第四章 名誉欲しさに学園に向かおうと思うんだけど大胆なオリチャーが発動してそのまま寄り道する感じ?

第51話 次は名誉が欲しいので上級国民目指して頑張ろう

「おお、エリカ。まだデキたのか?」


「はい、三人目です」


「良いねえ、元気な子を産めよ!」


「はいっ!」


愛人と会話をしつつ、俺は酒杯を呷った。


ここは空中都市……、その後宮。


ここにいるのは、俺の集めた全国の美女と、それを世話する女の奴隷と使用人のみの空間。


俺の子供すら、立ち入ることを許されない聖域……いや性域だ。


具体的に言えば。


「エリカ……」


「あっ……♡い、いけません♡妊婦とだなんて♡神様に叱られてしまいます♡♡♡」


「そんな神は俺が殺してやるよ、な?」


こういうことをするからである!


お子ちゃまには早いってこったな!!!




いやあ……、にしても、行くところまで行ったなあ。


特に、元神官であるエリカに、妊娠したままでセックスという宗教上バリバリ禁忌な行為をやれるまで、俺は攻略を頑張った……。


もうクリアと言って差し支えないのでは?


しかしまだ足りない。


今度は名誉を得てえな。


金持ちが、勲章やら肩書きやらを欲しがり、慈善事業やらをやりたがる理由が分かるか?


金持ちはな、金を持っているから、金じゃ手に入らないもんが欲しいんだ。


それこそ、名誉だったり、他人からの賞賛だったり、感謝だったりな。


俺もそうだ。


女はドカッと三百人も囲っていて、少なくとも全員に一度はガキを孕ませている。


欲しいものは何でも手に入り、空飛ぶ街で何でもやりたい放題!


健康の問題も何もなく、寿命も極めて長くなった!


……となると今度は、社会からの崇拝が欲しいね!


と言っても、一応は貴族であるので、立場があるっちゃあある。


しかしこれは仮のものというか……、そもそも、この国での貴族自体がそんな良いもんでもないからな。


基本的に貴族ってのは、血統的に強力な戦闘型のスキルを持ち(スキルは遺伝する!)、たくさんの資本と部下を使ってレベルを高めている……。


なので、物理的に、平民を力で押さえつけている「上位者」なのだ。


地球だったら、「こんな統治したら反乱されるのでは?」みたいなことをやっても、貴族とその郎党が単純な戦闘能力で平民反乱軍をぶち殺して根絶やしにできるので、この世界の統治は酷くなりがちである。


なので平民は、貴族に対してかなりビビってる。マジで殺されるので……。


ただ、この国も酷いっちゃあ酷いが、平均レベル。


本当に酷い国では、貴族以外は全部家畜!家畜に神はいないッ!みたいな感じと伝え聞く。


もしそんな国に、チートスキルがあります!などと言って仕官しに出向いたら……、まあ終わりだろう。死ぬ方がマシ、という目に遭うはずだ。悲しい話だね全く。人間は愚か。


で、話を戻すが、名誉。


名誉が欲しい。


言い換えれば、他人からチヤホヤされたいのだ。


俺はその辺を隠すつもりはないからな。


世の中には、斜に構えて「女や名誉には興味ありませーん!けど手に入れまーす!はーやれやれ!」みたいな物語があるが、そりゃアホくさい話。


考えてもみろよ?


可愛い女の子にモテモテで、いっぱいエッチなことができる!!!


これに憧れない男なんてホモしかいないだろ。


他人にチヤホヤされたい!!!


当たり前だ、人間ってもんはみんなそうだ。


確かにそれを隠した方がお行儀はよろしいんだろうが……、そうやって、みっともなくがっつく程にガムシャラにやったことがないから童貞だし貧乏だし無能なんだよ。


何でもそうだ。カッコつけて硬派気取って、何かをやってこなかったからそうなる。


まあ、俺の場合は、育ちが良かったからな。


金持ちの家に生まれた俺は、自分の魅力ではなく、親の持ってるカネに惹かれている女と付き合うなんて嫌だった。なんで、自力でモテようと色々やったもんだ……。


……とにかく、大層な理由はないが、他人からチヤホヤされたい。


名誉が欲しい。


そして、俺にはその力がある……。


じゃあやるでしょ。




「ゲームはクリアしても終わらずに、実績解放を目指すのが当然なんだよね」


「っす」


はい。


両手にガキを抱えてダブルで授乳させながら、一番弟子のザニーは頷いた。


「実績……、そう、実績だよ。分かるか?」


「あー、目立ちたいんでやんすよね?」


「そう!目立ちたい!」


「気持ちは分かるでやんすよー。あっしも、師匠の一番弟子ってことで、周りから持て囃されて鼻高々でやんすから」


あ、うん。


ザニーもね、所詮は育ちの悪いスラム上がりのガキだからね。


取り繕わずに、「チヤホヤされてえでやんす!!!」って態度。潔いね素晴らしい。


「俺がもっともっとビッグになったら、お前もそのおこぼれでビッグになれるぞ!」


「おー!すげーっす!じゃあなんかやるでやんすよー!」


ヨシ!




「……で、何やるんでやんすか?」


「『学術都市』に乗り込んで、教師になる」


学術都市バレア編、スタートだァー!!!








————————


書き溜めないです。

他作品を読みつつゆっくり待ってね。

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