第3話
怪談をすることを了承し、檻の鍵が開けられた
「出な、案内してやる」
ガイアに連れられ、上の階へ連れられる。どうもスラム街の中にある一軒家の地下室に閉じ込められていたようだ
「それでどなたに怪談をお聞かせすればいいのですか?」
「うちの新しいボスだ、寝る前に聞きたいらしくてな」
「奇特な方ですね」
「お前が言うのか!?」
「ははっ、そうだな。だがまあ必要とされてるんだからいいじゃねえか」
ギャングのボスが怪談を嗜むのでしょうか…?いえ、偏見は良くありませんね。仮にも怪談好きの同士なのですから
「どのようなお話がよろしいでしょうか。せっかくですから、ご期待に添いたいと考えているのですが」
「ああ、そうだな。この街特有の怪談なんかがあれば最高だな」
「土着の怪談ですか…、そうなると長くこちらにいらっしゃる皆様の方がお詳しいのでは無いですか?」
「俺らに親は居ねぇ奴が多いからな。寝物語なんて聞いたことないさ」
ふむ、ここグラッシス領の強みは、ガラスの加工でしたか。であれば眼鏡に関する話がありましたか。
「着いたぜ、ここの部屋だ」
そうこうと話しているうちに、2階まで階段を上がった突き当たりの扉、目的の場所に着いていたようだ
「ボス!ちょっといいか?」
「さっさと要件を言うの。もう寝るの」
ん?おおよそギャングのボスの声とは思えない声が聞こえてきたが……
ガイアが扉を開ける
そこに居たのは窓から差し込む月光を受けて輝く白髪を短くまとめ、光を吸い込むほどの漆黒の瞳を持つ美しい女性、と言うだけでは無い。身長に対して大きい頭、短い手足、幼い顔立ち。ギャングのボスたる彼女は紛うことなき幼女であった。
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