1-13

その後、寝室で満足行くまで推しについて語り続けた私は、げっそりした様子の旦那様と眠りにつきました。



翌朝

「おはようございます!リリア様!起きて下さいませ~!」


そう言ってメアリにシーツを剥ぎ取られ、デリアにカーテンをシャッと開けられ、さむーい!まぶしい~!と言って起きました。


いつものように旦那様はもういません。


「何なの?まだ眠たいのだけど!」


まだそんなに遅い時間でもありませんのに…!


「おはようございます。お忘れですか?今日は楽しい楽しいーー」


そうだったわ…!


「訓練の日!楽しみじゃないわ~!」


「その通りです。さあ、張り切っていきましょう!」


「誰とやるの?」


「私達二人でございますよ?こういうことも含めて出来る者が専属になりますからね」


「そうなの。なら容赦ないわね、きっと」


「はい!今日は忙しいですよ!」


メアリ、元気ねぇ。私は元気がでないわ…


「では説明致します。まずリュマベル城の周りを5周、その後水分補給して乗馬、剣です。」


「全て正装で行いますよ!軽装で訓練して正装のときになにかあっては困りますからね!ちなみに乗馬は正装と軽装、両方やります!」


「午後からはマナーの復習を一通り、リリア様の学力を知りたいのでテストをやって頂きます。これで終わりです」


これで終わりですって多すぎない?特に午前中!聞くだけで疲れたわ!


「ほ、本当にやるの?全部?」


「勿論です」


「逃げてもいいかしら?」


「ダメです!」


「早く始めましょう。時間は有限ですよ!」


「分かりましたぁ…ちなみにお城の周りって一周どれくらいあるの?結構あるわよね?」


「はい。丁度2キロです」


「それを5周…つまり10キロ…が、頑張るわ」


「はい、頑張って下さい」


正装でやるのよね…私、普段正装でもこんなゴッテゴテのドレス着ないけど?わざと重くしてるわよね?

まあいいわ…今更言うだけ無駄ってものよね。



「じゃあ行ってくるわ!」


「ええ」


こうして私の訓練は始まったのだけど…



「お、終わりです!5周走り終わりましたよ、リリア様!」


「あら、もう終わったわね。以外と早かったわ」


「足速すぎません?ヒューン!でしたよ」


メアリ、ヒューンでしたよって何?


「運動、苦手なのではなかったのですか?正直、ノルマは達成出来ないと思っていましたが、この調子だと大丈夫そうですね」


「別に苦手ではないわよ?面倒くさいというだけで、どちらかというと得意だし。これでも学院では主席だったもの」


「そ、そうでしたか。では次は乗馬ですね」




〈乗馬〉正装バージョン


「リリア様、まずはゆっくり走ってーー」


パカッパカッパカッ!


「あら、ゆっくりした方が良かった?」


「いえ、大丈夫です…」


(横乗りのスピードではないのですが…)



〈乗馬〉軽装バージョン


「リリア様、跨がって乗ったことはございますかーーー!」


ドドドドドッ!


「リリア様!?」


「なに?私、乗馬は得意なのよ!」


(乗馬という可愛いレベルではありません!いつのまに障害物まで用意したのですか!?)

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