第13話
ヴィオレが前へと進む。傍から見れば一人の幼い少女を数十人のゴロツキが囲む絶望的状態。普通なら戦いにすらならないはずだ。
「死ね!」
ゴロツキの1人が短剣をヴィオレ嬢に振り下ろす
ヴィオレは短剣に合わせて拳を振るい、短剣を砕きながらゴロツキの腹を殴り飛ばす
絶対的体格の差も武器の有無もものともせず、圧倒的暴力が吹き荒れる
ヤケになり襲いかかる者、力に怯え後ずさる者、冷静に武器を構える者。そのことごとくが小さな子供の拳によって吹き飛ばされる
鉄も、肉も、骨も、印による超常現象でさえも打ち砕かれ、果実のように弾け飛ぶ
ぴんくどっぐ組でヴィオレ嬢の次に強かったであろうガイアですらその他大勢と同じように倒れている。
圧倒的暴力の前では何も意味をなし得ないのだと言わんばかりだ
「ふう、これでおしまいなの」
この惨状を作り出した当の本人であるヴィオレ嬢は返り血で全身を真っ赤に染めつつも、少し息を切らした程度、全くもって恐ろしい話ですね
「お見事ですね、ヴィオレ嬢。お強いとは聞いていましたがこれ程とは!」
正直言えば圧巻の一言です。
「お前の助けがなかったらもう少し手こずってたの。感謝するの」
仏頂面で私に礼を言う。
「お褒めに預かり光栄です。いやはや、それでも手こずるだけですか。やはり、ヴィオレ嬢の印は…」
「まあ、助けてもらった礼に教えてやってもいいの。ヴィオレの印は《暴力》、壊すことに関しては右に並ぶものはないの」
ヴィオレは右の二の腕の模様を見せつつ言った
やはり!過去の偉大な英雄や厄災と呼ばれた魔人に発現したとされる《暴力》の印!山を砕くことすら出来うる圧倒的武力!やはり、欲しいですね。
「それは素晴らしい!そんなあなたに提案があるのです。」
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