第15話 在るべき姿
俺が結構長めに寝ていたから出発時刻は昼に近い時間帯であった。
これに感じては申し訳ないが致し方ないと許してくれていた、と言うよりそこまで気にしている感じはなかった。
そんでそんな俺らは徒歩で目的地、に辿り着くために一度フォティア国まで戻ることにいした。そこで他の移動手段を探すことにしたのだ。流石にユールシアス大陸の端まで徒歩で行くのはきつい、日々中ジョギングしろって言ってるようなもんだ。
ラミナに距離などの計算をしてもらっているなか俺らはずっと歩いている。ちなみに俺が一番後ろである。なんか、ここがしっくり来る。陰キャの性なのだ。こればっかりは変えることのできないものなのだろう。
『ジェスター様、気をつけてください怪異が近くに現れました』
ラミナの声がいきなり聞こえた為、周りをよく見ながら歩いていると普通見えないはずの角度なのに俺が周りを見ていることに気づいたヤンデレ妹、サージュが気にする。
「お兄様?どうされました?」
「逆に聞きたいことあるんだが、お前俺のことが見えない角度なはずなのに何で分かるんだよ」
「それはお兄様を愛しているからですよ♡」
「それはそれで怖いんだが?」
さっき言ったようにヤンデレな妹、俺が何をするにもそれを知っているという何とも怖い妹である。前までは依存していた妹だったが、ふとした時しなくなった。妹の中で何かあったんだろうと思って、俺はヤンデレから解放されると思っていた。しかし、そうは問屋はおろしてくれなかった。一周回って知的で冷静な判断ができるようになった愛情爆発妹になったのだ畜生が。
つまり愛情はヤンデレに負けず、何に冷静で思考が回るやつになったのだ。逆にめんどくね?
「サージュ君は変わらずと言った感じだね」
「ジェスター…面倒な妹持ってるんだな」
「マジで困ってる」
いやね?確率なんて前提として物事を考えているって俺言ったけどさ、多分俺逃げることできなくね?
ヤンデレ妹に常に追われる兄とか終わってるんだが。
いや。遺書書いて消えれば自由を得れるのでは…と思ったが、なんかサージュが凄い笑顔で且つ目に光がなくこちらを見つめる。
何それ、むっちゃ怖いことするねお前。
中身無い会話をしていたら。
どこからかこの世に存在する生物とは逸脱したかのような声の呻き声が聞こえてきた。微かにしか聞こえなかったが、この場にいた全員は気づいた。
その瞬間に四方を警戒、直様武器を構える。
「何ですか…今の声」
「博識なおっさんでも分からんなぁ」
「だが、恐らく全員予想ついているんじゃないかい?」
全員、嫌な汗が流れていることを理解する。
「十中八九怪異だろうな」
怪異、ラミナから聞いていたが遭遇するのは初めてだな。
気配的に数は四つだな。丁度対応できる数だ。
『ジェスター様、恐らく低級に位置する怪異と思われます。怪異には階級があります』
脳内に解説の声が聞こえながら周囲を見ると。
何かが飛来してくる。その方向はアクアマリンだ。
「っ!」
アクアマリンの死角から飛来してきた何かをアクアマリンは気づいて、咄嗟に撃った。
撃ったら飛来してきた何かは十数m吹っ飛んだが、飛来してくる時より速度は落ちた為、見た目を視認することができた。
ドス黒く深紅のように赤く、蠢く皮膚のようなものに複数の人の目のような物、形状を見ると蛙を思い浮かべるような形をしている。
「ググぅぅあぁ!」
蛙のような怪異は叫びを上げる。それが悲鳴なのか、雄叫びなのか。
『低級の怪異は脅威ではなく一般的な大人でも倒すことは可能です』
俺は抜刀の構えをして縮地で距離を詰める。
