1-7
「はじめまして、リリアと申します。貴方のお名前は?」
王宮に行く前に護者の方に挨拶をします。彼はマックと言うお名前だそうで、とても親しみ易そうな方でしたわ。
「王宮に向かってくださる?」
「分かりました。では出発致しますね」
スミス公爵家はすごいわね…我が家もだったけれど、とても使用人さん達の雰囲気がいいわ。
公爵領も素敵なところだわ。旦那様とは仲良くなれなさそうでしたけれど、とても領主として優秀でいらっしゃる。
スミス公爵領は一番王都に近いから、もう王宮の近くまで来てしまったけれど今度散策してみようかしら?
そのときにエリザベス様もご一緒だったら、きっとこの上なく楽しいのに…!と妄想を捗らせて見ました。
最近あまり社交行事がなくてお会い出来ていないのよねぇ。そういえば、結婚までにお友達になるという目標、達成出来なかったわ……
「奥様。もうすぐ王宮に到着致します」
「分かったわ」
ガタンッ!
「到着致しました」
「ありがとう。行ってくるわね」
今日は何のお話をしてくださるのでしょう?楽しみだわ。
確か庭園にある
「ご機嫌麗しゅう、王妃様。遅くなりまして申し訳ございません」
そう言って
「大丈夫よ。よく来たわね、楽にして頂戴」
「ありがとうございます。…っ!」
エリザベス様!?今日も素敵だわ!…ではなくて、何故ここにいらっしゃるの?
と、取り敢えずご挨拶しましょう。
「ご機嫌麗しゅう、エリザベス様。」
「ええ、ご機嫌よう。お久しぶりですね、リリア嬢」
と、おっとりとご挨拶されます。ああ、やっぱり素敵!
「ふふっ。何故エリザベスがここにいるのか不思議に思っているでしょう?今日はリリアにサプライズで呼んでみたの。嬉しいでしょう?」
「そんなに喜んで頂けないと思いますけれど…」
「いえ、嬉しい!とても嬉しいですわ!」
「そ、そう?それなら良かったわ」
「だから言ったでしょう?リリアは絶対に喜ぶって。貴方は気付いていないと思うけれど、リリアは貴方の事が大好きなのよ?」
「ええそうです!学院に入学した時から洗練された立ち居振舞い、神秘的な美しさ、中世的なお声!」
「そして、優しさまでも兼ね備えたエリザベス様に一目でひかれましたの!」
「そ、そんなに前から?嬉しいわ。その…実はわたくしもリリア嬢に憧れていましたの…明るくて可愛らしくてお優しくて、とても素敵な方だと思っていましたのよ」
「ほ、本当ですか?」
「ええ。その、宜しければわたくしとお、お友達になって頂けないかしら?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます