第9話 弟子ってのはつまり、どこでもオナホでしょ?

女の弟子とはつまり、小間使い兼オナホだろ?


いくらでもセクハラして良い美少女がそばに置いてあるとか、助かる助かる……。


とは言え、俺は紳士で優しいから、いきなりぶち込むようなことはしない。


性教育しながら、色々なテクニックを仕込んで、身体も慣らしてやる。


そもそも、こんなガリガリのチビにいきなりぶち込んだら裂けるんじゃない?それは可哀想だし、まずは食わせて太らせよう。


服装は……、どうすっかな。


常識的に考えて、薄着してると危険が危ない。


藪に入った時に薄着だと、枝や草に引っ掛けて傷だらけになるし、病原菌持ちの蚊、蛭、蛇などとヤバいものがその辺にウヨウヨいらっしゃる。


なので、薄着を着せることにした。


最終的に俺のおちんちんがそっちの方が萌えるよね!と言ってきたので、それに従った形だ。そういう危険からは俺が守ってやりゃ良いだけだしな。


タンクトップ型の見せブラに、やたらと短いヘソ出し半袖ジャケット、そして男の子みたいな短パン。


まあ一応、肌の保護のために長めのソックスとしっかりした手袋を付けさせるけどね。


あー、いい!えっちだ!


服の召喚コストがかかり過ぎて今日はもう何にもできないけど、女の子の可愛い見た目を磨く為には一日ドブに捨ててもOKって感じよな!!!


「ふわぁ……!こんな良い服、くれるでやんすか?」


「もちろんだザニー。俺は強くてイケメンで賢くて優しい素敵な師匠なんでな、お前みたいな可愛い弟子はもう嫌になるくらい可愛がってやるぞ!」


「ーーーっ、はいでやんす!一生着いてくでやんす、師匠ー!」


とりあえず今日は、食事のマナーとか、毎日のお約束とか、そういうところから教えていくか……。




次の日の朝。


俺は、エリカとザニーの為に、食事を作っていた。


森で片手間に作った薪に、ザラマンデルで火をつけて、ザラマンデルに「中火で」と頼みつつ、スープを作る。


仕留めた鹿肉の塩漬けを細かく切って、ざく切りにした玉ねぎとにんじんとキャベツを、コンソメで煮込む……。


顆粒コンソメ?召喚したよ。


これに、近所のパン屋で買っておいた黒パンを出し、付け合わせにチーズとそのままのリンゴを出す。


「んまっ!んまいでやんす!」


がっつくアホの子に、礼儀作法を教えつつ食事をし……、それが終われば今日の仕事だ。


また、森へ行き、革を鞣して、獣を狩る。


それを冒険者ギルドに売って大金を手に入れて、ちょいちょい戦ってレベル上げ。


良い調子だ。


で、今日も再び、革を売りにギルドへ行くと……。


「こちら、新しい冒険者証になります!」


と、鉄の印章を渡された。


んー?


「ああすまない、無学で非才の身故に存じ上げないのだが、こちらは何かな?」


「これは、『革板』の次の階級、『鉄章』を表す冒険者証ですよ」


んんーん。


冒険者ランク……ってコト?


そんなんあったんだ。


ってか、どうやって冒険者ランクを定めてるんだ?


評価基準って何よ?


俺はそう訊ねた。


「それは、依頼の達成数と、ギルドにもたらした金銭の量で決まります」


「へえ、金の問題なんですか?」


「ギルドも営利団体ですからね。その点を言えば、ドーマさんはここ一ヶ月の稼ぎだけで、もう既に次の『銅盾』にまで迫る勢いです!あとは、もう少し依頼の方を達成していただければ、すぐにでも昇格ですよ!」