『怪異は存在の噂の力によって変わります。弱い噂、昔はあれど今は無い話の具現化です。この世界の物質とは違う体、刺突だろうと斬撃だろうと打撃だろうと』
二歩で辿り着ける距離で横に斬った。
『断ち斬る程の力があれば実体を失い消滅します』
ラミナが言ったように血が出るわけでもなく黒い塵となって消滅した。
この怪異がなんなのか考えるよりも違う個体の方に注意を向ける。
だが杞憂だったようだ。
俺の後に続いていたのかゼラニウムとサージュは各自他処しており、アクアマリンは少し遠くから撃って既に終わっていたようだ。
集中で銃声が聞こえなかったのか?まぁ良いか。
「これが怪異と言うものか」
「これぇ蛙でしょ、おっさんが思うには蛙」
「蛙の怪異ねぇ、俺も同じように思うが動物が怪異になってるとは思いにくいな」
「そうですね、もしそうだったのなら他の各自でも起こっているはずですし、いきなり此処だけとは限りませんからね」
『お疲れ様です。ジェスター様』
おう、索敵サンキューな、お陰で先に気づくことができたわ。
ラミナは『それが仕事です』とだけ言うと本題に入った。
『遺跡のデータが大幅に破損していることは先日にお話ししたとお思いますが、今ある範囲でのデータを教えます』
あぁ、頼む。大凡、さっき言ってた怪異の脅威度的な話とさっき落ちた何かについてだろ?
『はい、まずは怪異の脅威について、怪異は大きく分けて六つの危険度があります。それぞれアルファー級、ベータ級、ガンマ級、デルタ級、エプシロン級、スティグマ級です。それを先ほどの表現に用いた階級で表すと、アルファー級とベータ級が低級怪異、ガンマ級とデルタ級が中級怪異、エプシロン級とスティグマ級が上級怪異となります。そして例外としてどれにも属さない異級があります。そして怪異自体について、怪異は神話、童話、などや噂など、本来いるはずないと思える存在が知れ渡っているか否かで強さが変わる人ならざる存在です。基本的に知的ではなく本能的に人を襲いますが、階級が高い怪異ほど意思を持ちます』
なら今回はアルファー級かベータ級に位置するってところか。
「お兄様、大丈夫ですか?」
そういや、俺。ずっと立ち尽くしたままだった。
これじゃ怪しい人が武器持って立ってる構図になるじゃねぇか、通りすがりの人からあの人やば、関わっちゃいけない人種って思われるじゃねぇか。そもそも俺が関わっちゃいけない人種だから変わらなくね?
「あぁ、大丈夫だ。ちょいと将来どうしたら寝るだけの生活に出来るか考えていただけだ」
「嘘つくにしてももう少しあったんじゃないですか?それとお兄様のことなら私が養いますので心配しなくても良いですよお兄様♡」
「言動全部がヤンデレに向くやん、俺どうしようもなくね?」
「今気づいたか少年よ、つまり人生詰みというわけだハッハッハ」
「笑い事じゃねぇよ!」
チクショーこんなことなら金全部賭け事で溶かすんだった。
「それはともかく、何していたのか聞いていいかな?」
正直、断片的な情報だけでは混乱するだけだろうし、ある程度情報が出てからの方が良いだろう。あとめんどい。
「俺から言えることはその時がくればって感じだな」
なんかすげぇカッコつけた言い方してるけどそこまで時間いらない件について。こりゃ黒歴史ノートに追加のページだな。
「…分かった、それまで聞くことはしないでおこう」
「理解早くてほんと助かるわ」
「このメンツならそうでしょ、おっさんも含めて」
確かに、頭の回転が早いから物事の理解が良いんだったわ。
んで、俺らが倒した怪異は全て同じだった。これはどういうことなんだ?ラミナ。
『はい、噂や話の信憑性の低い怪異はその薄さからか、派生しやすい傾向があります』
弱い噂だと途中で改変されるのと同じようなもんか?
