの2階って宿屋ありましたよね?」
お金を受け取りがてら聞いてみる。
「はい!ございますよ!1泊なら少し高いんですが、連泊なら他よりお安く提供できます!もしあれでしたら2階の受付のラピィさんに聞いてみてはいかかでしょうか?」
なるほど。1泊なら他より高いけど、連泊すれば安くなるシステムなのか。お金貯まるまでお世話になるか…。
「ありがとうございます!2階へ行ってみます!」
そうクレナさんへ伝え2階へ向かう。
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