6月

眠りの扉

瞼の裏一面に広がったのは

液体酸素のような水色


刻々色が濃くなって

宮沢賢治がのぞいた

青ガラスの色


瑠璃色の光は燃えるリン

炎色反応が極まれば

いよいよ冴えて天藍てんらん


白く光る青

青く光る白


燐光は思考回路を

幻惑して

なお衰えない


ライト・ブルーの氷河の奥へ


カプリ・ブルーの洞窟の奥へ


ラピスラズリの密林の奥へ


青を探索するうちに

眠りの扉があらわれる


その向こうには

新月の星月夜が

無限に広がっている


はずだ


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093078489453430

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る