『その解釈で大丈夫です。しかし、強い怪異は一体しか存在しません』
その話や神話、童話の話が有名なほど中身は固定され派生しにくいからってところか。
『はい、その通りです』
なるほどな、強い個体ほど一帯でしかいない、だが意思があるのなら対話も試みれるか。
「警戒はしとくが歩いて行くか」
「留まっている場合でもないからね」
「おっさんはもう少しで体力切れ起こしそうなんだけどぉ」
「あっそ、なら先行くからな」
「…あら、切ない」
また俺らは歩き出した。時間的には三時間歩いている感じか?
まだ腹が減っているわけでもないが、そろそろ休憩を取るのも良い感じだな。
「とは言ったが、そろそろ休憩を取っても良いか」
「おっさんのこと気にしてんなら大丈夫よ?」
「いや、銭湯も入るのなら休憩を取っていた方が後々動きやすいと思っただけだ」
「あ、そう?」
疲れが溜まっては戦闘もきついだろうからな。
少し歩いた場所に昨日歩いている途中で見つけた木があった。
前と同じ場所で休憩と考えると、意外とここで昼寝とかしてる人多そうだな。
まぁ、今日みたいに快晴なら日差しも風も心地いいしな。
そういや、俺は寝てないわ。
「とりま休憩すっか」
俺は木の近くに腰掛ける。大きく溜息を吐きつつ足を休める。
サージュは俺の隣に来た。うんまぁ予想はしてた。
「やっぱりお兄様の匂い好きです」
二人も適当に座って四人座った状態になって俺は一つ疑問思ったことができたから言った。
「思ったんだが、怪異が世界で起こるのなら戦争どころじゃなくなるよな」
三人とも、情勢に興味ないのか、疲れでそこまで思考が回らなかったのか、思い出したかのような表情になる。
「確かに、争いは少なからず減りそうだね」
「フォティア国の都市内なら安全なんでしょうけど、スラム街の方はどうなるのか分かりませんね…」
「最悪、スラム街ごとぶっ壊して生産系の工場に変えるだろうな、あのなんも考えてない上の奴らなら」
フォティア国の上は結構やばい、どのくらいヤバいかでいうと美味しいと美味しいを混ぜれば美味しくなる理論でラーメンとケーキを混ぜる思考をしている奴と同じくらいやばい。
未来の住民より、格差社会を重視する連中だ。一般の人が思っているよりもあの国は腐っている。
「おっさんだって昔は国の犬として働いていたけどね、他の人なんて考えてないよ、ただ一人を除いてね」
「…その一人ってのは?」
「あら、ジェスター君知らない?」
「俺はお国のことなんざ興味なかったからな、式典なんて出ないし、屋敷でゴロゴロして腹が減ったら家裏にある川の苔を食うぐらいだ」
「ナチュラルに苔を食べてること言うんじゃないよ」
「お兄様…ご飯はちゃんと食べて下さいって言いましたよね?」
「私は君の食生活が不安なんだが」
それは俺自身も思っているのでスルー。
「んでその一人ってのは誰なんだ?」
「強引に話戻したな少年、その一人ってのは王位継承権を持っている少女、グリードの娘、セウド・メルって子よ」
セウド・メル…って確か優しい心の持ち主で有名な水色髪の少女のことか。確かに一人を除いているな。女王は亡くなっているし、王はあの様だ。なら娘しか頼む相手いないわな。
怪異が世界に現れたとして、それを各国はどう対処するのかになるな。
フォティア国は腐っても俺らの祖国だからな。流石にこれ以上ひどくなりかけたら動いてやるか。なるべく目立たない様にしてな。
だが、俺らが動き始めてから怪異が発生したとしてタイミングというか物事がスムーズに進み過ぎている。明らかに可笑しい。誰かが仕込んだ様にしか思えない。
「なぁ怪異が出たタイミングと俺らがそれを知るタイミング、どれもが都合良すぎると思わないか?」
「確かにそれは私も思ったさ、だがその謎を解く証拠も、根拠も無い状態だからね、あまり考えない様にしていたさ」
「誰かに仕込まれているかのようにスムーズですよね」
「一旦フォティア国に戻ったら色々調べてみるのも良さそうだな、一応俺ら兄妹の祖国でもある。少しぐらい国のために働いても良いか」
