第68話 研究長官メンシア

ガラシャとメンシア。


砂漠の国で出会った、女船乗りと魔法使いのコンビだ。


この二人は、元は冒険者だったのだが、可愛いので娶ってやった。


メンシアは今は、インテリ派としてこの空中都市で研究員(?)をやりつつ、たまにガラシャに同行して飛空挺乗りをしている。


学術都市との繋がりもあるらしく、今でもその学術都市の学院に籍があるそうで。


それを利用して、空中都市の大図書館でデータを集めて、空中都市の膨大な魔力リソースで実験をし、その結果を学院に提出しているのだとか。


そんな訳で、今、学術都市でのメンシアの名声はもう本当にデカいんだとか。どれくらいデカいかと言うと、全盛期の尊師くらい?世が世ならお茶の間に登場するくらいだな。


ほら……、確か今は、学術都市では選挙があるらしいじゃん?


その、選挙に、政治家として立候補しませんか?!みたいなお誘いが来るくらいにイケイケなんだとさ。凄いね。


まあ、研究費無限大!とかいう、世の大学教授達が嫉妬でハンカチを噛みちぎるレベルの環境にある訳だから、当たり前っちゃあ当たり前なんだが。


ってかそもそも、俺が学術都市で教授になるかー!みたいなのを考えたのも、このイケイケ研究者メンシアのコネパワーを使えるから割と道のりをショトカできそうだ!って要素があったからなんだよね。


もちろん、道のりの長さは楽しみたいんだが、長々焦らしプレイされるとイラつくという気持ちも当然あるもんよ。


何事も長けりゃ良いってもんじゃない。おちんちんと同じだ。


そんな訳なので、コネパワーと俺自身の能力を加味して、ちょっと苦労すればなれそうだったのが、その、学術都市の教授だった訳よ。


まあ、しばらくは空中都市でブラブラしながらラブラブするので、それはとりあえず置いておこう。


で、メンシア。


こいつは今、俺の膝の上で横になっている。


……オムツを履いて涎掛けをしつつ、チャイルドスモックで。


成人どころか、三桁歳の女フェイ族がこれである。


普通に自殺もんだが、メンシアはこのままベビーカーに乗って後宮内をお散歩したりもする。俺がやらされる。


本当に性癖が終わっているが、まあ俺も割と楽しいし、無様なのは可愛いので良いとしよう。


哺乳瓶に入ったカルーアミルクを飲みながら、俺の膝の上で横になり、腹を撫でられているメンシア。


幸せそうに微睡んでいる……。


このメンシアは、空中都市での女達の中でもトップクラスの醜態を晒すし、それを見られて悦んでいるマジキチだ。


だが、空中都市の中でもトップクラスの有能な才女であるから、その奇行もスルーされた……りとかそんなことは一切ない。


マジのマジで、他の嫁達からも「ガチでやべーやつ」扱いされている魔王である。


表立ってイジメをしたり、排除しようと争い合ったりすると、自害も逃亡も許されずにみんなの前で変態プレイをやらされるので、直接声を上げる子は居ないが……。


でも、メンシアがチャイルドスモックにおしゃぶりとオムツというこの世の終わりみたいな姿で歩いていると、全員露骨にドン引きする。


ガラシャなんて、あまりの気持ち悪さに「あっ、スゥー……、メンシアさん……?」とか言って敬語になってて笑ったわ。お前も大概だと思うがな。


もちろん、仕事の時はちゃんとしているので問題はないぞ。いや、あるか?あるな……。


「メンシア、最近はどうだ?」


「ん、パパ♡が居なくて寂しい」


そうじゃなくて、もっとこう、仕事とかどう?みたいな話なんだが、今はもう赤ちゃんモードだからか、メンシアに話は通じない。


伝え聞く限りでは、飛空艇の技術を応用したホバーバイクみたいなのを作ったらしくて、それが最近地上で流通し始まった……とかは聞くな。


つまり、頑張って仕事をしている。えらいっ!


「そっかぁ!よちよち、パパが居なくて寂しいねぇ!居る内にいっぱい甘えちゃおうかぁ!」


「ん……♡パパしゅき♡」


マジで終わってんなこの女。


まあ俺、少女漫画の王子様キャラみたいなイケメンだし、この女も「おもしれー女」の範疇だから可愛がれるが。器とおちんちんの大きさには自信があります!


「楽しいか?」


「ん、たのちい」


本人がいいならいいんじゃないっすかね。


……にしても、メンシアもやはり、俺に縋らないんだな?


生産性がある女はみんなそうなのか?


「メンシア」


「何?」


「俺に捨てられたらどうする?」


「自殺する、よ?」


あ、違うわこれ。


割り切りが凄いだけだわ。


純粋に、俺に嫌われたら死ぬっていうメンタルで生きているだけだから、嫌われた時のことを考えて怖がるー、とかないんだなあ。


心が強ぇ奴なんじゃなく、耐えきれないからその場で死を選ぶという、単に性格の違いか。


表面上はサバサバしているヒルザやダイアナが、内面は女々しくてみっともない雑魚なのは可愛いってことだな。いや、そりゃそうか。アタシってサバサバしてるから〜みたいなことを言う女がサバサバしてた試しなんて有史以来一度もないもんな。当然っちゃ当然。


メンシアの方が、ある意味では潔いし、男らしい。


耐えられないなら自殺するってんだから。


「お"っ♡ぉお"〜〜〜っ♡」


うわあ……、オムツにお漏らししてるぅ……。


ガチでヤバいな。


普通さぁ、惚れた男にこんな気狂い変態プレイを提案してくるか?


頭おかしいんだろうなマジで。


もちろん、可愛いので許す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る