第89話 強化パッチ
「炎魔イフリートよ!その滾る激炎、迸る烈火をもって!天蓋遮る闇夜の帳を、焼き落としたまえ!『プロミネンス・レイ』ッ!!!」
「いくよ!スキル発動!『かげぬい』!」
「王家に伝わる秘技です!『せいなるいのり』!」
「修行の成果を見せるにゃあ!『蹴撃』『拳打』!」
「私も見せよう!『貫通射撃』!」
久しぶりに、囮共とダンジョンに来たのだが、どうやらアプデが入ったようだ。
百階層に来るまで、俺はほぼ何もやらずとも、囮共がちょこまかと動いて敵を倒して、ララシャ様のお食事を用意し、天幕を張り、見張りをして……、と。色々とできるようになっていた。
呼称は面倒なので囮共のままでいいとして、少なくともヤコの部下の肉盾ジジイくらいには有能になっているな。
肉盾女だ。
そして、最終階層のレッドドラゴンなるちょっと大きめのトカゲを仕留めてから、地上へ帰還した……。
「どうですかエド!私達の修行の成果は!」
そう言って、ステータスを見せつけてくるシーリス。
そういえばそんな機能もあったなこれ。
×××××××××××××××
シーリス・ハイブリッジ
レベル:97
魔法使い
Bランク冒険者
種族:人間
性別:女
年齢:16歳
HP:388
MP:512
ちから:89
きようさ:101
すばやさ:177
まもり:324
かしこさ:420
こころ:354
うん:13
・スキル
あくうん
・魔法
クリーン
ティンダー
クリエイトウォーター
ファイアアロー
ファイアウェーブ
ファイアボール
ファイアボルト
ファイアトルネード
プロミネンスレイ
プロミネンスブレード
プロミネンスブラスト
※」レ─・/彳朮テ?
『蒼炎の穿孔』
『蒼炎の波刃』
『敷衍する蒼炎の波刃』
×××××××××××××××
「あたしのも見て見て!」
アニスも見せてくる。
×××××××××××××××
アニス・ウェットランズ
レベル:92
盗賊
Bランク冒険者
種族:人間
性別:女
年齢:18歳
HP:421
MP:124
ちから:185
きようさ:444
すばやさ:321
まもり:355
かしこさ:182
こころ:310
うん:137
・スキル
かぎあけ
しのびあし
くちぶえ
ぬすむ
ききみみ
りょうり
きゃんぷ
さいほう
れいぎさほう
うつせみ
きりがくれ
かげぬい
・魔法
クリーン
ティンダー
クリエイトウォーター
ブラインドインク
ディテクション
エアーコントロール
ファーメンテーション
エイジング
×××××××××××××××
「こちらを」
クララも。
×××××××××××××××
クララ・レインシュライン
レベル:120
神官
Aランク冒険者
種族:人間
性別:女
年齢:19歳
HP:512
MP:385
ちから:275
きようさ:221
すばやさ:210
まもり:401
かしこさ:250
こころ:445
うん:201
・スキル
いのる
めいそう
おうきゅうてあて
『せいなるいのり』
『てんばつ』
『せいぎのてっつい』
・魔法
クリーン
ティンダー
クリエイトウォーター
キュアポイズン
ヒールウーンズ
ヒールシリアスウーンズ
ディスペル
ターンアンデッド
プロテクション
×××××××××××××××
「僕はこれにゃ!」
「私はこうだな」
×××××××××××××××
ランファ・ファン・チー
レベル:110
武侠
Aランク冒険者
種族:猫獣人
性別:女
年齢:18歳
HP:458
MP:120
ちから:388
きようさ:275
すばやさ:398
まもり:452
かしこさ:100
こころ:321
うん:151
・スキル
れんき
はっけい
ないこう
がいこう
てんけつ
『きょうてんけん』
※止戈才支?
『拳打』
『蹴撃』
・魔法
クリーン
ティンダー
クリエイトウォーター
ヒールマイナーウーンズ
×××××××××××××××
×××××××××××××××
ナンシェ・ポアレスフィールド
レベル:114
狩人
Aランク冒険者
種族:森人
性別:女
年齢:255歳
HP:366
MP:457
ちから:135
きようさ:421
すばやさ:407
まもり:301
かしこさ:409
こころ:305
うん:187
・スキル
ききみみ
ついせき
きのぼり
みかわし
コンセントレイト
パワーショット
スナイプショット
クリティカルアロー
ペネトレートアロー
アローレイン
※止戈才支?
『貫通射撃』
『追尾射撃』
・魔法
クリーン
ティンダー
クリエイトウォーター
エンチャントウインド
ウインドアロー
ウインドウェーブ
ウインドボール
ウインドサイクロン
プラントコントロール
グロウアップ
×××××××××××××××
ほう、確かに強化されているな。
前に見た数値より増えているような気がする。覚えてないが多分そうだろう。
「我が剣よ、臣下の頑張りは褒めるものだぞ」
なるほど、ララシャ様のおっしゃる通りだな。
「よくやったな、お前ら。努力を認めよう」
「「「「「わーい!」」」」」
……かなり雑な対応だが、俺に褒められ慣れていないこいつらは普通に喜んだ。
こんな囮共でも、鍛えればこれくらいの肉盾にはなるのだから、この世界の上位の戦士なども、もしかしたらそこそこ強いのかもしれんな。
そう言えば……。
「で……、スキルとやらは増えたようだが、お前達は強くなったのか?」
当然の疑問として、それがあった。
「え?いや、そうですよ?!そういう話でしょこれ?!この数値を見て分かってくださいよ?!」
「プレイヤースキルが上がってないからな……」
カスダメの通常攻撃でも与え続ければ理論上神でも殺せるんだから、「いかに当てて」「いかに避けるか」だけを考えればいい。
ステータスなんてものは飾りだ。筋力1で「折れた剣」を振り回しても、避けて斬ることを十時間も持続できれば、百周目のドラゴンだって殺せる。
そういう話を、俺はした。
「あの、キチガイ基準で話すのやめてもらえます……?」
「キチガイではないな」
「狂ってんですよ!!!自覚してくださいそろそろ!!!誰も言わないから私が言いますけど!狂ってんですよ貴方は!!!」
「そうですか」
「はあ……、これだから……!周りの人達、みんな気を遣ってくれてるんですよ?もうちょっと何とかできません?」
「俺も周りの人間には気を配っているつもりだが」
「その有様で????」
「そうだ」
「ま、まあ、良いです。今日だって、わざわざ忙しい中に予定をキャンセルして、私達の成長を見る為にダンジョンに来てくれたんですもんね?私達は十分嬉しいですから……」
「そうか」
「……因みに、何の仕事をキャンセルしたんですか?」
「『剣聖』と『女教皇』と『騎士団総団長』と『エルフの女王』との面会だな」
「………………は?」
「お前らに呼ばれてダンジョンに潜るから、一週間待てと伝えて、神殿を出たぞ」
「は?え……、ちょっ、おま、おまおま、お前?!貴方、貴方ねぇ?!!?!!何やったか分かってんですか?!?!!私達のせいで、そんな、私達がわがまま言ってエキセントリックな無礼をしたみたいな?!ちょっと待って?!!」
「うるさいぞ」
デコピン。
「ひぎぃ?!!!」
縦に回転するシーリス。
ちょうど、足が手元に来た瞬間にそれを掴む。
「帰るぞ」
「あっいやちょっその!スカート!捲れてる捲れてる!うおおおおやめろおおおお!!!」
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