国が何考えてんのか気になっていたしな、住みやすい国になってくれるんなら融通も利きやすくなるはず、そうなれば遺跡調査もやりやすくなるはずだからな。
「さて、そろそろ動くか」
ちょっとした休憩には十分だ。
「五分休憩ぐらいの時間よ?」
「五分休憩できたのなら大丈夫だろ、そんぐらいのスパンで動ける様にならんと後々キツくなるぞ、つか軍はそこまでやらないのか?」
「休憩したとしても十五分、そんな五分なんて短い時間じゃないわよ、それじゃおっさんも身がもたない」
そんなもんなのか?それじゃ、奇襲があったとしてすぐ対応できるのか?いやそれ専用の訓練があるのかもしれない。そう考えるのが妥当か。
「お兄様が可笑しいだけですよ…普通そこまで警戒を解かずに動けるわけありません、今だって周囲を気にしながら座っていましたよね?」
「あぁ、そうだが…そういうもんか」
そういうもんって納得するしかないな。理解はしていない、納得しただけである。
「とりま、大丈夫だろお前らも」
「まぁ、歩いてるだけだからね」
「私も魔力を使っているわけじゃ無いからね」
「私も体力なら昔ある方ですし、このくらい平気です」
全員大丈夫そうだな、なら都市内まで歩くこともできるだろう。
「一応俺らが出た方向がスラム街の方向だ、そこなら人も少ないしゼラニウムがバレることもないんじゃないか?」
ゼラニウムは少々考えて口を開く。
「多分、大丈夫だろうけど、情報収集の時は別行動の方が良いかもしれないね。一人で隠れられる方が良いし」
「了解、というか情報収集は各自したほうが効率良いだろ」
それからただ歩いて行った。
もう一回だけ怪異との戦闘があったが、見た目は同じ能力は同じで対処することができた。
ラミナが敵の報告をしてくれるから怪異については問題ないのかもしれない。
来た道を戻るというわけであって、俺らは身に覚えのある道に辿り着く。
スラム街だ、今はまだ夕方。人はそこそこ居る。情報収集するなら大丈夫だろう。
「俺は工場近くの方に行くが、お前らはどっち方向に行くんだ?」
「工場に行く理由はあるのかい?」
「いや、ただの気まぐれ」
これに関してはマジで気まぐれ。
どこに行くか考えてパッと思いついたのが工場地区だっただけなのだ。
「私はお兄様に着いて行きます」
「効率考えて別行動にしてくれよ」
「むぅ、分かりました。その代わり終わったら甘やかして下さいねお兄様♡」
頬を膨らませて不満そうに言うがその条件を言ったときは少し小悪魔的な笑みを浮かべた。
いや、可愛いけどその言葉が怖いんよ。物分かりは良くなった方だけども。
「ほんと、ベッタベタというか重いというか」
「あの兄妹は不思議な二人だからね」
理解してるんなら対処法教えてくれても良いだろ、俺女心も妹心もわからんのだ。
「んで二時間後に此処に集合な、十五分しても来なかった場合は向かうで良いか?」
「了解、なら私も動くとするよ」
「おっさんもできる限り情報集めるわ」
「私は一応知ってはいますが確認も兼ねて行きますね」
んじゃ俺も行くか、それぞれがそれぞれの方向に向かって行く。
俺は静寂に包まれ、若干血の匂いがする。一番治安が悪い場所に行く。
此処の地理は一番詳しいからな。俺が行った方が良かった。
とりあえず工場付近まで行くことを目的に移動すっか。
だが、まぁ俺みたいな人間がスラム街の路地に行けば。
「…」
当然人に狙われる訳だ。
よくいるごろつき共とは違い、此処にいる奴らは戦闘知識が必ずある。それは何故か、無いと自分が殺されるからである。
フォティア国が一番放置し、実態が外に出ない場所、それが此処である。
次の通路の横に隠れている奴をわざと泳がせる。
俺が通路に来た時、そいつは身を乗り出した。が、気づいていた俺はそいつの手首を掴み武器を落とさせ蹴る。
「っ!?」
対応されると思っていなかったのか驚きの表情が見える。背や顔から十三くらいの少女か?
