第三話  《回想》


 夢を見た。


 それは、とても長く儚い夢だった。


 それは、とても長く儚い過去だった。


<><><><><>



 再び、この謎の部屋に戻ってきた。薄暗い、部屋。奇妙な、部屋に。戻らなくていいのに。無情だな、現実は。

 しばらくすると。いつものように、目の前にメッセージが送られてくる。


【あなたは、誰ですか?】


 しばらくの沈黙の後、


「私は、シャルティスアン・フィンテジェイリーです。」


 と返答した。


 通知  所要時間 1.2秒 


 今までで一番遅い結果となった。

 _____その後は、質問が続き1日が終わった。



<><><><><>



 この部屋では、水や食料がもらえることはない。壁には、切れ目すらなく、現実の物とは思えない。しかし、不思議とお腹が鳴ることはなかった。


 質問への回答が終わると、眠る。


 眠らされると言ったほうがいいかもしれない。

 眠ると、夢をみる。


 過去の夢

 未来の夢

 今の夢


 全てが夢に見えてくる。

 全部、夢ならいいのに...

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