ほーん。


説明を受ける。


なんか知らんが、昇格をするとギルド側からの認知度が上がり、オイシイ指名依頼を出してもらえるんだとか。


と言うよりむしろ、指名依頼なしでここまで稼いだ規格外のアホはお前だけなんですよね、的なことを受付のおねーさんからやんわりと言われたわ。


低級の冒険者ってのは基本、クソみたいな報酬額を必死に貯めて装備を揃え、我慢して我慢してスキルとレベルを高め、そして指名依頼を受けられるようになって、そこから稼ぎ始まるんだとか。


聞けば……、森に現れる駆除対象の雑魚モンスターとして代表的なゴブリン。


この世界では猿鬼と呼ばれるそのモンスターは、子供くらいの強さながら普通に武器を振り回すくらいの知能があるそこそこの強敵。


で、こいつ一匹を駆除して得られるのが、大体三千円くらい。


一日、複数人でパーティを組んで猿鬼を討伐したとして、報酬の山分けなどをすれば手に残るのは一人一万円未満。


このカスみたいな報酬を、その辺の私娼やら酒代やらに溶かさず、貯金してから鉄の武器を揃えて鎧を買い……。


そうして下積みをして、やっとギルドから認められて、それなりの依頼を回してもらえる、と。


冒険者になりに来るのなんて、ほぼ食い詰め者のカスばかりだもんな。


俺も何回も絡まれたり、襲われたりしてる。精霊が常に周りにいるから、あらかじめ排除してもらえるから助かるね。


そんなカス共を篩い分けているんだろう。


ちゃんと我慢して、計画的に貯金ができるか?とな。


そこでいきなり、超高品質な革を完璧な鞣し加工までして持ってくる奴は想定してない……ってか普通にそれ専業で食ってけるだろ?なんでお前冒険者なんて賎業やってんの?イミフなんだけど?ってことだな。


「まあ、私達としては、儲かるので構いませんけどね!」


とのこと。


「へえ?よろしいので、そういう内部情報らしきものをド底辺の冒険者である俺程度の者に教えてしまって?聞かなかったことにした方がよろしいとかそういうアレです?」


「またまた〜!立ち振る舞いから分かりますが、分かっててやってる人でしょう、貴方は?」


大方、訳ありなんでしょうねと笑う受付嬢。


聞けば、そういう意味不明なムーブメントをする奴もいないことはないらしい。


大抵は訳ありらしいが、冒険者ギルドは儲かるならその辺の詮索はしないそうだ。


「そんな訳で、指名依頼が来ていますよ!熊の毛皮が必要な依頼人が……」


「ああ、ちょうど良かった。貴女も、その依頼人とやらも非常に運がいい!日頃の行いが良かったと神に感謝すると良いでしょう。つい先日、黒熊を仕留めて毛皮を作っておいたのです。もうすでに持っているので、それを提出させていただきます」


「あら!本当ですか?助かります!では買取台の方でこちらの番号札を出してくださいね!」




「よう、来たか、術師の坊主」


買取カウンターの中年男だ。


「話は聞いてるぜ、黒熊の毛皮だってな。なんでも、お貴族様が絨毯にするってえ話だ。それで金板三枚たあ、剛毅なもんだよなぁ」


金板三枚、となると銀貨三百枚。大体、この世界では三百万円の仕事ということになる。


「冒険者ってのは儲かるんだなあ、ボロい商売だぜ。まともに働くのが馬鹿らしいね」


「馬鹿タレが、んなわきゃねえだろ……。お前さんがイカれてるだけだ!」


聞けば、冒険者の平均収入は、『革板』で日給一万未満、『鉄章』で三、四万だそうだ。


ベテランとか一流とかと呼ばれる『銅盾』で、やっと十万いくくらい……。


それでも、上に行けば行くほど、マジックアイテムや高価な武具を揃えたりで金はかかる一方なんだとか。


「へえ、みんな大変なんだね。カワイソー」


「そうだよ、大変なんだよ!……まあ、オメエみたいなイカれのお陰で儲かってる俺達ギルドは、それに対して文句なんざ言えねぇがな!がはは!」


そんな世間話をしてから、毛皮を渡して報酬をもらった……。

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