第33話

今日も森に入りました。しかし今日は明確な目的をもっての探索になります。昨日の冒険者の話によるとあの白蛇は森の浅い範囲で人々を脅しているのだとか。


「ではヴィオレ嬢、やってしまってください」

「ほんとにやるの?絶対怒られるの」

「心配しないでください、私は怪談師、講談師の端くれです。町民を納得させることなど朝飯前ですよ」

「うーん、まあわかったの。なんかあったらカタルに任せるの」


そういって彼女は森に対して暴力をふるう。素手で木々をなぎ倒し、地を割り、騒音とともに辺りがすっかり荒野然とした更地になり下がった。


巻き込まれないようにすこし離れたところから見ていた私は彼女が敵でないことに感謝した


続けてヴィオレ嬢が木々に殴りかかっているその時、声が響く


『やめろ人間!なにをしている!?』


やっと出てきましたねえ、白蛇さん


「やっと来たの!姿を現すの!」

『姿を現すの!ではないわ!!我らの森をこうも無残に破壊しおってどういうつもりなのだ!?』


「それについては私から申し上げましょう、白蛇さん。目的はあなたです」


《怪談・語り世》

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