第九話


 男はSDカードをニラプーの首元に差し込んだ。

 そんな場所、あったの!?



 ピ────────────────────


 突如ニラプーの体から高温が鳴り始めた。

 おそらく、スピーカーの最大出力。


 男が入れたSDカードはウイルスの一種とでもいったところだろう。


 バックアップはとってある。

 大きな問題は無い。


「はっはっは。いいのかい。彼女のパスをたどって、君たちの本拠地に攻撃が始まるよ。」


「なっ」


 その手があったか。忘れていた。


 まずい。このままではバックアップごとやられる。


『さよなら。』


 ニラプー・・・?



【警告】

 通信が途切れました。

 対象:ニーディング・ランプー



「ん? 攻撃が始まらないな。」


 ニラプーを取り返す。

 絶対に・・・


 銃を乱射する。

 機械だからこその無茶で私は強引に突破する。


 頭が痛い。 熱い。

 明らかに負荷がかかりすぎいている。


 いい。やれ。ニラプーを取り戻さないと・・・



 気づいたときには、ニラプーはいなかった。

 すでに、実験体として持ち出されたのだと思った。


 自らの手でニラプーを撃ち殺したのだと気づくまで、しばらくの時間が必要だった。

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