第27話 ハーレムの心得!
俺の中にある選択肢は二つ。
南の島でバカンスができる素敵な南国都市!
ファンタジーあるあるの飛行大陸!
どちらかを俺の領地ってことにしたい。
そしてそこに、集めた奴隷女や貴族令嬢をぶち込んで、愛人だけの街を作るのだ。
どっちを作るかなと悩んだが、結局、暇だったのでどっちも作った。
王都ではなんか知らないけど、うちの屋敷に武装した馬鹿どもとか暗殺者とかが来るので、その度に「人体はどこまで薄くできるかゲーム」とか「成層圏スレスレからバンジー」「人体全部おろし金ですりおろしてみた」「部下の人肉食べ切るまで帰れまテン」などのワクワクするような催し物を乱発したところ、誰も屋敷には近付かなくなったな。
というか、街の人々も俺を見ると心から怯えるようになってて草。
やり過ぎちゃったかな?
でも敵対した貴族家からは、俺に喧嘩を売った賠償の扱いで、金と女をたくさんプレゼントされてるから良いよ。もうこれ以上虐めるつもりはない。
「ひ、ひっ!だ、だんな、様……!」
ウェーブがかかった金髪碧眼の美少女。
アンナマリーちゃんだな。
アンナマリーちゃんは、最近俺に喧嘩を売ってきたハルコーネ伯爵家の次女なんだって。
嫁ぎ先は決まっていたんだけど、その嫁ぎ先の貴族も俺が殺しちゃってたらしいよ。かなしいなあ。
で、賠償金代わりにってことでもらえた女の子だ。
目の前で父親をすりおろしてあげたから、俺のことが怖くて仕方ないらしい。
「アンナマリー、おいで」
「は、はい……」
可哀想になあ。優しくしてあげなきゃ。
まあ、こうして怯えているだけマシだよね。
中には、賠償金代わりに来た女の分際で頭が高いのとかいたし。
そいつは、後で女の管理維持を任せている一番愛人のエリカが手切れ金を渡して放逐したらしいが……。
俺はまあ、基本的には女は殺さないんでね。
「アンナマリー、まだ俺が怖いのか?」
「いっ、いっ、いえ!だ、旦那様は、お、お、お優しい方なので!」
歯の根が合わない、といった怯えようで良くもまあ言ったものだ。
「うーん、そんなに怖いかね?お前の父親だって、邪魔なやつを痛めつけて殺していたはずだ。それくらいは分かってるだろ?」
公開処刑が当たり前の世界だぞ?死骸が路地に転がっていることもなくはない。
「は、はい」
「俺がやるのはダメなのか?怖いのか?」
「い、いえ」
「それとも、派手な殺し方にビビっちゃった?」
「あ、ああ、ひいいっ!」
うーん……。
「本当に辛いなら、実家に帰しても良いよ?」
「だいっ!だ、だいっ、大丈夫で、ですっ!!!おぎ、お気遣、い、ありがとうございます!!!」
ヤバそうだなあ。
とは言え、適合した子も多い。
「旦那様っ♡しゅきっ♡」
「もー、旦那様〜?奥さんほっといて仕事とか、ダメだよ〜?」
「マジサガるんだけどー!旦那様〜!アタシの胎空いてんのに、まだ仕込んでくんないのー?!」
ローザ、ティナ、シオ……。
銀髪のロリっ子、ポニーテールの元気っ子、金髪で派手な子。三人の貴族娘だ。
この子達の親兄弟も喧嘩売ってきたんで俺が捻り潰した(物理的に)んだが、この子達本人は俺にめちゃくちゃ懐いてる。
「アンナマリーちゃん、まだ怖がってるの?」
「えー?旦那様にそれは酷いよー!」
「はあ?生意気じゃね?」
「こらこら、絡むな絡むな」
俺は三人を叱りつつ、アンナマリーから引き剥がす。
「「「はーい♡」」」
いやあ……、ここまで持っていくのにも、相当頑張ったな。
この子達も最初は、親に似て頭が悪くて、嫁同士で殺し合いとか暗殺とかして自分の地位を高めようとしてたんだよ。
だから俺は、その騒ぎで死んだ子を全部生き返らせて、罰として嫁と使用人女奴隷達全員の前で公開レズセックスさせたんだよね。
あまりの羞恥心で頭がおかしくなりそうになってたけど、「お前達はお互いの尻穴の味も分かるような家族なんだよ♡」と、死ぬ寸前まで快楽を与えつつ教え込んでやれば、すぐになんでも言うことを聞くようになったよ。
それに、争わなくても豊かに暮らせると言うことと、蘇生魔法を見せたことで死ぬこともないと理解したらしく、皆変に後宮らしいギスりを見せることはなくなったな。
基本的にはこうして仲良しグループでまとまっているけど、定期的に交流(意味深)もしてるから大丈夫だ。
「お前ら、アンナマリーにちゃんと優しくしてんのかー?」
「してるよぅ!」
「確かに僕達は争い合ってたけど、もうしないもん!」
「そーそー、殺しても旦那様が生き返らせるし、毒は買っても結界に弾かれるし、意味ないんだよねー」
うーん、じゃあなんでだろう?
「怖がる意味が分からなくてな……。優しくしてるつもりなんだけど」
「いや、怖いのは怖いよ……?」
「僕達は逆らっても無駄だから、開き直ってるだけかなー」
「アタシら、もうお互いにオシリの穴まで舐め合ってる訳だし、もう策略とかどのツラ下げてすりゃ良いか分かんないってか……そんな感じ?」
ふーむ。
まあ、なんだ。
「アンナマリーはさ、多分、俺のことがよく分かんないから怖いんだよね?」
アンナマリーは無言でめっちゃ頷いた。
「じゃあ教えてあげるけど……、俺、マジでびっくりするほどなんも考えてないんだ。その時その時で一番気持ちよくなれることを衝動的にやってるだけだよ」
「そんな、でも」
「いや本当に。貴族の立場とか関係なしに、攻撃してきた奴は全員殺した。で、俺のことを好きでいてくれる女の子は、俺も好き。なんかおかしい?」
「それは……」
「まるで獣だ、って?」
「い、いえっ!私はっ!」
「そうだよ、俺は獣なんだよ」
まあ俺に言わせりゃ、こいつらの親兄弟も大概、獣のようなもんだったけどな。
平民の妊婦の腹を割いて、中の子供の性別を当てる賭けとかやっている奴らだったぞ?貴族の力を悪用しまくってる屑共だった。
相対的に見れば俺の方がマシな感じはあるな。
「………………え?」
「難しく考えなくて良いってことだよ。ほら、犬とか飼ったことない?動物って、馬鹿にしたり、攻撃しようとしたりすると噛みついてくるだろ?でも、優しくすると懐くだろ?そう言う話だよ」
「じゃ、じゃあ、旦那様は……わんちゃん、ということ、ですか?」
「「「ブフーーーッ!!!」」」
三人娘が笑うのを他所に、俺は「そうだよ」と返してやる。
「でっ、でしたら……」
アンナマリーは、おずおずと、俺の襟を引っ張って跪かせて、頭を撫でる。
「ふふふ……、私、大きなわんちゃんも飼ってみたかったんですけど、危ないからダメって言われてて……」
「そうそう、犬みたいなもんだから。過剰に怖がらなくて良いよー」
「は、はい。頑張ります、ね?」
こんな感じで、嫁らとの仲は良好だった……。
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