第47話 後ろから英気を補充してやるぞ

十人くらい、スラムのガキを拾う。


全員顔がいい女の子だったので、空中都市に送って教育。


このようにして、スラムの人外種や奴隷女などを集めて、俺は今勢力を作っているところだった。


まあほら……、その、何だ。


この世界の人間とは、話が合わないんだよ。


下手に教養があるから、学があるから耐え難い。


地球で熱心に学んだ学問や詩篇の断片を会話に織り交ぜても、それに反応してくれる相手は誰もいないのだ。


例えば、地球では、日本の裏側でも七つ集めると何でも願いが叶う玉を集める漫画の話は通じたし、シェイクスピアやジョンレノンは英国人以外も知っていた。


寿司は海外でも食べられたし、バスケットボールやラグビーはどこでも人気だった。


地球人という共通の常識がそこにはあったのだ。


それが、この世界ではない。


これは寂しい、かなり辛いぞ。


であれば、どうするか?


俺の、俺による、俺のための世界を作る。


俺はまあ、大概下衆である自覚はあるが、別に自分の世界をこの世界に上書きしようなどと思うほど高慢ではないんだよ。


だから、こうして顔がいい好みのタイプの女の子を拾って、地球の現代風の教育を受けさせ、子供を産ませているんだ。


生まれてきた子供達も、嫁からは基本的にはそれとなく遠ざけて、精霊達によって俺が望む形の教育を施させている。


俺の血を引いた子供は、超越者の子として莫大なステータスを受け継ぐからな。


例えば、今貴族と呼ばれている存在達も、かつての超越者の末裔であることが殆どだ。超越者から遺伝したステータスの持ち主が貴族って訳だ。


そして、俺の血族で、俺の国を作る訳だ。


なーに、この世界なんて八割九割未開拓地域なんだ、土地はいくらでもある。


地球みたいな国を作ったら、やりたいことが山ほどあるんだ。


こんな大層な館じゃなくて、六畳間の安アパートでエアコンをつけずに、蒸し暑い夏の夜にナメクジみたいなセックスをしたり。


冬の夜中、裸で温め合った女の子と手を繋いで、コンビニにおでんを買いに行きつつコンドームを補充したり。


お互いにスマホ弄りながら抱き合っていちゃついて、気分が乗ってきたからそのままヤり始めたり。


そういうことがしたいんだよ俺はよーーーっ!!!




それはそれとして、今は砂漠の秘宝探しだ。


俺がスラム街で炊き出し(スカウト)をしている数日間で、ガラシャの船の船員達は充分に英気を養い、再び旅の再開をする訳だな。


「英気?いや全然だよ、旦那!」


「そうそう、旦那に抱かれてからってものの、ヘタクソで臭い男娼に金出して抱かれるなんてもう無理!って感じで」


「あたしなんか噛み癖があるから、ヤってる最中につい肩とか腕とかに噛みついちゃうんだよねえ。それやると、男娼から死ぬほど嫌われるんだけど……、旦那は全部許してくれるもんな!」


と、まあ。


英気補充希望者がケツをこちらに向けて来るので、英気をたっぷり中に出してやった。


「俺のガキ産んだらうちで使用人として雇ってやるぞー」


「え、ほんと?!」


「旦那の下僕で一生いい思いできんのか〜、良いねえ〜!」


「でも、冒険ができないのはねえ」


イチャイチャしつつ、大きなベッドから立ち上がる。


タオルで残滓を拭き取り、水を飲んで両隣の二人にも与える。


ああ、ガラシャとメンシアも、中世世界特有のガバガバ倫理観で普通に股を開いてきたので、普通に今俺の隣にいるぞ。


というか、ガラシャの船の船員達全員と楽しんでたんで、全員いる。


「ガラシャには船をやるよ。飛空艇だ、空飛ぶ船だよ。どこへでも行きたいところに行けるんだ」


「はは、そりゃ良いね!そしたら、生涯雇われてやるよ!」


「メンシアには叡智をやる。この世界もあっちの世界も、全ての本が収まった図書館がうちにあってな」


「それは……、本当?夢みたいな話」


「砂漠の秘宝を見つけるまでの付き合いかと思ったが、中々どうして。良い女だから、囲いたくなっちまった」


能力もあるし、人格も普通、顔がいい。


それだけで、スカウトの理由には充分過ぎる。


「金持ち貴族様の愛人なんて、考えたことなかったよ。でも、アンタの物になるなら、悪くなさそうだね」


「ん、同意」


二人はそう言って笑うが、どうやら本気にはしていないようだった。


その辺は、今後の旅で口説きまくって、その気にさせればいいか。


で、まあ。


別に囲ったからと言って、束縛するつもりはないんだよな。


目的としては、女達に子供を産んでほしいのと、俺の所有物として侍らされていてほしいだけ。


特に、義務も強要もしないつもりだ。


だから、自由に世界を行き来できる飛空艇も与えるし、そのまま冒険の旅に出てもらっても構わない。


何だったら、他の男に抱かれてきても俺は気にしない。


だって俺は世界で一番強くてイケメンでセックスが上手いので。


別の男を咥え込んでも、すぐに取り返せる。


そら気分は良くないが、俺も浮気というかハーレムしてる身だからね。女共が浮気しても止める権限ねーわそりゃ。


俺の物であれば、望むものは何でも与えるし、俺という誇張抜きで世界で一番いい男がお相手してやるんだから、女としてそれ以上何かを望めるものはないだろう。だからこそのノーガード戦法なんだけど。


まあ一人産めばそれでいいよもう。


ガラシャとメンシアは優先度高めなので、しっかり孕ませておく。


いや、旅が長引くだろうから、とりあえずは避妊しておくか。

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