第3話

気を失って気づいたら、あたりは暗くなっていた。人通りが少ない場所で倒れたので、だれも気付かなかったのだろう。もう、萩野とのごはんの約束には間に合わなかった。体も疲れているし、今日は、家でゆっくり休もうと思った。歩きながら、萩野に電話をした。「ごめん、今日は体調が悪くなって、行けない」と僕は言った。「おけ、また今度いこう」と萩野は残念そうに言った。萩野とは、また今度いけたらいいなと思う。最近の出来事について話したくなったからだ。萩野との電話を終わって家に帰った僕は、階段を上がり、自分の部屋に戻ってきた。なんだか、心地よい空間だなと思った。ベットに入り、重い体で横になった。最近の自分について、振り返ってみた。大学は、まあまあ楽しくやっていた。友達も2人いる。家庭環境も良好。順風満帆であったが、自分は何かを達成したかった、何か目標を立ててそれにそって歩んでいきたいそう思った。そして、目標を見つけた、小説家になろうと、なぜ、それを思ったのかは、小説が好きでそれを読んでいるうちに、小説を自分でも書きたいと思ったからだ。なぜ、今頃そう思ったのだろう、自分でもわからない、自分の中の好奇心みたいのが刺激され、浮かれてしまっているのかもしれない。しかし、自分はそれを書いてみたかったのだ、小説というものを。今日は疲れているので、そのまま寝ることにした。

次の日、僕は目を覚ました。ベットから出て、散歩に出かけた、今日は日中暑くなるらしい、朝は涼しかった。道沿いを歩いているうちに、犬に出会った。「おはよう」と僕は言った。可愛くしっぽを振る犬に、僕は自分もペットほしいなと思うのだった。30分ぐらいして、家に帰ると僕は、小説を書く準備をした、準備といっても、パソコン一台だけだった。そして、書いていく。自分の文章力については普通ぐらいだと思っているしかし、それでも、毎日、書いているうちにいつしか、うまくなるのではないかと思っていた。小説のタイトルは、「2人の使命」という題名だった。ある日、その星、アルゴンは戦争で苦しんでいた両国の対立は、神様が見守っている神殿が原因であった。そこは、両国の中間地点であった。2つの国の宗教は同じだった。そして、神のお告げを聞くために、両者対立しあっていたのだった。神様のお告げはこの先の未来のこと、そして神様は言ったのだ、「君たちは、何かを欠損している、そして、それを与えるものたちがいる、その人たちに会ってきなさい」と。まだ途中だがそんな内容だった。小説を書いているうちに、朝食の時間になった。「朝食だよ、早く降りてきて」と母が言った。「わかった、今降りてくる」と僕は大きな声で届くよう言った。パソコンを閉じて、階段をおりて、リビングに来た。今日の朝食はパンだ。イチゴジャムをつけたパンが皿の上に乗っかっている。「今日って何日だっけ」と僕は母に聞いた。「今日は、7月25日よ」と母が答えた。大学入学してからもう、4カ月になる。時間はどんどん進んでいくなと思った。「そういえば、お父さんは」と僕は言った。「出張らしい、2日後に帰ってくるよ」と母は頬をつきながら言った。お父さんは、この頃仕事で忙しいらしかった。「ねえ、今度の旅行どこがいい」と母は机に座りながら思い出したかのように言った。「うーん、沖縄とか、大阪とか行ったから、東北か、北海道がいいかな」と僕は考えてそう言った。「じゃあ、北海道しよう、日本の最北端だもんね、北と南を制覇したらもう、日本を制したものだもん」「いいね、北海道。夏だからちょうどいいんじゃないかな」「じゃあ北海道で決まりと、お父さんにも話しとくね。」と母は陽気な顔で言った。「大学はどうなの」と母は尋ねた。「まあまあだよ」「授業ついていけてる?」「うん、順調だよ」と平気そうな顔をした僕は言った。今日から、大学は休みでジムに行こうと思っていた、ジムには、屈強なマッチョの男たちがいる、自分も、マッチョになりたいなと思いながらトレーニングをしている。腹筋は少し割れてきた程度で、マッチョまでは程遠いい、けど運動で汗水たらせるだけで十分だと思った。「ジムに行ってくる昼食までに帰ってくる」僕は玄関に靴を履きに行った。「わかった。行ってらっしゃい」と母はテレビをみながら退屈そうに言った。ジムに着くと、いろいろな器具がおいてあった。そして、みんな黙々と筋トレをしている。僕はジムに入るとロッカーで着替えながら、なにをやろうかなと考えた。ランニングマシンもいいけど、筋力つけたいから、インクラインショルダープレスでも、やろうかなと思った。腕の筋肉が鍛えられるマシンだ。着替え終わると、ストレッチをして、マシンで筋トレをした、だいたい30回ぐらいやると疲れてくる。やることを、一通り終えて、ジムから家に帰ってきた。息抜きに筋トレはちょうどよかったと思った。筋トレをすることによって、何が鍛えられるかというと身体だったが、身体が鍛えられると自信がついてきた。家に帰ってきたら、母がまだ、リビングでテレビを見ている。僕は階段を上って、部屋に入った。そして、パソコンを立ち上げ、小説の続きを書く準備をした。

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