だが、俺は容赦なく捩じ伏せる。
「さ、俺のことを狙うにしても、相手が気づいていることに気づかなかった。それと奇襲をするならもうちょっと気配を消すことだな」
一般人よりは気配を隠せていたがまだまだだ。俺がその年には気配を殺すことができた。
見ないうちに少しはマシになってるんだな。
こんな弱く小さい少女でも生きている、そう考えるだけでもまだマシか。
「私の負け…うん、殺しても良いよ。元々、相手を殺せなかった私のせいだから」
「案外、肝が座っているもんだな」
「そうでもしないと…此処じゃ生きられないから」
黒髪で小柄な少女が諦めたように言葉を口にする。
俺はゆっくり拘束を解き、少女を立たせる。
「ま、俺は無益な摂政を好まないんでな、殺す気はねぇよ」
「そう…」
少女はどうするわけもなく、ただ立ち尽くしている。
「その死にたそうな目を辞めてくれるか?昔の俺を思い出しちまうからな」
「生きる目的も、生きる術もないから…」
頭を抱えてため息を俺は吐いた。
こいつをどうすっか、周りで様子を見ていた奴は俺に勝てるビジョンが見えないのか襲ってこない。それか…。
「私をどうするの?」
感情がない様な声で話す少女の声でそっちの方に意識が向く。
「どうもいないつったら嘘になるか、とりま保護だな」
「保護?」
「あぁ、お前さん。他の連れのやつはいるか?」
「居ない、独り」
なら、他の村に連れて行けばなんとかなるだろう。リーテル村とか、ゼラニウムみたいなバレたら立場がないような奴でさえも受け入れる場所だ、そこまで連れていければ大丈夫だろう。
「俺を信じれるのなら着いてきてくれるか?と言っても安全な場所に行けるのは少し先になると思うけどな」
「…信じても信じなくても私は野垂れ死ぬだけだから、信じる」
「そうか、わかった」
この様子からして此処らへんのことを知っている。それに物事の理解が早い、何か知っていてもおかしくないか。
とりあえず、この子を連れたまま情報収集すっかね。
側から見れば誘拐に見えるんじゃね?って思ったが、こんな場所じゃ気にするだけ無駄か。
俺がされたことをすれば多少はマシになるかもしれんな。
とりあえずこの子のことを撫でた。
手を上げた時、体を強張らせる。多分殴られるか何かされると思ったんだろう。
だが、撫でた時、予想外といった表情をして、気持ちよさそうにしていた。
「歩けそうか?」
「…多分、でも二日間何も食べてないから、倒れるかも」
「そうか、なら」
「え?わっ!?」
俺は少女を抱えた。これなら動きやすいだろうし、状態をすぐに確認できる。一番安全だろう。名前も知らない、身分もさっき会ったばかりの子だが、俺と同じような雰囲気があった。私利私欲のクズ共とは違う何かを感じた。子供にもそういった思考を持つ奴はいる。ここは一種の地獄だ。そこから一人救えるのなら良いだろ身勝手な行動したとしても。妹が色々ヤンデレになりそうだけどね。
「……ありがとう」
「感謝は明日を安全に迎えられる環境になってからな」
「ううん、でも…撫でてくれた時、嬉しいって感じたから」
「おう、まぁ素直に受け取っておくわ」
夕陽に照らされ、ボロボロな少女を抱えながら俺は歩いて行った。
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