第30話
町に着いた頃には日が暮れていた。
「あの蛇は何だったのでしょうか」
「わかんないの。でも超獣なのは確かなの。」
「よく見えませんでしたが大きさは普通の蛇と同じで、白影様のうわさで聞いたイノシシや人を食べるような大きさには見えませんでした」
超獣についてわかっていることは少ない。印が付き、超常の力に目覚めた動物の総称だが、印付きの人とは異なる点もある。とても長寿になったり、知能が上がったりする個体もいてわかっていないことが多い。閑話休題
集めた薬草やらを売り終え、宿に帰って白蛇について調べる。しかし、目撃情報はなく、森で知らない声が聞こえてくるといった話もなかった。
「何にもわからなかったの」
「そうですね。ですが何もわからないということがわかりました。ここから推測するにあの白蛇は若く、最近になって印が付き自我に目覚めたということ。であるならばおかみさんのおっしゃっていた白影とは全く関係がないということになります」
「ならあの森には二匹の超獣がいるってことなの?」
「そうとも限りません。白影が別の要因で強化された獣である場合もありますからね」
それにしても言葉を解し、テレパシーを扱える超獣ですか。私の講演の舞台麻生地として優秀かもしれませんね?
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