第67話 貿易長官ガラシャ
ガラシャとメンシア。
砂漠の国で出会った、女船乗りと魔法使いのコンビだ。
この二人は、元は冒険者だったのだが、可愛いので娶ってやった。
今は飛空挺に乗り、外交官?貿易責任者?のような仕事をやっているらしい。
ガラシャは専任で飛空挺の船長だが、メンシアは研究も頑張っているな。
外部とのやり取りが必要か?という疑問はさておき、やるとなると、ガラシャみたいなフットワークが軽い存在は重要だしなあ……。
ほら……、商人ごっこで稼ぐ子がいるだろ?スティーリアとかさ。
商人って、行商ならまだしも大規模な商会となってくると、人足が必要な訳じゃん。
それが、ガラシャ率いる船団な訳よ。
他にも、顔採用した亜人女共や、その辺の裏路地で拾った顔がいい女は、そういう貴族筋だかの女共が勝手に指示してあれこれやってる。
身分制度みたいなのができてるな。
確かに、八割顔、二割人格の割合で採用した女達は、別に能力が高いとかじゃない。
そんな、顔以外並の女達は、個人の努力や行動では俺の目に留まらず、中々構ってもらえない……。
なので、能力が高い女の下についてグループを組み、お零れに預かろうって感じになっているようだ。
まあ良いんじゃね?見ている分には面白いし、俺は神にも等しい立場だと崇められる側だし。
娯楽も美食も、美容も服も宝石もなんでも手に入る、与えられる女達は、承認欲求を満たすことに全力を出しているっぽい。
つまり、働いて、認められて、褒められたい。
そして、この領地の王である俺からの愛情は、何物にも代え難き報酬、と……。
そういう訳だ。
売るほど金を持っている金持ちが、募金だなんだと偽善行為をやり始めるのと一緒。
人間、衣食住も趣味も全て満たされると、他人様からの賞賛が欲しくなってくる。
ゲームなどにハマって、機械から褒められていい気になる子もそこそこいるが、そういうのも結局、そのゲームも俺の匙加減一つで取り上げられるものなのだと自覚するともうダメ。媚びることだけに全力を出すようになる。
極端に無能な女となると、完全にプライドを捨て去り、俺の歩く道に寝そべって「絨毯になる」「椅子になる」という奉仕をする奴も居た。マジで信じられないくらい無様で可愛かったんで、五分くらい踏んでやったわ。無論、死なない程度に。
単純にマゾ女なだけの可能性もあるが……、この世界にはそういう「SMプレイ」みたいな性文化とかないからなあ。
鞭で叩くのは拷問、踏みつけられるのは屈辱。ただそれだけだ。
まあ、女の子を嬲るのは大好きなので、俺としては問題ないな。
で……、ガラシャは。
操船の能力がある、技能持ちだ。
俺に踏まれにくる必要はない……この空中都市でも上の方の身分の女だな。
だがそんなガラシャも、俺からの「かわいがり」が一番の幸せらしい。
「あっ♡あっ♡あっ♡」
カーペットに寝そべるガラシャを、弄ぶように足で踏む。
ガラシャは、恍惚とした表情で、それを楽しんでいる……。
誇り高き女船長が、何でこんなどうしようもないマゾメスになっているのか?
……これには、深い訳があるのだ。
説明しよう。
まずガラシャは、生来の性質もあったが、荒っぽい船乗り女達をまとめるリーダーの為、めっちゃイキる。いや、イキらなくてはならない立場。
なので定期的に、俺とのコミュニケーションを兼ねての手合わせをやっていたのだが……。
俺が普通にサディストだから、訓練や手合わせという名目で、ガラシャをじっくりと痛めつけつつ煽って嬲り、毎回毎回、ガラシャの心を折ってきた……。
そんなことをやっている内に、ガラシャは、痛めつけられることそのものを楽しんでしまうようになったのだ。
俺としては、女はマゾの方が良いなと思っているので、隙あらば愛人達の心身をコネコネ(意味深)し、どうしようもないマゾ豚になるようにと丹念に調教してきたが……。
まさか、ガラシャが一番ハマるとは、このリハクの目をもってしても……。
「ぉほぉおお♡♡♡旦那しゃまああっ♡♡♡」
腹、子宮の辺りをぎゅ〜っと踏みつけてやると、汚いオホ声を出しながら噴水(比喩表現)になるガラシャ。
威厳もクソもあったもんじゃないが……、もしかしたら、無理してツッパってたのかもな。
いつも、荒くれ者共に言うことを聞かせるために、強くて怖い女船長を演じていた。
……そう、そうだな。
思えば、ガラシャは態度こそ大きいが、かなり丁寧な奴だった。
部下には分前を気前よく渡すし、行きつけの酒場では尊敬されていたし、実は小器用で船の補修なんかもできる。
と言うより、荒くれ者の女船長の親友にして相棒が、インテリの女フェイ族のメンシアって時点で……なあ?
かなり、ちゃんとした奴なんだよな、ガラシャって。
やっぱり、無理して怖い船長を演じていたんだな。
そして、この空中都市では、俺に負けて、俺に阿り、俺に隷属するのは当たり前のこと……。
その価値観に託けて、船長の立場から解放されたかったのかも。
……結果としてマゾメス豚になっているのは謎だが。
「旦那っ♡好きだっ♡アタイの旦那様っ♡♡♡」
俺の足に頬擦りして愛の告白をしてくるガラシャ。
「あんただけなんだよ、本当のアタイを見てくれるのはっ!アタイはね、本当は弱くて……、亜人との混血で!『穢れた血』なんだっ……!旦那だけが、アタイを受け入れてくれるんだ……!」
なんか……、過去にあったらしい。
詳しくは話したがらないから聞いていないが、どうやらガラシャは、そこそこに高貴な血……まあ貴族か何かの傍流らしい。
その上で、蔑まれるシャドウフォークの混血……。
そりゃあまあ、何かがあったんであろうことは想像に難くないし、苦労だってしてきたのだろう。
しかし、安心してほしい。
この空中都市では、全て平等に価値がない。
価値は、俺が与えるもの。それが全てだ。
この閉じた箱庭で、俺を気持ち良くするためだけに、永遠の時を生きるといいよ♡
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